米国株式市況/トランプ大統領のコロナ追加予算協議打ち切り

【NYダウ】 27,772.76 ▼1.34% -375.88 [10/06]
【NASDAQ】11,154.60 ▼1.57% -177.88 [10/06]
S&P500  3,360.95 ▼1.40%
ラッセル2000種指数  1,577.291 ▼0.30%
米30年債利回り 1.535↓
米10年債利回り 0.732 ↓
米2年債利回り 0.153 →
VIX恐怖指数  29.48↑
SKEW INDEX 120.05△0.44%
WTI原油先物 39.68 7:57JST
フィラデルフィア半導体指数:2281.09 ▼0.63%
ドルインデックス:93.85
ブルームバーグ ドル・スポット指数 :  1,175.41 △0.15%
LQD  134.25▼0.08%
HYG  84.27 ▼0.22%
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100  2,260.93 △0.03% [10/5]
米取引所の合算出来高は105億5000万株。直近20営業日の平均は97億9000万株。
AAPL 113.16▼2.87% (52週最高値 131.00 52週最安値51.06 )
AMZN 3099.96▼3.10% (52週最高値 3495.00 52週最安値1626.03 )
GOOG 1453.44▼2.19% (52週最高値 1659.22 52週最安値1025.00 )
MS   205.91▼2.12% (52週最高値 231.15 52週最安値115.52 )
NVDA 549.46△0.69%( 52週最高値 543.00 52週最安値132.60 )
FB   258.66▼2.26% (52週最高値 304.67 52週最安値137.10 )
NFLX 505.87▼2.84% (52週最高値 575.37 52週最安値252.28 )
TSLA  413.98▼2.75% (52週最高値502.49 52週最安値43.67)
ZM   478.25▼1.47% (52週最高値494.90 52週最安値60.97)

オープニング前に発表があった経済指標
・輸入 2390億ドル( △3.2%)。モノの輸入2030億ドル
・輸出  1719億ドル (△2.2%)。モノの輸出1191億ドル
・8月の米貿易赤字 671億ドル(△5.9%)
・ 対中貿易赤字は264億ドル(19億ドル減少)
・8月 JOLT求職 6.493M (前月6.697M)

オープニングでは、S&P500は前日終値とほぼ変わらず、ナスダック総合指数は▼0.2%前後でスタートした。ムニューシン財務長官とペロシ下院議長は今日も協議予定でますます期待が膨らんでいたようだ。
貿易赤字については、輸出入の発表直後に、USTRライトハイザー代表が、トランプ大統領の通商政策は機能しているとの見解を表明。

後場の急落要因は、トランプ大統領のツイートで民主党と政府の協議を打ち切るという発言をしたこと。急落時間が一致しているので明らかだね。 下院司法委員会でFANG関連の進捗もあるが、まだ下院司法委員会レベルだからリスクなんてたかがしれてるし、だいたい下院議会フロアは休会中だしね。

まず、トランプ大統領のこのタイミングでの打ち切りは政治パフォーマンスとしては非常によかったと思う。ペロシ下院議長の発言が注目されてしまっている状況で、彼女の方が先に「共和党が交渉しないから、交渉がダメになった」と発言されたらアウトだったろうなと思う。
先に口火を切った方が、相手のせいにできると思うんだよね。ムニューシン財務長官は、トランプ大統領から1.6兆ドルで再交渉せよと支持されていたとどこかの記事でみかけたので、打ち切ったのは英断だと思うよ。

次に、マコネル上院院内総務。どう考えても、共和党案以外の追加予算案を進める気がないのは明らかなのに、はっきり否定してこなかったんだよね。選挙前に真正面から「追加予算は民主党案ではださない」と否定しづらかったんだろうけど、「トランプ大統領が打ち切ることを支持する」とか発言しちゃって、うまくのっかったよなあという感じ。選挙前に正面切って政府と議会で対立もしたくなかったんだろうけどね。このあたりは、共和党はトランプ大統領に従っているのではなく、うまく利用しているのがよく出ている。FRB理事メンバーの2名(1名はジュディ・シェラトン)なんかトランプ大統領が指名してから1年経過したけど、未だにフロア審議してないでしょw
自分たちの方針に沿わないことは、頑なに拒否してきているから面白いですよ。

最後に、「なぜ市場は合意に期待したか?」なんだけど、このあたりってロジック作りにくい部分でもありますよね。
1. 進捗や見解に対して、曖昧な言葉を使われると、それなりのワードを登録していたとしてもロボットは判断できないよね。
2. 今回の場合、民主党指導部、政府、共和党指導部、三者間が合意しないと予算がおりないんですが、重みづけって三者全員重要だし、このうち2者が「進めている」と発言すれば、ロジック的には進んでいると判断せざるおえないよなあ。ここで共和党がはっきりと否定すればいいのかもしれないけど。

いやはや、5月から追加予算第二弾は民主党によって発案されましたが、8月くらいから「選挙前に追加予算がでることはない」と言い続けてやっと答えがでたなあという感じです。相場は期待や失望によって上下するけど、議会の判断なり、選挙はいつかは答えがでるからね。

追加予算は、バイデン大統領が当選すれば見込めるのか?

上院議会がどっちになるか、ほんとわからないんですよね。マコネル上院院内総務は、自ら今のところ「50-50になりそう」と発言していて両党とも50議席になりそう。共和党は苦しい戦いを強いられているのは間違いないです。
下院議会は、ほぼ間違いなく民主党が多数党になります。
上院はねえ、最後までわからんのだよな。しかも、これらの調査ってよくみたら「Likely Voters」で有権者候補であって、確実に有権者登録されている人達じゃないんですよね。特に共和党上院は「州の代表」という側面があり、企業からの組織票が見込めるから最後までわからんのですよ。

昨日、両議会で過半数がとれれば OKというのを何かでみたが、「財政調整法」に該当するのは予算や税制変更だけみたい。しかも、「財政調整法」適用になるのは、おそらく年間予算と税制についてのみ。
なので、民主党が両院で多数党とれたとしても、コロナ対策予算を年間予算に含める必要があるし税制改正で実施するにしろ、時間がかかるだろうなあ…
民主党がたとえ多数党になったとしても60議席は確実にとれない。だとすると、フィリバスターを防げなく、共和党は長時間フィリバスター経験者(ランド・ポール議員やテッド・クルーズ議員)あたりがごろごろいるので、なにかと法案化するにしてもそこまですんなりいかないだろうなあ。という感じです。

あとは、トランプ大統領が本当に負けるのか?という疑問。
最新の調査で、フロリダ州が接戦なのがでましたね。まあLIKELY VOTERSだけど。

トランプ大統領はノン・カレッジからの支持が多い。これは2016年と変わらない傾向。2016年の市場調査は「ノンカレッジ層からの意見を汲みとれなかったから」が最大の要因で改善されているというが、本当かね?疑わしいんだよなあ。

参照元: https://pewrsr.ch/2DGBl1y

トランプ大統領は「最高裁判事が重要だ」と宣言しているということは、あらゆる観点から訴訟をおこして、最高裁に決めてもらうつもりではないでしょうか。そう考えると、いろいろと合致します。
12月半ばまで大統領選の結果がでないと思うので、スケジュール感はおさえておく必要があると思います。ぜひご参考に。