2020年米総選挙:大統領選&上院議員選の接戦州における投票終了時間と結果発表タイムライン

前週はフロリダ州が焦点になることを理由とともにお伝えしました。
今回は、 2020年米国総選挙においてはいつ投票終了し、どういうタイムラインで発表されるか、いつ採集結果がわかるかのタイムラインを整理していきます。
前回のこのブログ、読んでいない方は一読をお勧めします。

まず、2020年総選挙にあたって、下院議員は民主党が多数党になるので省略します。知事選と州議会選挙もありますが、50州の中で共和党が多数派になる予測なので、こちらも省略します。重要なのは、大統領選と上院議員選です。大統領選挙の方が注目が集まりがちですが、法案作成と予算の権限は連邦議会ですので、接戦になっている上院議員選には特に注目が必要です。

大統領選では、接戦州(スゥイング州)のフロリダ州、ノースカロライナ州、ペンシルヴェニア州、ウィスコンシン州、アリゾナ州だけでなく、接戦しているといわれているテキサス州、ジョージア州、ミシガン州も含めます。接戦州以外の州は、直近数十年の歴史をみても勝利者はほぼ決まっているので優先度が低いのでほっておきましょう。

また、上院選では、どちらが多数党をとるかが非常に重要です。私が上院議員選で接戦していると考えているのはノースカロライナ州、アイオワ州、アリゾナ州、メイン州です。RCPでは9つの議席がトスアップですが、4議席だと思います。この4つの中で2議席とれば共和党は51議席確保されるので多数党がほぼほぼ確定とみえます。

接戦州の投票終了時間と結果発表のタイムライン

まず、当日の投票が早い時間で締め切る接戦州に注目します。11月から冬時間なので注意が必要ですね。参照元は、2020 Poll Closing TimesABCニュース
大統領選で接戦州は★、上院議員選での接戦州は☆とします

1)東部標準時間19時〆(日本時間4日午前9時)
★ジョージア州
2)東部標準時間19:30〆(日本時間4日午前9時半)
★☆ノースカロライナ州。
3)東部標準時間20:00〆(日本時間4日午前10時)
★フロリダ州(一部の選挙区で20時〆のため最後にあわせます)
★テキサス州 (一部の選挙区で21時〆)
★ミシガン州 (一部の選挙区で21時〆)
★ペンシルヴェニア州、 ☆メイン州
4)東部標準時間21:00〆(日本時間4日午前11時)
★☆アリゾナ州、★ウィスコンシン州
※アリゾナ州は、投票所の行列が終わらない限り投票終了にはならない
5)東部標準時間22:00〆(日本時間4日午前12時)
☆アイオワ州

他の重要な情報ともあわせて表組にしてみます。
※集計は投票日当日でも、署名確認を投票日より事前に開始できる州は「◆」

当日投票〆
日本時間4日
郵便投票
集計開始日
選挙人郵便投票
受取延長
★FLAM10時数週間前~29
★GAAM9時 投票日当日◆16
★☆ NCAM9時半投票日当日◆ 15 9日後
★TX AM10時
(一部AM11時)
2週間~ 381日後
★MI AM10時
(一部AM11時)
投票日当日◆ 1614日後
☆ME AM10時 投票日当日◆
★PA AM10時 投票日当日203日後
★☆ AZ AM11時数週間前~ 11
★WI AM11時 投票日当日 10
☆IA 正午 2週間~

結果発表のタイムラインについては、やや複雑で表組にすることを断念しましたので、以下に書いていきます。

まず、ABCニュースによると、ジョージア州の集計は「集計マシーンのボタンを押すだけ」だそうなので、日本時間9時を過ぎた頃に、一番早く最終結果報告がわかると思います。

次に、ノースカロライナ州選挙管理委員会(NCSBE)のHPによると、日本時間9時半~10時半の間に期日前投票(郵便投票含む)分が報告されます。当日投票分は10時半以降に、当日投票分が各選挙区ごとに5~10分おきにデータ更新されます。尚、ノースカロライナ州は郵便投票が投票日より9日遅れて到着しても有効になる予定ですが、有権者登録者数の半分をとれればどちらかが勝利するでしょう。尚、選挙後の訴訟で郵便投票受付分が無効になる可能性は残っています。

また、 大統領選の勝敗を分けるフロリダ州は、投票終了30分以内に各選挙区からの期日前投票(郵便投票含む)を報告するようなので、すべての州が投票終了した日本時間10時~10時半になる可能性が高い。

フロリダ州とノースカロライナ州が厄介なのは、期日前投票の集計が先にリリースするので、間違いなくバイデン大統領候補が有利なヘッドラインが出てくることです。ノースカロライナ州上院選では民主党候補のカニングハム候補が有利なヘッドラインが出てくるでしょう。


そして、正直、上記のFL州とNC州以外はいつ判明するかまったくみえません。
テキサス州は大票田で投票終了したら発表できるようですが、具体的なスケジュールなどがわかっていません。

次に、アリゾナ州は日本時間AM11時に投票終了予定で投票終了から1時間後には発表することは可能。しかし、投票所に行列ができてたら、列がなくなるまで投票終了できないようです…。

また、メイン州は投票日以前に署名確認はできますが、集計は当日。しかも、選挙区の半数が手作業集計なのでいつ結果がでるのかみえない。
ウィスコンシン州も投票日当日からしか集計できないし、開封作業がヒトの手で、集計は機械。夜通し作業になる見通し
2000年でフロリダ州の集計を助けたみずほFGが活躍できそう!

