トランプ政権減税政策案は連邦議員選挙前では動かない/中国企業の破産について

昨日の終値。BOJは703億お買い上げ。
【日経平均株価】 23,687.59 ▼0.59% -140.14 [02/14]
TOPIX 1,702.87▼0.60%
マザーズ 841.69▼1.79%
【ドル建て日経平均】215.73 ▼0.56% -1.22 [15:00]
【ドル円】 109.77 -0.05 ▼0.05% [15:36]
東証一部出来高 1,351,750,000株 15:00

先週は、先々週のコロナウイルスの売りに対して爆上げしたが、やっぱり海外勢でしたか。先々週の売り越しを、先週で買い越しているし。そりゃ回復しますよね、はい。つくづく、海外投資家の視点で市場をみないといけないなぁと実感します。


【上海総合指数】 2,917.01 △0.38% +10.93 [16:11]
ハンセン指数    27,815.60 △0.31%
CSI 300 Consumer Staples Index   20155.17 ▼0.68% –
MSCI Emerging Markets 1,106.30→  [2/14] 
( 52 WEEK RANGE 956.59 – 1,150.91 ) 
MSCI Intl Emerging Market Currency    1,647.90↓  [2/13] 
( 52 WEEK RANGE 1,587.38 – 1,673.26 ) 
バルチック指数    425.00     △0.95% [2/14] 
( 52 WEEK RANGE    415.00 – 2,518.00 )  2016年2/5 297.0が直近最安値

政府が企業に 「ウイルス予防・管理債」 を発行させて、それを国有銀行が買い取るんだってさw しかも、 「ウイルス予防・管理債」 なのに、低い金利で資金調達できるから銀行への債務返済に充てている!笑っちゃうね!
債務が膨らもうが、お金を貸してくれるところさえあれば、更に借りて返済していれば何とかなるって話だ。しかも今回の債券は国有銀行が買い取ってくれる!

中国政府は新型コロナウイルス対策の一環で、起債の審査期間を通常の数週間から数日に短縮した「ウイルス予防・管理債」(新型ウイルス債)を導入。国有銀行に同債の購入を奨励しているため、企業は通常の社債を大幅に下回る金利で資金を調達できる。ロイターの分析によると、同債を通じて総額140億元(20億1000万ドル)が調達される見通しだが、実際にウイルスの予防・管理のために利用される資金は全体の約3分の1にとどまるみられる。(中略)
ある大手ガラスメーカーは、同債を通じて調達した資金の大半を銀行債務の返済に充てる計画。ある不動産開発業者は、調達した資金の大半を現預金の積み増しと債務返済に充てる予定だ。

https://jp.reuters.com/article/china-health-virusbond-idJPKBN208055

更に驚愕するのが、中国の破産についてだ。
そもそも 返済が90日以上滞っている債権がどのくらいあるかもきちんとカウントされていないようだし、デフォルトしそうな企業や債権者からの申請を裁判所が却下しているって( ゚Д゚) 
コロナウイルスの件で、地方政府のダメっぷりが露呈したが、まさか破産裁判所は中央一括管理じゃなくて、各地方政府が管理とかじゃないよね…
さらに、この記事にでてくるように、破産した企業は、債務返済のために資産売却したりして債権者優先するのが一般的だが中国ではそうなっていないみたいね。あとは意外にブラックなのが、個人の破産がないってことかもしれない。

それにしても、こんなことをしていると、やっぱり中国は賃金上昇と、個人消費がどうなるかで経済停滞速度が変わる気がしています。

中国のシステムは少なくとも1点において、米国と大きく異なっている。それは、中国の破産裁判所が、社会不安を回避するため、債権者よりも株主の保護を優先することがあるという点だ。
(中略)
中国が正式に破産法を導入したのは2007年。しかし、各地の裁判所はしばしば、社会不安や大規模な解雇につながる可能性を懸念して、窮地にある企業や債権者からの申請を却下してきた。債務超過となった多くの企業が、政府からの補助金や国有銀行からの融資によって、やりくりしていた。債権者を放置したまま、債務負担から逃れる企業もあった。 (中略) 中国の法律は、企業による破産宣告のみを容認し、個人については容認していない。

https://jp.wsj.com/articles/SB11700520728564973312004586002933278178982

米国市場は、商いが平均を下回る日が数営業日続き、 Fear & Greed Index がほぼ変わらず。一か月前は80を超えてExtreem Greedだったことを考えると、決して楽観的な相場ではなく中立的な状態だと思われる。
失念していたが、2月17日(月)は 大統領誕生記念日だ。正確には、 ジョージ・ワシントンとエイブラハム・リンカーンという2人の大統領の誕生日祝う祝日。

