2020年アメリカ大統領選[7月上旬定点観測]トランプ大統領はバイデン候補に負けていない

共和党の牙城であるテキサス州でバイデン大統領候補がリードしている!というニュースが出てきた。一方で、YouGov/CBS調査(テキサス州有権者数1212サンプル)によると、トランプがリードしている。

この1週間でスゥイング州であるノースカロライナ、アリゾナ、フロリダ州の結果がでてきたので、それぞれの調査票を詳しくみて考察していきたいと思う。

支持政党別の支持率

各調査資料を詳しくみてみると、支持政党別にくっきりとどちらの指示か分かれている。共和党員はトランプ大統領に投票、民主党員はバイデン大統領に投票する、と。どちらの政党にも属していないと回答したIndependenceの人達は、トランプ大統領支持とバイデン大統領候補支持でくっきりと分かれている。バイデンがリードしているという調査元であるUT/Thlerの調査では、支持政党なしの人がバイデン大統領候補に支持を得ている。しかしながら、YouGov/CBS Newsだとトランプ大統領が上回っているのだ。
支持政党なしの人達がどう動くかでどちらが勝利するか決まってくるのだが、まだ拮抗している状況である。

そして、驚くべきことに白人福音派の支持率は、どの州も8割を超えている。フロリダ州だけ75%だが、それでも高い支持を得ていることがわかる。以前、福音派がトランプ大統領に未だ投票すると書いたが、これを裏付けるようなデータが出てきたということになる。

以下は、支持政党別に、明日もし投票するとしたらどちらの候補者にいれるかという質問の回答になる。

ノースカロライナ州(Sample 818)

https://www.publicpolicypolling.com/wp-content/uploads/2020/07/NorthCarolinaResults7920.pdf

テキサス州①(UT/Thler ;Sample 1909)

https://www.uttyler.edu/politicalscience/files/codebook-dmn-uttyler-poll-july-2020-RV.pdf

テキサス州②(YouGov/CBS News ;Sample 1212)

https://drive.google.com/file/d/18HFC79lmRr1KVcbrUysfJd6XpLZxZxaP/view

アリゾナ州(YouGov/CBS News ;Sample 1099)

https://drive.google.com/file/d/1NdvAi60uPh_3x7OMA1S_ZtFCMBB7y8X_/view

フロリダ州(YouGov/CBS News ;Sample 1229)

各州有権者の支持政党者数

各州の有権者登録に基づく2020年時点の登録支持政党を確認してみると、スウィング州だけあって所属政党なしが多い。

ウィスコンシン、テキサス州はそういったデータを見つけられなかった。フロリダ、ノースカロライナ、ペンシルべニアは、登録上は民主党支持者数が上回っている。しかし、支持政党なしの人が多数いる状況なので、この人達の動向が決め手になってしまう。だからスウィング州なんだけどね。

Republican Democratic Minor No Party
フロリダ 4,851,116 5,127,920 157,639 3,595,208
ノースカロライナ 2,098,819 2,533,392 46,815 2,336,742
ペンシルベニア 3,254,822 4,062,752 1,231,488
アリゾナ 1,370,887 1,277,242 1,281,131

参照元
https://vt.ncsbe.gov/RegStat/Results/?date=07%2F11%2F2020
https://dos.myflorida.com/elections/data-statistics/voter-registration-statistics/voter-registration-reportsxlsx/voter-registration-by-party-affiliation/
https://azsos.gov/elections/voter-registration-historical-election-data
https://elections.wi.gov/node/6948
これ

トランプ大統領が嫌いだからバイデン大統領候補を支持する人達

最後に、トランプ大統領、あるいは、バイデン大統領候補に投票する主な理由についての回答をみてみよう。

そうすると、トランプ大統領に投票しようとしている人は「トランプ大統領が好きだから」が最多の約7割を占める。これは、フロリダ、アリゾナ、テキサスのYouGov/CBS News でほぼ同じような結果になっていることがわかる。

https://drive.google.com/file/d/1-C5RyFI1LE1weFlOqBTBW9IM-7poynst/view

逆に、バイデン大統領候補はどうかというと、「トランプ大統領が嫌いだからバイデン」という非常に消極的な理由が最多を占めることになる。支持政党なしに至っては、約7割にのぼる。 フロリダ、アリゾナ、テキサス でほぼ同じ結果が出ている。
バイデン大統領候補を強く支持している人は民主党登録者でさえ3割ていどで、とにかくトランプ大統領への嫌悪感がバイデン大統領支持へと向かわせていることになってしまっている。

振返ると、2016年は「ヒラリー大統領候補が嫌いだから、トランプ大統領に投票した」という人がそれなりにいた。今回は、その逆で「トランプ大統領が嫌いだからバイデン」となってしまっているのは、なんとも皮肉なことなのかもしれない。

では、これらをふまえて大統領選はどうなるか?
現段階では、まだどちらにもチャンスがある。これらの調査から、支持政党なしの人達は、トランプ大統領とバイデン大統領候補支持で見解が分かれている。さらに、まだ決めかねている人達が、今後どう動くかによっても変わってくるだろう。まだまだわからない。