ここまでくるとアイオワ州が日本時間正午に投票が終了するので、数週間前から署名確認と集計されていることもあり早くわかるかもしれません。

最後に、ミシガン州、ペンシルヴェニア州は当日判明する見込みはありません。
ミシガン州は郵便投票を投票日以降の14日後まで認めるので、接戦だったら14日後まで結論がでないでしょう。
ペンシルヴェニア州は、郵便投票は投票日以降3日後まで認めていますが集計に数字~数週間かかるという見込みがあり、まったくよめません。
また、The Hillによるとペンシルベニア州では11/3以降の裁判で、投票日以降の郵便到着分が無効になる可能性はあるので分けて集計するようPA州検事総長は州選挙当局に命じたとのこと。この訴訟の進捗と集計進捗によりそうです。

バイデン大統領候補に必要な選挙人はたった22人

各州の選挙人と、接戦州以外のバイデン大統領候補とトランプ大統領の獲得見込み選挙人数をみてみましょう。過去数十年の各州の勝利状況をふまえて、ミシガン州でバイデン大統領が勝利できるという前提にたつとバイデン大統領はあと22人獲得できれば勝利します。圧倒的に有利です。
なので、当日早く結果がでるであろうジョージア州、フロリダ州トランプ大統領が負けたらトランプ勝利は絶望的になります。また、共和党州のテキサス州も当日わかる見込みですが、ここで負けてもトランプ敗退確実でしょう。

なので、日本時間午前9時~午後でジョージア州、フロリダ州でトランプ大統領がまずは勝利できるかでだいぶ変わるはずです。
日本市場の時間にばっちり入っているのがアレですね。

上院選は投票日当日にどちらが多数党をとれるか判明する可能性が高い

共和党のマコネル上院院内総務は、最近の発言で50vs50だと考えているといった発言をしましたが、共和党ドナーが上院選に多額の献金を寄せていることから、大統領はバイデンになってもいいから上院議席だけは確保したいという考えが透けてみえます。そういった事情や各州上院選からみても私は共和党51議席確保すると考えています。

上院選で重要なのは、 ノースカロライナ州、アイオワ州、アリゾナ州、メイン州です。追加でジョージア州も接戦になってきたようなので一応入れておきます。まず、上院選で郵便投票受取延長があるのは、ノースカロライナ州だけです。つまり、上院選でどちらが多数党になるかについては、投票日当日には判明するといっても過言ではないでしょう。ただし、深夜~明け方になる可能性はありますが、大統領選みたいに何日も引きずるのはノースカロライナ州だけです。

選挙結果の発表順でいくと、ジョージア州で共和党2議席あるいは1議席でも落とすと民主党多数党支配がかなり高まります。ここで落としたら共和党はアウトです。まず、日本時間4日午前9時頃に共和党にとって一つ目のハードルです。
ここが無事クリアすれば、残り接戦の4州です。
ノースカロライナ州はわからなかったとしても、メイン州、アリゾナ州、アイオワ州の3議席中2議席を共和党が確保できれば51議席の可能性が極めて高くなります。また、さきほど書いたようにノースカロライナ州は期日前投票(郵便投票含む)を先に報告するので、「上院は民主党リード」みたいなヘッドラインが出てくることも予測されるので注意が必要です。
逆に、共和党がこの3州で1議席しか取れない場合は、ノースカロライナ州の郵便投票待ちになる可能性があります。ノースカロライナ州上院選が大きく差がつかない場合は、郵便投票の受付延長に関する訴訟が再燃するでしょう。

当日投票〆
日本時間
郵便投票
集計開始日
議席数郵便投票
受取延長
Reiker
当落予想
GAAM9時 投票日当日◆22議席
共和党
NCAM9時半投票日当日◆ 1 9日後 共和党
ME AM10時 投票日当日◆ 1民主党
AZ AM11時数週間前~ 1トスアップ
IA 正午 2週間~ 1 6日後共和党

上院接戦州については、ほぼすべての州で事前に署名確認をしているし、AZとIA州に至っては集計作業もしています。厄介なのは、メイン州が手作業で集計している選挙区が多いことと、AZ州が行列が終わるまで投票終了できないことですが。とはいえ、大統領選よりは圧倒的に結果がわかるのが早いでしょう。

尚、ノースカロライナ州の有権者登録者数は約733万に対して、約386万人が期日前投票(郵便投票返信含む)になります。まだ半分くらい投票していないことになります。 ノースカロライナ州は、州独自のballot trackingがあるので署名不備などがあればメールなどで通知がくるようです(ただし事前にWEB登録が必要)。ノースカロライナ州では約6万票が署名不備になると見込まれているので、どうなるのか非常に気になるところです。

上院議員選については、別記事でも過去にまとめたのでご参考までに。

参考資料
https://www.npr.org/2020/10/23/926258497/when-will-mail-in-ballots-be-counted-see-states-processing-timelines
https://abcnews.go.com/Politics/battleground-states-process-mail-ballots-delayed-results/story?id=73717671
https://www.ncsl.org/research/elections-and-campaigns/vopp-table-15-states-that-permit-voters-to-correct-signature-discrepancies.aspx
https://www.usatoday.com/in-depth/news/2020/10/09/how-make-sure-your-mail-ballot-counted-not-discarded-spoiled/3576638001/