アイオワ党員選挙、ニューハンプシャー州でブティジェッジ氏が大躍進をみせたが、アフリカ系アメリカ人支持率が低いことが話題になっている。
2019年12月時点で、たった数％しかアフリカ系アメリカ人は ブティジェッジ氏 を支持していないことがわかる。
アフリカ系アメリカ人が最も支持しているのはバイデン元副大統領だ。
Of course, this isn’t to say Buttigieg isn’t doing especially badly among black Democrats. He is. In the Quinnipiac survey, Buttigieg is at 23 percent among white Democrats and 4 percent among black Democrats. The Economist/YouGov survey put him at 16 among white Democrats and 2 percent among black Democrats. Which brings me to another obvious challenge for the mayor (and every other candidate) in winning black support: Biden. The former vice president is doing substantially better with black voters than he is overall, getting more than 40 percent of black voters in both the YouGov and Quinnipiac surveys.
https://fivethirtyeight.com/features/whats-really-behind-pete-buttigiegs-lack-of-support-among-black-voters/
ただ、別の調査では、アフリカ系アメリカ人のサンダース議員とバイデン元副大統領の支持率が拮抗している。これは1月で2000ほどの調査だ。
The Vice News/Ipsos Poll found that 56 percent of African American voters said that they would possibly vote for Sanders, a statistical tie with the 54 percent who said they might vote for former Vice President Joe Biden, who has been topping the polls for the Democratic Party’s presidential nomination. The poll was conducted between January 8 and January 10 among 2,013 U.S. adults
https://www.newsweek.com/majority-black-voters-say-they-could-vote-bernie-sanders-2020-election-1482343
年齢別では、若者ほどサンダース議員の支持率が半数を占めるので、おそらく若いアフリカ系アメリカ人層を取り込めているのかと推測される。サンダース議員の政策の一つとして、学生ローン負担軽減（あるいは帳消し）がある。実際、学生ローン（Famlily Loan含む）を最も多く抱えているのはアフリカ系アメリカ人なのだ。そういう観点を考慮すると、なぜアフリカ系アメリカ人がサンダース議員を支持しているかも垣間見えてくるのだ。
18-29歳
30－44歳
45-64歳
65歳以上
ブティジェッジ氏にとって、アフリカ系アメリカ人の取り込みを難しくするのは、自身が公式にゲイと宣言している点だ。白人層の民主党員と比較して、アフリカ系アメリカ人の民主党員はゲイを支持していない。なかなか厳しい戦いになることが見込まれる。
I think the evidence is fairly clear that black Democrats as a group are not as supportive of gay relationships or gay marriage as white Democrats. So, it is plausible that Buttigieg, as an openly gay candidate, starts at a disadvantage among black voters.
https://fivethirtyeight.com/features/whats-really-behind-pete-buttigiegs-lack-of-support-among-black-voters/
一方で、大統領選挙の場合は、そこまで考慮しなくてよいという話もでてくる。
アフリカ系アメリカ人の投票率は60％と白人層と同じくらい高い。
しかしながら、各州でみるとアフリカ系アメリカ人比率が25％以上と高いところは多くないのだ。
2010年国勢調査なので多少変化はあるが、ミシシッピ州、ルイジアナ州、ジョージア州、メリーランド州、サウスカロライナ州、アラバマ州のたった6州だ。
それぞれの選挙人数は多くない。
ミシシッピ州(6)
ルイジアナ州(8)
ジョージア州(16)
メリーランド州(11)
サウスカロライナ州(9)
アラバマ州 (9)
メリーランド州は民主党が強い州だが、それ以外は共和党が強い州なのだ。ジョージア州はブッシュ大統領時代から共和党が勝利しているが、接戦を強いられている。2018年の中間選挙で州知事選挙では僅差だったが、共和党が勝利したのだ。
一方で、トランプ大統領の黒人支持率は極めて低い。2016年選挙時もアフリカ系アメリカ人からの支持はたった8％だった。たった8％！
米大統領選を約１年後に控え、トランプ大統領が黒人の票の開拓に乗り出している。黒人は民主党支持者が圧倒的に多く、人種差別的な言動の目立つトランプ氏の黒人からの支持率は１０％程度にとどまる。浸透が難しそうな黒人に働き掛けるのはなぜか。動きを追った。 （中略）
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019111200685&g=int
トランプ氏を支持する黒人は少数派だ。米メディアによると、２０１６年選挙のトランプ氏の黒人からの得票率は８％だったのに対し、クリントン氏は８８％。また、黒人の８割以上が、トランプ氏が黒人社会の状況を悪化させたと答えた調査もある。一方、政治専門紙ポリティコによると、トランプ氏陣営は、前回選挙でトランプ氏が得票率の差１ポイント未満で制したミシガンなどでは、民主党から数ポイントでも黒人票を奪えればトランプ氏に有利になると期待しているという。
トランプ選挙陣営も、スーパーボールに1000万ドル使うなど、アフリカ系アメリカ人を取り込むための広告展開をしている。また、先日の一般教書演説では第二次世界大戦で活躍したアフリカ系アメリカ人兵士を招待して称えた。また、同じく演説で アフリカ系アメリカ人の親子（シングルマザー）に奨学金を与えている。アフリカ系アメリカ人を意識した演出をしたという指摘もしている。
The Trump campaign spent half of its $10 million Super Bowl ad-buy highlighting Mr. Trump’s commutation of a black woman’s life sentence for a drug offense. Then on Tuesday African Americans were front-and-center.
https://www.wsj.com/articles/trumps-bid-for-the-black-vote-11581034624
Some of Mr. Trump’s appeals were symbolic, such as recognizing 100-year-old Charles McGee, who served in the all-black Tuskegee Army Air Force unit in World War II, and his great-grandson, who wants to be an astronaut. He mentioned Frederick Douglass, Harriet Tubman, and Martin Luther King Jr. in his appeal to American greatness.
ブティジェッジ氏もトランプ大統領もアフリカ系アメリカ人取り込みに苦労しているとすれば、サンダース議員に勝利の可能性がみえてきても何らおかしくはない状況にもなってきているのだ。