株式市況/FRB利下げは早すぎる。この株式市場は、合成の誤謬だ。

【日経平均株価】 21,082.73 ▼1.22% -261.35 [03/03]
TOPIX 1,505.12▼1.36%
マザーズ 724.61▼2.28%
【ドル建て日経平均】195.65 ▼0.80% -1.58 [15:00]
【ドル円】 107.74 -0.59 ▼0.55% [15:13]
東証一部出来高 1,764,900,000株 15:00
【日経VI】36.90 -2.40 ▼6.11% [14:55]

【上海総合指数】 2,992.90 △0.74% +21.97 [16:02]
ハンセン指数     26,284.82 ▼0.03%
CSI 300 Consumer Staples Index 20688.42 △1.42%
MSCI Emerging Markets  1,027.82 ↑  [3/3] 
( 52 WEEK RANGE 956.59 – 1,150.91 ) 
MSCI Intl Emerging Market Currency   1,630.33 ↓ [3/2] 
( 52 WEEK RANGE 1,587.38 – 1,673.26 ) 
ユーロ・ストックス50  3,371.97   △0.99%
バルチック指数       549.00   △1.86% [3/3] 
( 52 WEEK RANGE    415.00 – 2,518.00 )  2016年2/5 297.0が直近最安値

続いて、米国市場。10年債利回りは史上最低の金利に達した。

【NYダウ】 25,917.41 ▼2.94% -785.91 [03/03]
(52週最高値  29,551.42   52週最安値  24680.57  ) 
NASDAQ  8,684.09 ▼2.99% –
(52週最高値      9,731.18   52週最安値7292.22 )
S&P500       3,003.37 ▼2.81% –
(52週最高値   3,380.16    52週最安値2722.27) 
ラッセル2000種指数   1,486.083 ▼2.13% –
(52週最高値  1,706.175   52週最安値 1,266.925 )
【VIX恐怖指数】     36.82↑ 
Fear & Greed Index  10↓(Extreme Fear) 
【WTI原油】        46.988↑
【NY金先物】  1640.50  ↑
ドルインデックス:   97.18
米国30年債利回り:1.614↓
米国10年債利回り:0.999↓
米国 2年債利回り:0.697↓
米国3か月債利回り:0.94↓ 
ブルームバーグ商品指数トータルリターン  156.0566 △0.99% 
( 52 WEEK RANGE   151.3185 – 174.8420 ) 2016年1/15 148が直近最安値
フィラデルフィア半導体指数 1705.26▼3.41%
NASDAQ OMX China Technology (CHXN9000) 2,026.93 △0.64%
NYFANG:IND    3,419.315 ▼2.55%
( 52 WEEK RANGE   2,244.232 – 3,921.452 )
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100  2,230.73 ▼0.13% [3/2]
(52 WEEK RANGE  2,049.76 –   2,287.33 )
BofAML US High Yield Master II Effective Yield 5.93↓[3/2]
BofAML US Corporate BBB Effective Yield 2.80↓ [3/2] 
BofAML US High Yield CCC or Below Effective Yield 12.59↓  [3/2]
米取引所の合算出来高は147億株と、直近20営業日の平均98億株を大幅に上回った。  
AAPL 289.32▼3.18% (52週最高値  327.85 52週最安値153.66 )
AMZN 1908.99▼2.30% (52週最高値 2185.95 52週最安値1566.76 )
GOOG 1341.39▼3.44% (52週最高値 1529.63 52週最安値1025.00 )
MS   164.51▼4.79% (52週最高値 190.70 52週最安値102.17 )
NVDA 265.89▼3.81%( 52週最高値 315.41 52週最安値131.00 )
FB   185.89▼5.37% (52週最高値 224.20 52週最安値143.43 )
NFLX  368.77▼3.22% (52週最高値 392.92 52週最安値252.28 )
TSLA  745.51△0.25% (52週最高値 968.99 52週最安値176.99 )
BABA  207.41▼1.69% ( 52週最高値 231.14 52週最安値147.95)
※52週最高値・52最安値更新:2020/02/13時点

FRBは、FF金利をリーマンショック以来の緊急利下げしました。しかも50BPも。
はっきりいって、早すぎたし、貴重な弾丸を無駄に使ったと感じています。こう感じている金融関係者は多い。ちなみに、リーマンショックがはじまりつつある危機対応の第一弾は、ディスカウントレートの引き下げでした。ディスカウントレートやらIORR、IOERを動かしてFF政策金利を動かしているのに、いきなりFF政策金利動かすような大きな事態に出たら明らかにあかんでしょ。
今回の利下げをみて、パウエル議長の判断が誤っていること、他の理事がそれを止められなかったことなど現在のFOMCが非常にまずいのではないかと思います。

