バイデン候補が大統領選に勝利する

スーパーチューズデーの結果は、バイデン民主党候補がトップになった。
ブルームバーグ候補は、スーパーチューズデーから参戦して、スーパーチューズデーで撤退するという異例の事態になった。

https://www.washingtonpost.com/

バイデン元副大統領がサウスカロライナ州でトップになってから、この1週間で急に躍進した。ABCニュース、PBCなどのニュース番組などは「サウスカロライナ州結果以前では、バイデン元副大統領が当選するなど誰も考えていなかった!」と驚いている状況だ。それもそのはず。ニューハンプシャー州、アイオワ州、ネヴァダ州でこぞって負けたからだ。
一方で、サンダース議員が フィデル・カストロを擁護するような発言したことで失望および懸念が広がってサンダース議員から票が逃げたということも語られている。結果に対しての因果関係はわからないが、こういう事実があるという程度にとどめておくことにする。


まずは、スーパーチューズデーの振返り。スーパーチューズデーでは、 14州合計した1,357 delegates (代議員)からの票獲得をする。民主党では、全州の delegates (代議員) は約4000名だ。 スーパーチューズデーで全体の25%ほどが決定してしまうのだ。
党の指名候補者になるには、3979人前後の一般代議員のうち、51%以上を獲得しなければならない。民主党の場合、1991人が必要になる。
その中でも、大票田で注目していたテキサス州(228)とカリフォルニア州(415)に注目していた。カリフォルニア州では、先週くらいから、サンダース優勢だと聞いていた。しかし、テキサス州がまったくよめなかった。

テキサス州はヒスパニック人口が全米2位で4割ほどだ。アフリカ系アメリカ人比率は1割しかいない。南部州とはまた違う文化をもっていて、テキサス州はテキサス州だけで文化が確立しているといってもいい。隣の砂漠州ともまた少し違うのだ。サンダース議員は、ヒスパニック人口が3割もいて全米トップ5にはいるネヴァダ州党員集会でサンダース議員が圧勝していた。ヒスパニックからも支持を得ていると感じていた。

しかし、テキサス州ではそうではなかった。ヒスパニック総の支持が39%と低かったのだ。これはワシントンポストの出口調査なので、実際とは異なるかもしれないが、意外であった。ヒスパニック層は、サンダース支持になっていなかったのであることが露呈した。これはかなりの痛手だ。

サンダース議員はAOC議員という強力な味方がついているはずだ。では、AOC議員の地元に近いマサチューセッツ州はどうかというと、ヒスパニック層がサンダース支持が高いとはいえない。
話しが横にそれるが、マサチューセッツ州選出のウォーレン上院議員がマサチューセッツ州で負けるなんてもう彼女は撤退すべきだと感じた。

https://www.washingtonpost.com/elections/election-results/massachussetts-democratic-primary-live-results/

更に驚愕したことに、言われていたとおり、ジェネレーションX世代の若者はサンダース議員支持なのだ。逆に65歳以上では極めて人気がないことも露呈した。
ワシントンポストの出口調査によると、スーパーチューズデーで予備選をやった州のほとんどで、18-29歳はサンダース支持だった。最低でも5割、多い州では7割近くも票を獲得している。一方で、65歳以上はバイデン支持なのだ。
これはテキサス州の出口調査。

https://www.washingtonpost.com/elections/election-results/texas-democratic-primary-live-results/

カリフォルニア州でも顕著だ。ジェネレーションXとミレニアル世代は6割の支持なのに、65歳以上の高齢者ほどサンダース議員は人気がないのだ!
サンダース議員も、バイデン元副大統領も70歳を超えているが、若者VS高齢者の戦いになっている。

https://www.washingtonpost.com/elections/election-results/california-democratic-primary-live-results/

バイデン元副大統領が見込み薄かった一つとして、献金が集まっていなかったが、ここへきて、大口献金者が集まってきた。もともと、民主党への献金額トップ3に入っていたブルームバーグ候補はバイデン支持をしたことで、更に献金額にはずみがつくだろう。
この集めた献金で、キャンペーン広告をデジタル広告にシフトしていけば若者も獲得できるだろうし、民主党大統領候補として足固めになるだろう。


さて、では本選挙ではトランプ大統領には勝てるのか?ということになると、当ブログでは現段階では バイデン副大統領はトランプ大統領に勝つと宣言しておく。つまり、トランプ敗北だ。

その理由としては、アフリカ系アメリカ人の票をとれるからだ。 トランプ大統領はやたらとアフリカ系アメリカ人票をとりにいっている。おそらく、白人層はとりきったので、次のターゲットに移ったのだろう。ヒスパニック、アジア系よりは取りやすいと考えたのまでは正しいが、厳しい戦いになるだろう。まさかのまさかで、黒人層からトランプ大統領が人気がではじめたらわからなくなるが。
オバマ大統領なき今、ホワイト系の次に投票率が多いのはアフリカ系アメリカ人層だ。2020年はアフリカ系アメリカ人を制したものが大統領選を制す。

しかしながら、私はバイデン政権が国家を豊かに導くかというと非常に疑問が残る。「打倒トランプ政権」で民主党は一致団結して、連邦議員選挙で上院も下院も多数派になったとする。とはいえ、米民主党は、まとまっていないのだ。
気になるのは「打倒トランプ政権」というのはわかったけど、政策はなに?ということだ。

バイデン元副大統領は「私なら、民主党をまとめられる」と宣言しているが、それはエスタブリッシュメント(既得権益層)だけの話であって、AOC議員やタリブ議員を巻き込んでうまくできるわけがない。トランプ政権よりは、富の再分配が進むかもしれないが、国益を守れるか、覇権を守れるかというと頼りない。長期的には、米国衰退の道を歩むことになるだろう。
バイデン政権になったからといって、学生ローン、カードローン、自動車ローンなどの債務で苦しむ国民は何も変わらない。火種は温存されるだけだ。

バイデン大統領が誕生しても、米国の経済先行きが明るくなることはないだろうというのが現在の当ブログの見解だ。