2020年も福音派はトランプ大統領に8割が投票するようだ。選挙資金集めも苦戦していない。

バイデン大統領候補がリードしているというニュースが盛んにでている。しかし、トランプ大統領再選にとって重要な1つのグループは、福音派の支持だ。 福音派は、有権者の25%を占めるので非常に大きな勢力となっているので、重要なのだ。
ピュー・リサーチ・センターが実施した最新調査によると、トランプ大統領の仕事ぶりへの支持率は2017年8月以来の最低値である72%まで落ち込んだが、それでも82%がトランプ大統領に当選するだろうと回答している。

福音派からの支持率低下は、共和党への支持率低下と同様の下落幅だったことから、共和党およびトランプ政権への支持率低下とみなす側面もある。
デモ隊によって放火されたホワイトハウス近くのSt. John’s Episcopal Churchで「A bible」と表現したトランプ大統領は非難されまくっていたが、英国国教会だからか、福音派は興味がないということでしょうか。

If the election were held today, 82 percent of white evangelicals said they would vote for Trump or lean toward voting for him, while 17 percent would support Democrat Joe Biden, according to the Pew survey.
(中略)
Trump’s slip in approval among white evangelicals mirrors a seven-point decline in approval among Republicans and Republican-leaning independents, from 85 percent in March to 78 percent today. Analysis by Pew found this decline was driven about equally by Republicans who are white evangelical Protestants as well as other Republicans.

https://www.washingtonpost.com/religion/2020/07/01/trumps-white-evangelical-approval-slips-pew-finds-82-percent-still-plan-vote-him/

また、トランプ陣営とRNCは選挙資金集めに苦戦しているようなことはない。6月は1.3億ドルを調達してここ数カ月の資金調達を上回る結果をだせた。この金額は、5月時点のバイデン大統領候補の手元資金に匹敵する。
5月ははじめて月間でバイデン陣営の選挙資金集めがトランプ陣営を上回ったが、民主党の資金集めによるところも多分にあるだろう。6月のバイデン陣営の資金集め状況は、まだ公表

President Donald Trump and the Republican National Committee raised a combined $131 million in June, a significant jump over its recent monthly fundraising hauls.

https://www.politico.com/news/2020/07/01/trump-rnc-raised-131-million-june-347455

また、気になるのは、トランプ大統領が中国に対して強硬路線にでるかどうかだが、どうもあまりそういう話がでてきていない気がしてならない。バイデン叩きを進めるようだ。

トランプ氏は選挙広告やインタビュー、ソーシャルメディアへの投稿を通じて、デラウェア州選出上院議員や副大統領としてのバイデン氏の過去40年間の経歴に焦点を当てようとしている。これはトランプ氏がこれまでバイデン氏に関して発信してきた幾つかのメッセージの中で、最も一貫性のあるものだ。

https://jp.wsj.com/articles/SB12812375638612804776604586479370437773998

また、クシュナー大統領上級顧問が、2020年トランプ陣営の選挙対策COOであったマイケル・グラスナーからジェフ・デビットに換えたことが話題になっている。

通常、投票まで4か月しかない状況で、大統領選挙対策本部のメンバーを差し替えたりするのは珍しいようだ。オクラホマ州Tulsaの選挙集会で、ガラガラだったことの制裁だというささやかれている。
噂によると、選挙対策本部長のBrad Parscaleにさえこれを告げなかったようだ。

Kushner on Tuesday replaced chief operating officer Michael Glassner with Jeff DeWit, who held the same position in Trump’s 2016 campaign. The decision to remove Glassner, who has been overseeing the president’s rallies, is seen internally as an effort to designate blame for the Tulsa disaster. The June 20 rally was marred by the sight of thousands of empty seats.

https://www.politico.com/news/2020/07/01/jared-kushner-trump-campaign-team-346728

ジェフ・デビットは、アリゾナ州財務官出身で、アリゾナ州共和党議長だった人物だ。また、2016年トランプ陣営におけるアリゾナ州におけるトランプ大統領選挙陣営議長だった人物で、トランプ大統領当選後は、NASAのCFOを務めた人物だ。 2020年トランプ大統領選挙では、POLITICOによると予算編成から選挙集会計画のすべてを監督するになるという。

アリゾナ州は、2016年にトランプ大統領が勝利したものの、クリントン大統領第二期目の1996年では民主党が勝利している。しかも、青い州に挟まれているのもあり、いちおうスウィング・ステート州と認識されているようだ。
アリゾナ州を落とせないという意図もあるのかも。

ピュー・リサーチ・センターによると、 福音派からの支持を集めているものの、 アフリカ系アメリカ人プロテスタント(83%)、ヒスパニック系カトリック教徒(74%)、および宗教的に無関係の有権者(74%)の大多数が、トランプ氏に投票しないとしている。Black for Trump、Hispanic for Trumpといったキャンペーンをうっていてもほぼ効果がないということですね。

こうなったら、 アフリカ系アメリカ人、ヒスパニックは団結して投票率を上げればトランプ大統領再選阻止を実現できなくはないと思います。アフリカ系アメリカ人の投票率は6割くらい、ヒスパニックは47.6%で人種別でみると最低ですからね。問題は、これらの人たちが、ある目的のために団結できるか選挙に行くという約束を守れるかどうかでしょうね。

https://www.pewresearch.org/fact-tank/2017/05/12/black-voter-turnout-fell-in-2016-even-as-a-record-number-of-americans-cast-ballots/