株式市況/S&P500は指数の歪みと自社株買いで上昇し続ける

日本市場サマリー

【日経平均株価】 20,193.69 △2.14% +422.50 [04/30]
TOPIX 1,464.03△1.03%
マザーズ 791.44△2.23%
【ドル建て日経平均】189.67 △2.84 +5.24 [15:00]
【ドル円】 106.48 -0.23 ▼0.21% [15:05]
東証一部出来高 1,717,660,000株 15:00
Japan 5 Years CDS value is 35.2 [04/30]

アジア市場と欧州市場

5月1日は香港、中国、韓国、欧州はレイバーデーで休場。
【上海総合指数】 2,860.08 △1.33% +37.64 [16:12]
ハンセン指数   24,643.59 △0.28% (H株、レッドチップだけ休場だった)
MSCI Emerging Markets 924.94 ↑  [4/30] 
Europe Stoxx 600   340.03 -7.03 (▼2.03%)
REIT Europe    1,277.08 +45.33    △3.68% [4/29] 
バルチック指数       643.00 ▼1.83% [4/29] 

米国市場サマリー

【NYダウ】 24,345.72 ▼1.17% -288.14 [04/30]
【NASDAQ】 8,889.55 ▼0.28%
S&P500  2,912.43 ▼0.92%
ラッセル2000種指数   1,310.664 ▼3.68%
Fear & Greed Index 47→(Newtral) 
【WTI原油】19.17↑ [7:57JST]
ドルインデックス: 99.04 ↓ [7: 57 JST]
フィラデルフィア半導体指数 1731.24 ▼3.70%
米国30年債利回り:1.284↑
米国10年債利回り:0.638↑
米国 2年債利回り:0.203↓
米国3か月債利回り:0.11→
United States 5 Years CDS  20.7 [4/30]
MSCI US REIT IDX : 997.51 -16.15 (▲1.59%)
ブルームバーグ商品指数トータルリターン  129.9062 △1.71%
NYFANG:IND  3,558.433 △0.02%
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100 2,112.22△0.21%  [4/29] 
iShares iBoxx $ Investment Grade Corporate Bond ETF 129.17▲0.68%
BofA US High Yield Index Effective Yield  8.28↓[4/29] 
 ICE BofA BBB US Corporate Index Effective Yield  3.64↓[4/29] 
BofAML US High Yield CCC or Below Effective Yield 17.21→ [4/29] 
米取引所合算出来高は約128億株。直近20営業日の平均は約123億株。
AAPL 293.80△2.11% (52週最高値  327.85 52週最安値170.27 )
AMZN 2474.00△4.27% (52週最高値 2475.0 52週最安値1626.03 )
GOOG 1348.66△0.54% (52週最高値 1532.11 52週最安値1025.00 )
MS   179.21△1.00% (52週最高値 190.70 52週最安値115.52 )
NVDA 292.28▲2.07%( 52週最高値 316.32 52週最安値132.60 )
FB   204.71△5.42% (52週最高値 224.20 52週最安値137.10 )
NFLX  419.85△1.93% (52週最高値 449.50 52週最安値252.28 )
TSLA  781.88▲2.33%  (52週最高値 968.99 52週最安値176.99)
EQUINIX 675.20▲0.61% (52週最高値 715.75 52週最安値446.04)

まずは、S&P500業種別では、素材と金融業種の下落率トップ。S&P500は、3月の下落12%ほどを4月ですべて取り返した。2月のトップに戻るには、あと10%弱上昇すれば株価は反発完了となる。しかしながら、個別にみていくと、痛みが激しい業界と、上昇を牽引している業界に大きく分かれるのだ。最もダメージを受けているのはエネルギー業種で、その原因は原油需要の急落および、WTI原油価格の下落なのでわかりやすい。次いで、金融業種と工業なのである。特に、金融業種の痛みは注目すべきだ。なぜならば、銀行危機は、国債債務デフォルトと密接な関係があり、対外債務が少ない国でも頻繁に起こっている危機だからだ。詳細は、「国家は破綻する」を読んでいただくとよくわかります。数行の銀行破綻なら耐えられるだろうが、連鎖的に破綻すると非常に危険だ。
特に、 DISCOVER FINANCIAL SERVICES, WELLS FARGO & COMPANYは年初来約50%の下落, CITIGROUP INCは約40%も下落している。 DISCOVER FINANCIAL SERVICESに至っては、信用スコアが低いクレジットカードを多数発行していたと思われるので要注意だ。

