マルコ・ルビオ議員の中国企業規制案

先月末、ナスダック市場でKingsoftという中国企業が上場した。
Kingsoftのメイン事業はAWSやAlibaba Cloudと同様で、サーバーやストレージ等を提供する「IaaS」を提供している。
上場のアンダーライターは、 J.P. Morgan, UBS, Credit Suisse and Chinese investment banking firm China International Capital Corporation (CICC)だ。

Chinese internet and software company, Kingsoft, is spinning off its cloud division and listing it in the U.S. despite the uncertainty in the markets. It comes in the face of a global coronavirus pandemic that has sent stocks tumbling, and the recent fraud scandal with China’s Luckin Coffee.

https://www.cnbc.com/2020/05/05/kingsoft-cloud-readies-us-ipo-despite-coronavirus-luckin-coffee-fraud.html?__source=sharebar|twitter&par=sharebar

2020年4月現在、約200の中国企業がNY証券取引所とナスダックに上場している。2015年時点では、たった5つの中国企業しか上場していなかったことを考えると、驚異的なスピードで上場しているのだ。上場させると儲かる企業、例えば、投資銀行のアンダーライター業務がいるし、MSCIもS&Pなどの指数会社も伸びている企業を入れ替えたり、新たな指数開発ができるしなぁ。

尚、2019年時点で米国上場をしている中国企業のアンダーライターを引き受けた投資銀行一覧が公開されている。GS、モルガン、メリルリンチあたりが目立つのは気のせいではないだろう。

しかしながら、4月に入ってから、米国に上場している中国企業の不正発覚が立て続いている。ラッキンコーヒーの不正会計、中国版NetFlixともいわれるiQiyi(愛奇芸)の不正会計疑惑だ。相次いだ不正会計に対する対処が特にないまま、未だに中国企業の米市場への上場が実施されているのだ。

で、マルコ・ルビオ議員は、上場している中国企業の調査をするまでは上場停止すべきと。

マルコ・ルビオ議員は過去にも、米国上場の中国企業に対しての監督を義務付ける法案を提出してますが、法案化成立には至らなかった。
また、 連邦政府職員向け確定拠出年金(TSP)の運用から中国企業を除外する法案も提出しているが、法案化成立には至っていない。法案化は誰でもできるが、法案が成立するのは全体の数パーセントなのだ。これは、おそらくだが、多くの議員が中国からのロビー活動を受けていて賛同者が集まらないのだろう。

米国に上場する中国企業に米当局による監督を受け入れることを義務付ける法案を提出した。現状では中国の法律によって監査資料の提出などが制限されている。共和党のルビオ上院議員は「中国政府が、米国法や財務の透明性、説明責任に関する規制から米上場の中国企業を守ることをこれ以上容認すべきではない」と主張した。

https://jp.reuters.com/article/usa-congress-china-exchanges-idJPKCN1T707Y

米上院のマルコ・ルビオ(共和)、ジーン・シャヒーン(民主)両議員らは、連邦政府職員向け確定拠出年金(TSP)の運用方針を巡り、一定の条件が満たされない限り議員らが問題視する中国企業などに投資資金が振り向けられるのを禁じる内容の法案成立を目指している。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-21/Q1ASST6TTDS501

尚、テッド・クルーズ議員も、やたらと中国強硬姿勢を出してきている。去年半ばの米中摩擦の時は、そんなに中国強硬姿勢出してなかったのに豹変した感じがする。彼が提出しようとしている法案は、連邦職員がテンセントとファーウェイの機器を使うことを禁じる法案のようだ。