上下院ともに2/20~2/26は休会。27日から再開
上院フェッターマン議員が1か月ほど入院する可能性がでてきた(引用元:WSJ)
選挙前も選挙中も脳卒中で倒れたことがあり、その後遺症でうつ病を発症しているようだ。現在、民主党は51議席しかない。上院議会ではリモート投票を認めていないため、出席できないとなると民主党の最大票数が50票になる。
そうなると、マンチン議員やシネマ議員が反対するような議案に対して投票をかけるようなことは 上院フェッターマン議員が入院中の間は難しいだろう。
フェッターマン議員の委員会割り当ては、農業委員会・銀行委員会・司法委員会となかなか重要なポジションにいる。一番懸念されるのがFRB副議長承認が控える銀行委員会だが民主党12名、共和党11名で、たしか同数なら民主党案が可決できたはずなので問題ないとは思うが無党派シネマ議員も所属しているし少し厄介かもしれない。
また、同じく民主党上院議員で最高齢のDianne Feinstein議員(89歳)も体調不良で休みがちとなっている。2024年末で議員引退をすると宣言しているが、それまでに体調不良が続き欠席が多くなると上院議会の運営は難しくなるだろう。もちろん、引退を宣言すれば Feinstein議員はCA州のため、州知事が指名するルールになっている。
議員ではないが、元大統領で最高齢98歳のカーター元大統領も2015年にがんを発症してから入退院を繰り返し、今後はホスピスケアを受けるとのこと(引用元:WSJ)カーター元大統領といえば、南部バプテストということから中絶反対になるだろうとみて福音派は支持していたのに裏切られたことから民主党と福音派のデカップリングになったことを思いだす。その後の福音派はレーガン大統領支持にまわり、共和党と福音派のカップリングになったというわけだ。
まあなんというか、支持団体も基本的に功利主義で考える。永遠に「共和党を支持する」「民主党を支持する」なんていうのはなくて、自分たちの政策を通してくれそうな党を支援するわけだ。アフリカ系アメリカ人だって、南北戦争時代は共和党を支持していたが、公民権運動の時に民主党とカップリングしたわけだし、将来的に環境保護団体だって共和党とカップリングする可能性もあるわけだ。というかアメリカ労働総同盟(AFL)だって、CIOとカップリングする前で1900年くらいは白人中心で共和党支持だったし、お互い対立していた。
そういえば、CA州を中心に1905年におきたアジア人排斥運動はアメリカ労働総同盟(AFL) の下部組織 San Francisco Building Trades Council がはじまりだ。AFLはアジア人うんぬんの前に、移民反対を掲げていたしアフリカ系アメリカ人も労働組合に参加さsなかった経緯がある。
なんというか約100年後の現代にまた中国企業を排除していたり、資本市場から追い出そうとしているが、歴史は繰り返すということだろう。
2月後半は最高裁の口頭弁論に注目
昨年末にも書いたことだが、再度振り返り。
最高裁の2023年2月審理スケジュール
2022年末に書いた通り、2月は重要な審理がセッティングされている。
まず、2/28の 「 BIDEN V. NEBRASKA 」というバイデン政権による学生ローン債務免除に対する訴訟だ。最高裁で学生ローン債務免除が無効とされる可能性がある。そうなると、再選を目指すバイデン大統領にとっては相当な痛手になるだろう。
セクション230への再挑戦
また、 「Gonzalez v. Google LLC」「Twitter, Inc. v. Taamneh」の裁判の審理も プラットフォームがテロほう助の責任を負うことができるかどうかも行われる予定だ。 どちらも損害賠償を求める訴訟で、ISISのコンテンツを投稿させて拡散させたことに対して責任を負わせるものだ。Twitterについては、社のプラットフォーム上で親テロリストのコンテンツに対するポリシーを実施せず、反テロリズム法に違反したかどうかである。
この訴訟は1996年に米国で成立した通信品位法230条に関するもので、SNSのプラットフォームやネットサービスは、そのユーザーが投稿したコンテンツに対して法的責任を問われないとしてきた。成立から20年以上にわたり、多くの被害者が生まれる場を提供している企業を守り、育ててきたといわれている。
Googleはセクション230が限定的になれば、有害コンテンツを削除することが難しくなりネットの安全性を低下させることになるとしている(引用元:Bloomberg)
現段階ではなんともいえないが、最高裁の判断によっては株価が動く可能性もでてくるだろう。
また、3月20日にはArizona v. Navajo Nationの審理も設定された(引用元:SUPREME COURT )ナバホ族の水利権に関するものだ。
なお、4月までスケジュールが公開されたがゲリマンダに関するMoore v. Harper、Merrill v. Milligan や、アファーマティブアクションに関する Students for Fair Admissions, Inc. v. University of North Carolina がスケジュールに見当たらない。