実のところ、Discoverは、トリプルBの格付けだ。ダブルBまでFRBは債券買い取りすると宣言しているので、まだ持ちこたえるだろうが、延滞率発生はこれからだ。債務踏み倒しは、これから起きるのだ。

https://investorrelations.discover.com/investor-relations/debt-investors/credit-rating-summary/default.aspx

アップル、Amazonの決算と自社株買い

アップルは次期四半期の決算見通しを見送ったが、1-3月は微増。アップルの売上はまだ半分以上がモノでの収益なんですね。また、自社株買いを見送るかと思いきや、増額! 発表後、時間外で2%ほど下落。

1-3月期の売上高は583億ドルと、前年同期の580億ドルから微増。ブルームバーグの集計したアナリスト予想平均を上回った。「iPhone(アイフォーン)」の売上高は289億6000万ドルと、7%減少したが、市場予想を上回った。サービス収入は17%増の133億5000万ドル。ウエアラブル端末と付属品事業の売上高は23%増の62億8000万ドル。
(中略)
アップルは自社株買い計画を500億ドル(約5兆3600億円)増額した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-30/Q9MBQQDWLU6K01?srnd=cojp-v2

一方で、アマゾンは決算発表後に5%ほど株価が下落。次期四半期を赤字の見通し発表したことが要因。アマゾンのAWSは33%の伸び率なのね。すごい勢いだよなぁ。全売上に占める割合でいくと、15%ほどなんだけど、営利では77%も占めるというからなぁ!

Here’s what Amazon reported:
Earnings per share (EPS): $5.01
Revenue: $75.45 billion
Amazon Web Services (AWS) revenue: $10.22 billion 

https://www.cnbc.com/2020/04/30/amazon-amzn-q1-2020-earnings.html

Amazon’s market-leading cloud business crossed $10 billion in revenue for the first time in the first quarter. At $10.22 billion, Amazon Web Services revenue grew 33% on an annualized basis, the company said in a statement on Thursday. 
Operating income from AWS totaled $3.08 billion, which was up 38% and above the $2.96 billion FactSet consensus estimate. That works out to 77% of Amazon’s overall operating income.

https://www.cnbc.com/2020/04/30/aws-earnings-q1-2020.html

尚、アップルはまだまだiPhoneによる売り上げが半分以上を占めるけど、マイクロソフトは非常にバランスよく感じる。Office、Azure含めたクラウド、パソコン部門でちょうど比率が1:1:1のようだ。クラウドAzureは、AWSに次いだNo.2のポジションだが、クラウド会議システムTeamをもっている強みがあるので、追い抜かす可能性はじゅうぶんにあるのかもしれない。
ところで、マイクロソフトもじゅうぶんなキャッシュがあると報じられているが、自社株買いを行うかどうかまで報道されていない。

