【1】米議会上下院、直近のスケジュール
上院議会は、7/12午後から本議会再開。
下院議会は、7/12から再開ですが、7/12~16は投票はなしで、委員会活動。
【2】9月までの財政期限切れおよび、今後の法案スケジュール
市場の注目は、$4~6兆規模のバイデン政権が提示したインフラ法案だとは思いますが、9月末までに解決すべき議題が山盛り。また、米政府が実施してきた経済対策スケジュールも期限切れを迎えるのがまさに同時期に起こります。
まず、期限切れを迎える政策
1) 7/31 :賃貸者および住宅ローン滞納者の立退禁止が終了(約 700万人)
※延長ない予定
2) 9/4:全州で失業給付増額/PUA/PEUC終了 (ざっくり800~1000万人)
※マンチン議員が延長不要と宣言してるため、さらなる延長はないはず
3) 9/30:学生ローンモラトリアム終了(学生ローン4400万人)
※延長がありうる
4)9/30: 2015年に可決したHighway法案(5年)が期限切れを迎える。
一方で、可決される予算法案については以下の通り。
①9/30までに2022年度予算を可決
米国の財政は10月で新年度に入ります。なので、9月末までに2022年度予算法案を可決、あるいは、つなぎ予算を可決することが必要です。
まぁここ数年はつなぎ予算を続けて12月末に可決することが多かったですね。
②バイデン政権の経済対策$4~6兆
どうやら下院予算委員会は、上院の動きを待ってから自分たちの予算案を提示することにしたようです。
一方で、上院予算委員会委員長はサンダース議員。サンダース議員はかねてより$6兆の経済対策を掲げていますが、どうやら予算委員会だけでも11名中9名しか支持が集まらない状況のよう(引用元:Roll Call)
支持していない議員の一人は、先日の超党派インフラ法案のメンバーである Mark R. Warner (VA州選出)だろうなぁ…。
予算委員会は上院の議席通り、共和党と民主党それぞれ11議席。確か半分の議席がとれれば委員会通過とみなすように規則変更したようですが、それでも民主党で1名でも反対がでると予算決議さえ通過しないという事態になります。
尚、最新の状況では、10年間で$6兆の支出と$2.4兆ドル収入を見込んでいるとのこと。財政赤字が$3兆から$3.6兆にふくらんでいる・・・
③9/30までにHighway関連法
超党派インフラ法案は、現在の Highway法に匹敵する予算を組み込んだ法案。
まぁ ペロシ下院議長は明確に「財政調整法を可決しないと超党派インフラ法案を本会議にあげない」と発言しているので、どうなるんですかね。
Highway関連法は5年間で$約5000億くらいの支出なんだけど、これが期限切れを迎えるとどうなるかについては別途調べる。
④債務上限引き上げ
直近の法定債務上限停止期間は7月末で終了します。
これも予算決議が絡んでいて、下院が2022年度の予算決議を採択すれば、2022年9月30日まで債務上限が停止される。しかしながら、上院の民主党員は60票を集めなければならない。両議会にとって最も簡単な方法は、財政調整法案で債務上限を引き上げることになる。
尚、スケジュールについては、8月休会を返上して法案に取り組むと民主党は意気込んでいるようだけど、な既に多くの議員が9月になるだろうと見込んでいるようだ。9月になるにしても、現スケジュールでは9月は上下院ともに実質2週間くらいしか投票期間がない。
尚、インフラ法案についての整理は先週しているのでこちらを参照ください。