ムニューシン財務長官は、トランプ大統領と同様に現金給付に熱心なようだ。
しかし、カドローNEC委員長はワシントンポストによると懐疑的な見解を示している。どうやら政権内部でも意見がわかれているらしい。
トランプ米政権は新たな景気刺激策について議員らと協議しており、7月中に議会を通過する可能性がある。ムニューシン米財務長官が23日に明らかにした。(中略)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-06-23/QCEAV8T0G1L501?srnd=cojp-v2
ムニューシン氏はこの日、共和党上院議員と会合を行った。議員らは家計への直接給付第2弾を次の刺激策に盛り込むべきかどうかを検討している。
って、書いているけど、ムニューシン財務長官は共和党上院議員とのランチ会合で直接給付に言及することはなかったと報道している。しかも、参加した共和党員によると7月末までに下院が可決した法案を上院で通過させたい意向を示したようだ。どうもトランプ政権は、大きな政府のせいなのか、民主党と意見が一致していることが多く、民主党と先に交渉して、最後に共和党と交渉する順序にしていることが多い気がする。
Mnuchin, however, did not make a pitch for the checks at the lunch, according to two GOP senators who attended.
https://thehill.com/homenews/administration/504216-trump-gop-clash-over-new-round-of-checks
The Treasury secretary told senators the administration’s goal is to get another coronavirus relief bill passed through Congress by the end of July, according to Sen. Roy Blunt (R-Mo.), who attended the meeting.
連邦予算として予算を拠出するなら、当然のことながら、連邦議会により予算案が可決しなければ成立しない。したがって、共和党、民主党それぞれの動向をみなければならない。
まず、ムニューシンからも指摘があった下院が既に可決した第5弾コロナウイルス対策法案。これは、民主党が中心となって作成した法案だ。すでに再度大人も子供も1人1200ドル配布(1世帯あたり最大6000ドル)するという予算を盛り込んでいる。ここに3兆ドルのうち、5990億ドルを配分している。つまり、民主党は直接給付は大賛成なのだ。尚、3兆ドルのうち、1兆ドルは州政府や地方政府への財政支援に充てている。
Democrats also propose providing $1,200 in cash payments to individuals and $1,200 for dependent children — up to $6,000 per household — at a cost of $599 billion.
https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-05-12/house-democrats-propose-new-virus-relief-package?sref=lw8NgS9l
問題は、共和党だ。
多数派党である上院共和党議員が選挙目的とはいえ、ばら撒きを再度実施しないと思われる。そもそも2020年が再選挙ではない人が過半数もいるわけだし、共和党も一枚岩になっているわけではない。
共和党指導部は民主党のこの法案を “dead on arrival“と表現したり、”おとぎ話のような法案だ”としてまったく相手にしないまま放置されていた。
The Hillによると、まあそこそこの上院議員歴を持つ人が批判的に述べている。むしろ、現金給付に積極的な共和党員がいたら教えてほしい。
トランプ大統領に近いグラム議員、マコネル上院院内総務はダンマリしているのが気がかりではあるが。
◆パット・トゥーミー上院議員
政府の財政赤字を最も懸念している人の一人であり、更なる財政支出に対して警告を発している。しかも、受け取った多くの人は失業者じゃなくて、リタイアした人とかじゃないかと指摘(その通り)
◆マルコ・ルビオ議員とそのコーカス
最も必要としている人達、ピンポイントに配布すべき
ジョン・コーニン議員、ランド・ポール議員は、現金給付には反対を表明。
共和党議員の中でも、州政府・地方政府に支援すべきだというコーカス、マルコ・ルビオ議員を中心として中小企業への支援にフォーカスするコーカス、失業率を下げたい議員などバラバラだ。
そもそも、警察改革法案が先週から今週にかけて中心課題だったし、その前の州はアメリカン・アウトドア法の成立に向けて熱心な動きをみせていた。正直、経済の話よりも違うところに関心がいっているとみえる。
もう7/4から2週間の休会に入るまで日がないこともあり、ばら撒きや失業給付案については方向性も決まらないまま休会に入るのではないかと予測している。