Productivity and Business Processes部門の売上高は前年同期比15%増の117億ドル。中でも商用版「Office 365」の売上高は25%増、「Dynamics」の売上高は17%増となった。
Intelligent Cloud部門の売上高は27%増の123億ドル。「Azure」の売上高が59%増加したことがけん引した。
More Personal Computing部門の売上高は3%増の110億ドル。Windowsの商用版製品およびクラウドサービスの売上高は17%増加した。

https://japan.cnet.com/article/35153147/

私がS&P500については、粛々と伸びていくことの理由が二つある。一つは、そもそもFANG+Mで20%を占める指数で歪んでいる事。詳しくは過去記事「 S&P500インデックス構成率とFANG+M 」をご覧ください。
もう一つは、自社株買いがまだ続くからでもあります。GM、シェル、ウォルマートなどレガシー企業の自社株買い停止・延期発表は相次いでいる一方で、伸びているFANG+Mが株価上昇するとともに、自社株買いをすればそりゃS&P500指数は上昇しますってば。4月初めにでているGSの自社株買い予測でも、半減といっても、去年は過去2番目に多い自社株買いでしたからね。S&P500に連動した退職年金口座もっている米国民は、株価回復で少し消費旺盛になってくる可能性さえあります。

ゴールドマンの米国株チーフストラテジスト、デービッド・コスティン氏のチームは3日のリポートで、S&P500種を成す企業による自社株買いは2020年に3710億ドル(約40兆4000億円)に半減すると予想。配当は前年比で25%減ると見込んでいる。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-07/Q8EMIJDWLU6A01

新規失業保険申請件数、個人消費

新規失業保険申請件数(25日終了週)は384万件
知事が5月4日からの経済活動再開を計画しているフロリダ州は、調整前で43万2500件と最多。カリフォルニア州が32万8000件でそれに次ぎ、ジョージア州は26万4800件。ほとんどの州で申請件数は前週から減少した。
5月8日発表の4月の雇用統計では非農業部門雇用者数は2200万人減、失業率は16.3%が予想されている。
失業保険の継続受給者数は18日までの1週間に217万人増加し、過去最多の1800万人となった。これにより、労働人口に占める失業保険受給者の割合は12.4%と過去最高を記録した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-30/Q9LPQDDWRGG201?srnd=cojp-v2

この州別の失業者数が非常に重要だと思うんですが、私が注目したのは共和党の牙城であるケンタッキー州(マコネル上院院内総務選出!)、ジョージア州、ルイジアナ州など南部の失業者数が多い事。再選挙を控えているマコネル上院院内総務、サウスカロライナ州選出のグラム上院議員など対抗馬の民主党員に献金が集まってきていることが報じられています。まさかのまさかで、大統領選挙は人気投票でもあるのでトランプ大統領が制しても、上院と下院では民主党が多数党うになっちゃうかもしれません。この州別の失業者数は注目です。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-30/Q9LPQDDWRGG201?srnd=cojp-v2

まぁ、消費支出が減ってはいますが、3月に政府は1人あたり1200ドル配布していることもあり、まだそんなに影響は少ないでしょう。貯金だって、あまりないのは事実ですが、当月~翌月くらいは持ちこたえられるでしょう。翌月、翌々月のデータがどう出てくるかが気になります。

インフレ調整後の実質個人消費支出は7.3%減と、こちらも過去最大の落ち込み。耐久財支出は14.8%減、サービス支出は9.5%減った。
  個人所得は2%減で、2013年1月以来最大のマイナス。賃金・給料が3.1%減となった。新型コロナ感染拡大に伴い、勤務時間の短縮などといった形で賃金が削減された可能性がある。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-30/Q9LPT1T1UM1W01?srnd=cojp-v2

FRBのメインストリート買入

詳細は後日発表とのことなので、別途、これは確認する。

米連邦準備制度理事会(FRB)はメインストリート貸付プログラムの範囲を拡大し、より多くの企業が対象となるようにする。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、米経済への信用の流れを維持するのが狙い。
  FRBは30日、従業員1万5000人以下、または年間売上高50億ドル(約5340億円)以下の企業がプログラムの対象になると発表。従来の規定と比較し、売上高の上限は2倍となり、従業員数の上限は5000人引き上げられた。同プログラムを巡っては、対象範囲の拡大を求める声が議会や企業から上がっていた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-30/Q9LUXST0G1KW01?srnd=cojp-v2