米国株式市況/米労働者はリバウンドからは程遠い

【NYダウ】 27,931.02 △0.12% +34.30 [08/14]
【NASDAQ】11,019.30 ▼0.21% -23.20 [08/14]
S&P500  3,372.85 ▼0.02%
ラッセル2000種指数  1,577.880 ▼0.12%
米30年債利回り 1.445↑
米10年債利回り 0.707↓
米2年債利回り 0.153↓
Fear & Greed Index 72→(Greed)
VIX恐怖指数  22.05→
WTI原油先物   42.23 → 
フィラデルフィア半導体指数:2200.81▼0.07%
ドルインデックス:93.10→
ブルームバーグ ドル・スポット指数 :  1,174.40 ▼0.24%
ブルームバーグ商品指数トータルリターン  151.1018 ▼0.04%
iShares iBoxx $ Investment Grade Corporate Bond ETF  135.41▼0.44%
iShares iBoxx $ High Yield Corporate Bond ETF  84.08▼0.18%
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100  2,252.26 △0.10% [8/13] 
バルチック指数  1,577.00 △2.40% [8/13] 
米取引所の合算出来高は78億3000万株。直近20営業日の平均は101億株。
AAPL 459.63▼0.09% (52週最高値 457.65 52週最安値170.27 )
AMZN 3148.02▼0.41% (52週最高値 3344.29 52週最安値1626.03 )GOOG 1507.73▼0.71% (52週最高値 1586.99 52週最安値1025.00 )
MS   208.90△0.10% (52週最高値 216.38 52週最安値115.52 )
NVDA 462.56△1.06%( 52週最高値 460.19 52週最安値132.60 )
FB   261.24▼0.02% (52週最高値 278.89 52週最安値137.10 )
NFLX  482.68△0.28% (52週最高値 575.37 52週最安値252.28 )TSLA  1650.71△1.83% (52週最高値1794.99 52週最安値176.99)
ZM    244.91▼0.95% (52週最高値281.00 52週最安値60.97)

英政府はフランスからの入国者に対し15日より、14日間の隔離を義務付けると発表した。オランダとマルタ、その他3カ国も対象国に追加した。フランスは英国に対して同様の措置を取ると警告した。それがキッカケとなり、旅行株が特に売られた エールフランスは5%を超える下落。
しかし、米国市場の下落はそこまで下落することはなかった。その後、オープニング前に発表された経済指標は、注目された米小売り売上高。

①小売り売上高
・7月の小売売上高は前月比1.2%増 ( 前年同月比では2.7%増加 )
・6月は8.4%増(速報値7.5%増)に上方修正
・主要13項目のうち9項目で増加。最も伸びたのは電子機器・家電で22.9%増。同項目は前月には37.6%増加していた。一方でスポーツ・趣味用品は5%減少

S&P500は▼0.2%下落、Nasdaq Compositeは▼0.15%下落してスタートした。

場中に発表された経済指標
①米鉱工業生産。
・ 鉱工業生産の総合指数は前月比3.0%上昇 (前年比▼8.18%)
・ 鉱工業全体の設備稼働率も70.6%
②米ミシガン大消費者信頼感
・ 8月の消費者信頼感指数(速報値)は72.8。7月の72.5から小幅上昇
・ 現況指数は82.5と前月の82.8から小幅低下。

東部標準時間12:30頃に、8/15に実施される予定だった米中協議(貿易合意の進捗検証)が6ヵ月延期になったと速報が入ったが、株価はほぼ動かず。無期限に延期されたという情報と、6か月後という話が混合しているが、中国側はまだ報道されていない

その後、プラスに転じる場面もあったが、終盤に近付くにつれて下落して終えた。昨日に続き、100億をしたまわる出来高なので薄商い。
この1週間で、FANG銘柄は5.5%下落し、3月以来最大の下げとなった。ナスダックコンポジットは35%前後の構成率、S&P500では22%の構成率、ダウではアップル・マイクロソフトで15%構成しているので、これらの銘柄が下落すると指数の上昇は抑えられるだろう。

続いて、セクター別。エネルギー業種、工業セクターと今まで足をひっぱっていたセクターが上昇しているね。

あと、月末のMSCIリバランスがあるので、米国株、日本株は売りが入るので再来週だけど注意しておかないとね。

FRBの資産買入

FRBの資産買入は、日本時間で毎週金曜日明け方に更新される。一日遅れでコメント。前週の主な買入は、米国債。相変わらず、州・地方政府へのローンファシリティであるMLFは増加なし。中小企業向け融資MSLPとPPPのローンが小幅に増加。資産が大幅増加することはなかった。

資産家の不況は終了、労働者はリバウンドには程遠い

このワシントン・ポストの記事のタイトル”The recession is over for the rich, but the working class is far from recovered”が、今の状況を端的に表しているよなあと思います。
FEDが行った調査によると、パンデミック以降で大卒の63%は自宅からのリモートワークに移行できたが、高卒はたった20%しかリモートワークに移行できなかったそうです。予測できることとはいえ、こうしてデータを出されると如実に違うものです。

As much of the economy has moved to work-from-home mode, the shift has mainly benefited college-educated employees who do most of their work on computers. A Fed survey found that 63 percent of workers with college degrees could perform their jobs entirely from home, while only 20 percent of workers with high school diplomas or less could work from home.

https://www.washingtonpost.com/business/2020/08/13/recession-is-over-rich-working-class-is-far-recovered/

そしてこれも衝撃ですが、1時間あたり14$未満で稼ぐ労働者の雇用は、パンデミック前のレベルよりも20%低く、1時間あたり14~​​20$の労働者では16%低くなっているんです。一方で、1時間あたり32$以上稼ぐ人は、むしろ、もうプラスに転じているのですよね。低賃金労働者が20~30%も低くなっていた時にたった数%しか打撃を受けていないという。
また、 全米不動産業者協会によると、住宅価格が(インフレ調整後でも)史上最高レベルに達したので資産保有している人にとっては、さらに豊かになっている。

New analysis by Opportunity Insights of Labor Department data found employment is still 20 percent below pre-pandemic levels for workers earning under $14 an hour, and 16 percent down for those making $14 to $20 an hour. Opportunity Insights also analyzed data from the payroll processors Paychex, Intuit and Earnin and came to a similar conclusion.

https://www.washingtonpost.com/business/2020/08/13/recession-is-over-rich-working-class-is-far-recovered/

実体経済と株価が乖離しているという表現がよくあるけど、もはや実体経済といってもどこを見ればいいのかという議論になってくると思うのですよね。
労働単価が高いような人達をみれば、もはやパンデミックは終了して、むしろ景気は上向いてきているとみえる。一方で、それ以外の大多数は、食料品さえ入手するのが困難で、フードバンクに列をなしてもらっている。

で、S&P500株価の銘柄構成および、構成比率をみると、もうこういう低賃金の人達は無視して株価は形成されていると考えたほうがわかりやすいのかもしれない。もう経済全体など無視した方がわかりやすいのかもなあとも思ったりします。