また、昨日のうちに整理しておいてよかったです。

今回は、サプライチェーンおよび、需要に打撃がきている事態です。
米国が利下げをしたとしても、PBOCと同様なことを狙っているだけに思えます。つまりは、債務返済に苦しむ企業ならば借入金に対する利払いおよび経費を支払えるように追加借金をしやすいようにすること。
個人の場合は最低限の信用を支払えるように更に借金をすること。
需要が元通りになるまでのつなぎ債務だと思うわけです。
この施策の危険なところは、需要および世界のサプライチェーンの回復が、債務返済に追いつくかです。
そうなってくると、今度は為替が重要になるはずです。
米企業で債務をドル支払いする企業はまだいいです。問題は、ドル建て債務を支払わなきゃいけないのにドルでは稼げないことになります。自国通貨の方が価値が高くなれば、つまり、円なら円高、元なら元高になればドル建て債務は支払いの負担は軽減しますが、自国通貨が売られる事態になったらもう終わりです。
そうなってくると、2016年の人民元ショックで外貨準備高をどこまで取り崩すかです。 中国の外貨準備高は3月7日明け方に発表される予定です。中国は、外貨準備高は豊富ですが、通貨安をどこまで抑えられるかでしょう。外貨準備高とユアンに注目です。

財政出動はあまり期待できないでしょう。もしかしたら、議会の方がこれから起きる大企業の財政破綻に備えて予算を抑えているのかもしれません。
ちなみに、2007~2008年でファニーメイとフレディマックを救済するために2000億ドル使い、その後の景気対策で1500億ドル、AIGには1800億ドルの公的資金を注入してます。規模が違います。

米議会は3日、最大90億ドル規模の新型コロナウイルス対応緊急予算措置を巡りトランプ大統領と合意に近づいた。ただ、民主党の上院トップ、シューマー院内総務は、ワクチン価格を巡る意見の対立が合意を阻んでいると明らかにした。
上下両院の指導部はこの対立を解消し、週内に議会で可決したい考えを示した。

https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-usa-trump-idJPKBN20Q35X?il=0

Twitterでも書きましたが、今の相場は、合成の誤謬です。
「合成の誤謬」は社会学用語かな、わからない方はググりましょう。 ミクロでみると最適なことをしているが、マクロでみると正しくない方向に向かっている、正しい方向ではないということです。
バートン・マルキールは1974年出版の「ウォール街のランダム・ウォーカー」で、インデックスファンドはアクティブファンドに勝てないという論文を発表しました。しかし、これは個々のファンドについて分析しています。これはこれで正しいし、何よりも実績がそれを示しています。
要は、個別ファンドごとのミクロでみると最適な売買をしているのですが、マクロでみると市場全体は間違った方向に向かっているということです。バートン・マルキールは、あくまで個人はインデックス投資だと書いたわけであり、投資銀行などのファンドがインデックスファンドを多用するとは考えていなかったのでしょう。繰り返しますが、ファンド単位でみると正しいインデックス運用しているのですが、市場全体でみると市場崩壊に向かっているということだと思います。

まとめると、現在は 「合成の誤謬」市場 で、リーマンショックどころではない需要減退とサプライチェーン・ショックが起こっているということです。 単なる下落・急騰相場ではありません。

そして、重要なこととしては、間違いなくこれは「変化」です。
換金チャンス以外の何物でもないです。非常に重要な時であります。
この半年間で、危機のために何を準備していたかが問われるタイミングだとも思います。
私は、証券アナリスト試験勉強で金融知識の底上げをして、平常時から議会の動向を追い、ポールソン回顧録、ガイトナー回顧録などを読みリーマンショック時の議会と政府、企業はどう動いたかのトレースなど粛々と準備していたことがすべて役立っています。ウォール街のランダム・ウォークを再読していたのも役立ちました。損切りはしましたが、準備万端で迎えられたことは幸運です。

今回の変化では、リーマンショックと同様に大統領選挙が平行しているので、経済危機に政治が絡みます。これは、米政治がわからないと動向が読めなくなるはずです。で、米政治を読み解くには、プロテスタントを理解しなければいけないし、共和党がわからなきゃいけないし、米政治の基本的な三権分立がわからなきゃいけないわけです。
私のブログは、校正していないし、読み手を配慮していないので読みづらいことは確かですが、米国政治をふまえた金融、経済動向という視点ではトップクラス入りしたと自負できるようになりました。
金融については、データの分析方法とかは知識として獲得できても、リアルタイムではプロしか閲覧できないデータとかが存在しているので、どこまでいっても敵いません。勝負しない方が賢明だと感じていますが、できるところまでは進もうと思っています。