大統領選挙がどうなろうが、法案作成と予算の権限は連邦議会にあります。
トランプ大統領が連発している関税については、米国通商拡大法や国際緊急経済権限法によるもので大統領権限で発動することが可能です。
しかしながら、減税については上院、下院ともに通過しないと成立しません。2018年は予算可決しないで3回も政府閉鎖に陥りました。
当時は共和党が両院とも多数党であったものの、ギリギリ過半数。ただし、上院では5分の3以上議席(上院では60議席)がとれないとフィリバスターという合法的な議事妨害行為を行われて、成立しにくくなります。2018年もまさしくこれが乱発していたようです。
では、2020年の選挙予測はどうかというと、民主党が過半数をとる予測になっています。青が民主党で、赤が共和党、緑はその他および無所属です。
まだ候補者が決まっていなかったり、再選活動するかどうか未定の21名もいますが、仮にその全員が共和党になったとしても多数は民主党にとれない見込みです。先日書いたように、選挙地区は各州議会が決定しますが、州議会は民主党政権が多いです。つまり、共和党に有利に働くことはなさそうだともいえます。
下院議員は、小選挙区で区ごとにだいたい人口数(国勢調査に基づく)が同じになるようになっています。診てもらうと、ノースダコタ州とかサウスダコタ州とかワイオミング州とかは、州の区切りがそのまま小選挙区になっていて、人口が少ないんです。これらの州では下院は1人しか選出できません。
で、人口の多いカリフォルニア州なんて55人も選出できるから、民主党が有利になるわけです。テキサス州も38名選出できますが、メキシコに接するエリアは民主党寄りになっているのは面白いですね。
さらに、2016年と異なり、有権者の世代比率をみるとミレニアルが最も大きい比率で34%を占めます。しかもこの世代は、学生ローンとクレジットローン負債を抱えているのに、物価上昇以上に賃金が伸びず苦しんでいる世代です。急な出費(日本円で10万円ほど)の現金を出せず、半数は借金すると言っています。
ヒスパニック系比率も高いはずで、そりゃサンダース上院議員やウォーレン上院議員への支持にむくはずです。おまけに、サンダース上院議員の味方に、あのスクワッド4人が味方についてますw そりゃサンダース議員は強いですよ。
Iowa, you showed up for @BernieSanders this weekend. I know you’ll show up for him today.
— Ilhan Omar (@IlhanMN) February 3, 2020
Today and always, we must unite around Bernie’s core message: #NotMeUs. pic.twitter.com/rz5QFV8nGR
This is the richest country in the history of the world. We can afford to guarantee health care and education for all our people. What we need is the political will. #NotMeUs pic.twitter.com/3kIbDxvDHV
— Bernie Sanders (@BernieSanders) February 1, 2020
さて、一方で、上院の選挙予測はどうでしょうか。
再選するかわからない人は共和党で4名。民主党は誰か不明。
もちろん民主党は、この候補者に勝てるような、いい候補を立ててくるでしょう。この4州の対抗馬が誰になるか注目です。尚、テネシー州の Lamar Alexander 上院議員は引退宣言をしているので、テネシー州は誰をたててくるのでしょうかね。そのあたりも注目しています。
Susan Collins(メイン州)→ボルトン証人喚問投票者
Martha McSally (アリゾナ州)
Cory Gardner (コロラド州)
Thom Tillis(ノースカロライナ州)
2020.9.24追記で最新版はこちら。