【NYダウ】 29,398.08 ▼0.09% -25.23 [02/14]
(52週最高値  29,551.42   52週最安値 23,765.24  ) 
NASDAQ     9,731.18 △0.20%
(52週最高値      9,731.18   52週最安値6190.17 )
S&P500      3,380.16 △0.18%
(52週最高値   3,380.16    52週最安値2346.58 ) 
ラッセル2000種指数 1,687.584 ▼0.36%
(52週最高値  1,706.175   52週最安値 1,266.925 )
【VIX恐怖指数】 13.68
Fear & Greed Index  55↓(Newtral) 
【WTI原油】       52.23
【NY金先物】  1,586.85   
ドルインデックス:  99.16→
米国30年債利回り:2.042↓  
米国10年債利回り: 1.588↓    
米国 2年債利回り:1.434↑  
米国3か月債利回り:1.57↓ 
ブルームバーグ商品指数トータルリターン  160.6110 △0.09%
( 52 WEEK RANGE   157.4103 – 174.8420 ) 2016年1/15 148が直近最安値
NASDAQ OMX China Technology (CHXN9000) 2,099.65 ▼1.29%最高値更新
NYFANG:IND  3,742.771 △0.43%
( 52 WEEK RANGE  2,065.031 –   3,768.708 )
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100  2,277.52 [2/13]
(52 WEEK RANGE  2,049.76 –   2,287.33 )
BofAML US High Yield Master II Effective Yield 5.07↓[2/13]
BofAML US Corporate BBB Effective Yield  2.95 ↓ [2/13]
BofAML US High Yield CCC or Below Effective Yield 11.27↓ [2/13]
米取引所の合算出来高は66億株。直近20営業日の平均は76億2000万株。
AAPL 324.95△0.02% (52週最高値  327.85 52週最安値153.66 )
AMZN 2185.95▲0.70% (52週最高値 2185.95 52週最安値1566.76 )
GOOG 1520.74△0.40% (52週最高値 1529.63 52週最安値1025.00 )
MS   185.35△0.89% (52週最高値 190.70 52週最安値102.17 )
NVDA  289.79△7.29%( 52週最高値 294.45 52週最安値131.00 )
FB   214.18△0.49% (52週最高値 224.20 52週最安値143.43 )
NFLX  380.40▲0.26% (52週最高値 385.99 52週最安値252.28 )
TSLA  800.03 ▲0.49% (52週最高値 968.99 52週最安値176.99 )
BABA  219.63▲0.33% ( 52週最高値 231.14 52週最安値147.95)
※52週最高値・52最安値更新:2020/02/13時点

 米国(EM)時間午前11時頃に、カドロー米国家経済会議(NEC)委員長 は、FOXニュースで中間層への減税について言及発言。少し株価が持ち直す場面も見受けられたが、後半にかけてずるずると下落していく。
選挙対策の一環であり、株価上昇政策であるが、連邦議員選挙が控えている状況では効果は薄い。私は、先日の一般教書演説で、株価が全く動かなかったことで確信していることがある。それは、議会承認が必要な案件については、トランプ政権が何を発言しようともう株価を動かせないということだ。重要なことは、「議会承認が必要になる政策」ということだ。
尚、カトリック信仰で絶大な人気があったポール・ライアン元共和党会員議長は、トランプ大統領に嫌気がさして数年前に議員引退したが「トランプ政権の政策なんて、減税しかやってないじゃないか。それが単にレーガン政権以来の大型減税だっただけだろ。」と発言していました。トランプ政権には減税しか経済政策考えられにのかもしれないですね( ゚Д゚)

