2020年米大統領選スケジュール/郵便投票をめぐって共和党は既に訴訟中

2020年総選挙投票日が11/3に近づいているが、当日に結果が判明しないことは確定している。訴訟がなければ、11月半ばには決まるだろうが、共和党はスゥイング州で訴訟を準備しているので、12月半ばまで決まらない可能性が高いのだ。

大統領選のスケジュール

大統領選における郵便投票のポイントは以下4つだ。ポスト到着日が選挙日当日の夜6時~8時頃が締切という州が多く、11/6(水)まで待つというところも多い。スゥイング州は、遅くとも11/6(水)到着分までが有効になる。問題はペンシルヴェニア州で、投票日当日まで投票用紙署名確認さえできなく、結果がでるまで数週間かかるといわれている。

問題は、異議申し立てが出た時に、いつ頃決着がつくかだ。
2020年はすでに、以下のようなスケジュールで決められている。ブッシュvsゴアの時もそうだったが、選挙人団会議6日前までに決まることが想定されるので12月8日には決着がつくと思われる。

2020年の大統領選挙は、そんなにすんなり決まるとは思えません。
共和党は、数千人のボランティア弁護士とともに、外部の法律事務所を準備しています。 もちろん、民主党だって訴訟準備を弁護士を集めています。両陣営ともに、訴訟で争うつもりなんでしょう。

シナリオ(1)最高裁判事の判決で決まる

AP通信によると、共和党は各州で郵便投票や不在者投票をめぐって訴訟を起こしている。ウィスコンシン州とペンシルベニア州で、郵送された投票用紙を到着締切日が11/6になることに対して異議申し立てを実施しているし、ノースカロライナ州では証人の要件をめぐって争っている。アリゾナ州では、事前投票に署名するのを忘れた有権者は、選挙後5日以内に解決する必要があるという判決をめぐって、第9回米国巡回控訴裁判所に控訴されています。

共和党は、州レベルの訴訟だけでなく、最高裁判所に、11/3投票日を超えて到着した郵送投票を有効とする州最高裁判所の判決を保留するよう要請しています。また、消印または判読可能な消印がない場合でも、3日間の延長期間中に到着した投票用紙を有効とする州裁判所の判決の一部に反対しています。

Republican lawmakers asked the U.S. Supreme Court on Monday to put a hold on a ruling by the state’s highest court that extends the deadline for receiving and counting mailed-in ballots. Republicans also object to a portion of the state court’s ruling that orders counties to count ballots that arrive during the three-day extension period even if they lack a postmark or legible postmark.

https://apnews.com/article/election-2020-virus-outbreak-donald-trump-voting-lawsuits-124eca1b346c2fa64f6add1710031ec4

ブルームバーグでは、「 大接戦となり法的闘争にまでもつれるとの懸念が後退している 」としているけど、大接戦になることでの訴訟というのも可能性としてはあるが、そもそも投票日を超えた郵便投票を無効にさせる訴訟をやっていたりするわけですよ。

そして、最高裁判事候補であるエイミー・バレットの司法委員会での公聴会を本日から1週間開催するとマコネル上院院内総務が先ほど発言しました。司法委員会は、そもそも5/1から委員会メンバーはほとんどZoom参加していたようです。

トランプ大統領が指名したニール・ゴーサッチ最高裁判事(聖公会だけどプロテスタントとカウント)は、今年6月の判決でリベラル側に票を投じたことでトランプ政権および共和党は苦々しい思いをしてきました。エイミー・バレット候補が入れば、共和党の意見が受けいられる可能性が格段に高まります。
となると、エイミー・バレット候補の承認次第になる可能性もでてきます。

シナリオ(2)州議会が選挙人団を決める

現在は、すべての州がポピュラーボートで選挙人団を決めていますが、1800年代までは州議会が選挙人団を決めていました。合衆国憲法では、選挙人団の決定方法は、州議会が決めると定めています。

ワシントン・ポストによると、選挙人の正当性がみとめられず、どちらも270人以上の選挙人を獲得できなかった場合は、憲法は州下院議会が単一票を投じると定められています。そうなった場合は、どうなるでしょうか。州議会は、共和党がコントロールしている州が多いです。選挙後も、共和党はさらに伸ばすようです。単一票になった場合は、共和党州が多いので、やはりトランプ大統領選出になるでしょう。

共和党と民主党の資金調達

先日、バイデン陣営+民主党陣営は、9月の資金調達額が8月の3.6億ドルを上回ったと発表した。RBG最高裁判事が亡くなったことで1億ドル調達したのがおおきかったのでしょう。
トランプ大統領陣営は、まだ9月資金調達額を発表していません。

ちなみに、トランプ大統領は、クリントン大統領候補より資金調達が下回ったのに大統領選に勝利しています。そんな大統領は米史上初めてでした。
資金調達は、民主党がお得意なはずなのに、バイデン大統領候補が8月になってもビハインドしているのが逆に不思議なくらいです。

参考までに、2016年時の各陣営の資金調達。ソースは、ワシントンポスト

◆クリントン大統領候補+民主党
合計$1.4 B
$623.1 million 
Hillary Clinton campaign
$598.2 million 
Party and joint fundraising committees
$204.4 million 
Super PACs

◆トランプ大統領+共和党
$957.6 M
$334.8 million
Donald Trump campaign
$543.4 million
Party and joint fundraising committees
$79.3 million
Super PACs

スゥイング州の最新調査はバイデン勝利

米国の大統領選挙は、ポピュラーボート(全国調査)でみたら意味がありません。スゥイング州(接戦州)をみるしかないです。
スゥイング州で選挙人団が多い州でいくと、フロリダ(29)、ペンシルヴェニア(20)、ノースカロライナ(15)、ウィスコンシン(10)、アリゾナ(11)をチェックしておけばいいんですが、どれもバイデン大統領候補が勝利という調査結果ですね。
ちなみに、この調査結果を出したロイターによると、ウィスコンシン州ですでに事前投票したのは13%、ペンシルヴェニア州で2%なので思ったより進んでいないイメージ。

https://www.270towin.com/polls/latest-2020-presidential-election-polls/

福音派は変わらずトランプ支持

トランプ大統領が陽性反応前の調査結果ですが、福音派は変わらずトランプ支持です。信仰があるから価値観はぶれず、判断もぶれないので、彼が陽性になったところで、変わらないでしょう。

A new survey from Nashville-based LifeWay Research conducted Sept. 9-23 finds President Donald Trump with a sizeable lead over Democratic nominee Joe Biden among likely voters with evangelical beliefs. Deep divides, however, persist among evangelicals across ethnic lines.
Overall, 61% of evangelicals by belief plan to vote for Trump and 29% for Biden. Other candidates garner around 2% combined. Fewer than 1 in 10 (8%) are undecided.

https://lifewayresearch.com/2020/09/29/most-evangelicals-choose-trump-over-biden-but-clear-divides-exist/

トランプ大統領再選を予測

大統領選は、訴訟にもつれこむだろうし、どちらが勝つかわからないんですよね。最高裁承認が選挙前になるかどうかでも変わると思いますし。

ただ、以前書いたように、バイデン陣営が勝つ理由って見当たらないんですよね。「トランプ大統領が嫌いな人が多いから」「バイデン陣営が有利な調査結果が出ているから」しかないと思いませんか?

トランプ大統領が勝つ理由は多く見つけられるんですよね。