Bloombergの記事でファンドマネジャーの悪夢、ブルーウエーブ起きないバイデン氏勝利と書かれていましたが、悪夢でも何でもなく、十分起こりうること。
Bloombergにも書かれていますが、RCPではトスアップありだと接戦が9議席(多すぎ…)で、共和党46議席:民主党45議席予想です。 トスアップなしだと、共和党民主党50vs50を予測しています。これはマコネル上院院内総務の最近の発言と一致しています。 マコネル上院院内総務は、2020年選挙サイクルで2億ドルほど調達して上院議員選に大部分を投下しています。資金配分含めて、それなりに状況を把握していると考えています。
上院議席が50vs50議席になった場合は、副大統領(兼上院議長)が1票を投じて決まりますので、大統領選の勝利者が上院を制覇することになります。直近では、ブッシュ大統領当選2000年の時に上院議席50vs50になりました。2000年の下院多数党は共和党になったので、2000年はレッドウェーブだったのですね。
一方、FiveThirtyEightの上院議員選では、民主党52-共和党48が最新予測。トスアップとされているIA、GA1議席、MEの3つも民主党が議席を勝ち取り、NC、AZ、CO、GA4議席もLean-Demになってすべて民主党にひっくり返るとされているようですね。
さて、最新動向としてRCPでトスアップされている上院議員選のリードポイントをまとめました。
※集計は投票日当日でも、署名確認を投票日より事前に開始できる州は「◆」
リードポイントが書かれていないものは書いていない ものは、270towin参照
当日投票〆 日本時間 | 集計開始 日時 | 郵便延 長期間 | RCP予測 | 私の 予測 | |
GA | AM9時 | 投票日◆ | - | 民主党 Ossoff +1.0 だけど予測は共和党 | R |
SC | AM9時 | 投票日◆ | - | 共和党Graham 46.7% 民主党Harrison44.3% | R |
NC | AM9時半 | 投票日◆ | 9日 | 民主党 Cunningham +2.5 | R |
ME | AM10時 | 投票日◆ | - | 共和党 Collins 42.6% 民主党Gideon 46.4% | D |
AZ | AM11時 | 数週間前~ | - | 民主党Kelly +5.8 | D |
MI | AM11時 | 投票日◆ | 14日 | 民主党Peters +6.8 | D |
MN | AM11時 | 投票日◆ | 7日 | 民主党Smith +5.0 | D |
MT | 正午 | 数週間前~ | - | 民主党Bullock 47.2% 共和党Daines 48.0% | R |
IA | 正午 | 数週間前~ | 6日 | 共和党Ernst +0.5 | R |
まず、歴史的にみてみるとミシガン州とミネソタ州は青い州ではあるが、歴代上院議員一覧を確認すると、20世紀入ってから意外にも両党が1議席確保している期間の方が多い。なので、ミシガン州とミネソタ州は、共和党が議席がとれない州ではないと考えたほうがいい。
一方で、ジョージア州で共和党がとれないはずないと思ったら、南北戦争終了~1980年頃まで上院議席は民主党支配が続いていた。1980年頃から両党が一議席が多くなって、2005年から共和党が2議席支配するようになっていた。むしろ、ジョージア州の方が赤い州としての歴史が浅いように感じる。
あと、2014年から3回の上院議員選をみていくとだいたいトスアップとされている上院選の2~4議席ていどは予測通りになっていない。トスアップとされている議席となるとサンプル数が小さいことは認めるが、やたらと民主党リードとしていた議員が外れる傾向にある。そういったことからも、この通りにいくことはないと考えている。興味がある人は、過去のブログ
2014年~2018年の上院議員選挙振り返り をみてください。
焦点はノースカロライナ州か
日本時間午前9時に投票が終了し、ジョージア州、サウスカロライナ州はかなり早い段階で公表される。この段階で、どちらも現職共和党議員が勝利しないと、上院選は50vs50になるか民主党勝利予測が一気に高まることになる。
ジョージア州、サウスカロライナ州が共和党勝利する前提でいくと、焦点は一番リードポイントが少ないノースカロライナ州になるだろう。この2州以外は、いつ発表されるか不明ではあるが、民主党勝利が続くことになるだろう。
もしかすると日本時間4日正午付近に発表されるであろうアイオワ州、モンタナ州の方が早く発表されるかもしれない。アイオワ州、モンタナ州でも共和党が勝利しないと、共和党多数党が危うくなる。
さて、ノースカロライナ州。2020年10月末時点で、有権者登録者数は 7,342,553名(白人比率64%)。期日前投票+郵便投票は、11/1時点で Total Voted: 4,531,619 と有権者登録に対して6割が投票完了している。ほとんどが対面期日前投( 360万人 )で投票した。
ノースカロライナ州では、郵便投票申請数じたい少く、すでに92万ももどってきているので、残り52.6万票がまだ戻ってきていない。
郵便投票申請数: 1,455,175
※郵便投票数: 928,443 戻り率: 63.8%
※郵便投票却下数: 7,616 却下率: 0.8%
データ参照元:North Carolina Early Voting Statistics
大統領選もそうだが、この残り52.6万票がどれくらい減少するか、または52.6万票が問題にならないぐらい得票差がつくかだろう。
上院議員選では接戦になりそうだから、数え直しや、投票日以降に届いた郵便投票の有効をめぐった裁判にまたなりそうだけどな…
やや注目!ジョン・ジェイムズ上院議員候補 ( ミシガン州 )
現在、共和党上院議員ではトム・スコット上院議員だけが黒人議員だ。
2020年ミシガン州選出上院議員共和党候補として、退役軍人であり黒人実業家のジョン・ジェイムス候補が立候補している。WSJによると、共和党のマコーネル上院院内総務のスーパーPACの上院リーダーシップ基金はミシガン州のテレビとラジオの広告に約1100万ドルを投入。一方で、民主党のシューマー下院院内総務のMajority PACでは約2700万ドルを投下。
War fighter versus Gaslighter. Combat veteran versus career politician. Job creator versus government regulator.
— John James (@JohnJamesMI) October 29, 2020
Michigan, are we citizens or subjects?
The choice is yours… pic.twitter.com/Ul6Ui03gZO
共和党としても、黒人の上院議員が誕生することで、今まで民主党にほぼ持っていかれていた票を取り戻すことができるだろう。
また、しばらく続くであろうBLMの対策にもなるだろう。
下院議員共和党立候補者でも、かつてない”colored”の立候補者がでてきている。明らかに共和党はブラック、ヒスパニックなどを取り込もうとしていることがわかる。
尚、ミシガン州については有権者登録者数が2020年7月時点で774万人いる。
郵便投票申請者数は321万人で有権者登録に対して41%。
既に戻ってきたのは257万人で8割が戻ってきている。だとすると、ミシガン州は郵便受取を投票日から14日間待つことになるが、接戦にならなければ郵便投票を待つ日数はあまり問題ないかもしれない。まあ集計が当日からしかできないので翌日に結果判明になりそうですが…
Ballots Returned: 2,571,492
Return Rate: 79.9%
データ参照元:Michigan Early Voting Statistics