尚、トランプ政権のすべての政策を決して共和党議員は容認していない。以下の記事で詳しく書いたが、イランの軍事介入を制限した議員が8人もいたのは驚いた。トランプ政権支持派は実は少数ではないかと感じるようになってきている。選挙対策としてはトランプ大統領を大統領に据えておきたいが、出来る限り彼の行動を制止しているようにもみえている。裸の王様に近い気がする…
FRB理事の承認が2議席空いたままになっているのは、トランプ政権の指名を上院議員が承認しないからだ。どこで止まったかまで調べていないが、おそらく上院銀行住宅都市委員会レベルで差し止めされていると考えられる。


続いて、米国経済指標について。個人消費が失速しているが、2017-2018年が減税による還付により消費をブーストしていたとしたら、そりゃ勢いは失速するだろう。

米商務省が14日発表した1月の小売売上高は自動車とガソリン、建材、食品サービスを除いたコア売上高が前月から横ばいと、市場予想の0.3%増を下回った。個人消費が一段と鈍化したことを示唆した。景気の緩やかな拡大継続に懸念が浮上する可能性がある。 2019年12月の数字は当初発表の0.5%増から0.2%増へ下方改定された。コア売上高は国内総生産(GDP)の消費支出に最も大きく連動するとされる。コア売上高が1月に横ばいとなったことで、個人消費が第1・四半期入りに当たり失速した可能性がある。個人消費は昨年第3・四半期に3.2%増、第4・四半期は1.8%増と、伸びが鈍化している。
(中略)19年のGDPは前年比2.3%増と、18年の2.9%増から鈍化した。

https://jp.reuters.com/article/usa-economy-retail-idJPKBN2082HQ

企業債務について、日米において重要な違いがあるので書いておきます。

米有名企業が債務超過となる事例が続いている。2019年はスターバックスやボーイングなどが加わり、債務超過額の合計は650億ドル(約7兆2千億円)と金融危機だった08年以来の高水準となった。低金利で借り入れた資金を使って利益を上回る自社株買いや配当を実施し、資本を取り崩したためだ。
(中略)
債務超過に陥ると金融機関の融資が受けにくくなる日本と異なり、米国では債務超過がすぐに経営不安にはつながらない。収益から投資額を引いたフリーキャッシュフロー(純現金収支)の黒字が続く見通しなら、借金返済を迫られる懸念は小さいためだ。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO55612200U0A210C2EA2000/

この記事に対して、それは米国企業だけがもつドル覇権があるからだよんという記事。この記事は、非常に重要。

米国企業はどんなにグローバルな企業であっても、収益の半分ぐらいは米国からきている。だから自然とドルを手に入れることができる。
そして米国企業は米銀からのコミットメントラインを基本的には保有しており、いざという時のドルファンディングもばっちりだ。
そして本当に世界的に不況がきた時であっても、米国経済はいざとなれば米国政府が無限に輪転機を回してドルを供給すれば米国経済を立て直すことが可能であり、それを市場参加者全員が信じている。
だからこそ米国企業は米国政府がドルを刷り散らかせば基本的に助かると思われる企業については債務超過を普通に許容しているのだ。
また格付け機関もそれを知っているので、米国企業については必ずしも債務超過だからといった理由だけで格下げなどはしない。
しかし米国企業以外は残念ながら話が違う。
米国以外の金融機関はドルファンディングを米国政府の助力なしで自力で行わなければいけない。そしてドルファンディングが詰まってしまった場合は自動的にドル融資だけでなく自国通貨建て融資についてもストップさせざるを得なくなる。そうなると金を借りたくても企業は銀行から金を借りれず、資金調達ができなくなることからバタッと倒れてしまう。
(中略)
つまるところ、ドルが基軸通貨であり、その恩恵にあずかれる企業だけが安定的な利益さえ伴っていれば債務超過を許されるだけであり、それが世界的に適用できるかというそういうわけではないというわけなのである。

http://muragoe-makoto.blog.jp/archives/80729105.html

となると、米国企業については返済のための安定的な利益を稼げるかというのが重要なところになっていくるわけだ。
また、返済の金利がどうなるかということなのだろう。変動金利だったら、もろFF金利の利上げの影響をくらうことになる。
やっぱりFF金利の動向がすべてを握っている気がしてならない。
企業の債務返済も、個人の債務返済も、すべてをFF金利が握っているといっても過言ではないような気がする。
こことレポの動向が私の中でうまくつながっていないので課題だな。