株式市況/トランプ政権の減税案を株価はいつ織り込むか

【日経平均株価】 24,031.35 △0.70% +166.79 [01/22]
TOPIX 1,744.13△0.53%
マザーズ 886.04▼0.02%
【ドル建て日経平均】218.39 △0.60 +1.30 [15:00]
【ドル円】 110.05 +0.20 △0.19% [15:08]
東証一部出来高 1,001,800,000株 15:00

21日の下落分から半分ほど取り戻したハンセン指数。
ハンセン指数   28,341.04   △1.27%
【上海総合指数】 3,060.75 △0.28% +8.61 [16:02]
CSI 300 Consumer Staples Index   20403.62 ▼0.40%
MSCI Emerging Markets 1,133.40↓   [1/22] 
( 52 WEEK RANGE 945.28 –  1,150.91 ) 
MSCI Intl Emerging Market Currency   1,663.47↓ [1/21] 
( 52 WEEK RANGE 1,575.1 –     1,673.26  ) 
バルチック指数      623.00  ▼9.58%   [1/22]
( 52 WEEK RANGE 595.00 – 2,518.00 ) 

コロナウイルスによる株価への影響を知るために、まずは香港ハンセン指数の構成比重について知らなくてはいけない。個人サイトなので正確なのかはわからないが、目安にはなるだろうと思い引用します。
ハンセン指数は金融比重が5割を占めるというのはよく書かれているんですが、個別銘柄の歪みもすごい。テンセント、HSBC、AIA、中国建設銀行だけで約40%も占めるじゃないかw  HSBC、AIA、中国建設銀行 は全部金融カテゴリーに入るはずなので、金融カテゴリーが5割を占めるというものの、そのうちの6割はこの3社が占めるということだ。
また、不動産業も10%を占める。 個別銘柄で比重は高くはないが、香港不動産は長江実業集団(CKアセット・ホールディングス)、 恒基兆業地産 (ヘンダーソン・ランド・ディベロップメント)、 新世界発展 (ニューワールド・ディベロップメント)、 新鴻基地産 発展(サンフンカイ・プロパティーズ) のたった4社で独占されている。この4社の株価はデモが起きた6月頃から昨年末にかけてずるずると下落し、年明けでやっと上昇気流に乗ってきたところだった。まさかのコロナウイルスで再度下落に転じて昨日も小幅な動きで終わっている。
ハンセン指数を押し上げた犯人は、テンセント、AIA、中国建設銀行が1.0~1.5%ほど上昇したからだろう。
ハンセン指数の恐ろしいところは、構成銘柄はたった50銘柄で数%なのに、時価総額は全体の半分を占めるということだ。
尚、香港H株は、中国本土を登記地としているが、香港市場で上場している企業40銘柄で構成されている。これも 中国建設銀行、中国工商銀行(ICBC)、中国平安保険 、テンセントで4割を占める。

参照元: https://investorwatch.jp/hang-seng-index/

まとめると、ハンセン指数だけでコロナウイルスの影響を考えてはいけないのかもしれない。尚、HSBCは小幅な上昇にとどまっている。デモが起こってからは、ずっと低空飛行でデモ前の水準に戻っていない。
デモの影響で不動産株も時価総額が大きく吹っ飛んでいる。SARSは香港の近くの広東省が発症元だったので、香港への被害は大きかったが、今回は武漢で内陸だ。しかし、武漢はターミナルになっていて中継地点でもあるようなので、中国全土に広がっていく恐れがある。
そのため、さすが中国という感じだが、武漢市を封鎖する作戦をとった。武漢市の人口は 1,089万(2017年時点)だが、 地図をみる限り、漢陽や武昌とも近い。橋が封鎖されない限り、自転車でも移動できる距離と予測できる。果たして封じ込められるのか。

武漢市では、バス・地下鉄、フェリー・長距離路線の各機関が運行停止になる。同市を出発する航空便や鉄道も運行を見合わせる。市当局は特別な事情がない限り、市外に出ないよう市民に呼び掛けた。

https://jp.reuters.com/article/china-health-wuhan-idJPKBN1ZL2TX

続いて、米国市場。ダウは最後1分くらいでマイナスに転じた。ボーイングが大幅続落で、MAX737復帰延期の影響が大きい。IBM、インテルは好決算で上昇。

【NYダウ】 29,186.27 ▼0.03% -9.73 [01/22]
(52週最高値  29,348.10 52週最安値 23,765.24  ) 
NASDAQ   9,383.77 △0.14% –
(52週最高値  9,388.95 52週最安値6190.17 )
S&P500   3,321.75 △0.03% –
(52週最高値    3,329.62 52週最安値2346.58 ) 
ラッセル2000種指数 1,684.463 ▼0.09%
(52週最高値  1,706.175   52週最安値 1,266.925 )
【VIX恐怖指数】   12.91↑ 
【WTI原油】    56.126 ↓8:00JST
【NY金先物】   1,558.85 ↑8:00JST
ドルインデックス: 97.50↓
米国30年債利回り:2.223↓ 
米国10年債利回り: 1.774↓
米国 2年債利回り:1.530↓
NASDAQ OMX China Technology (CHXN9000) 2,081.30 △1.60%
(最高値 2020年1月17日  2,108.3 )
NYFANG:IND      3,393.539 △ 0.10%
( 52 WEEK RANGE  2,065.031 –   3,399.383 )
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100  2,286.98▼0.02% [1/20]
(52 WEEK RANGE  2,049.76 –   2,287.33 )
BofAML US High Yield Master II Effective Yield 5.09↑[1/21]
BofAML US Corporate BBB Effective Yield 3.04↓ [1/21]
BofAML US High Yield CCC or Below Effective Yield 11.25↑ [1/21]
米取引所の合算出来高は72億株。直近20営業日の平均は68億株。
AAPL 317.70△0.36% (52週最高値  319.02  52週最安値142.00 )
AMZN 1887.46▼0.24% (52週最高値 2035.80 52週最安値1307.00 )
GOOG 1485.95△0.10% (52週最高値 1491.68 52週最安値970.11 )
MS   165.70▼0.48% (52週最高値 168.19 52週最安値93.96 )
NVDA  250.05△0.85% ( 52週最高値 252.99 52週最安値124.46 )
FB   221.32▼0.05% (52週最高値 222.63 52週最安値123.02 )
NFLX  326.00▼3.58% (52週最高値 385.99 52週最安値231.23 )
TSLA  569.56 △4.09% (52週最高値 176.99 52週最安値594.48 )
※52週最高値・52最安値更新:2020/01/23時点

今日の米国トップニュースは、トランプ大統領が減税案について発言したことだ。カドロー氏は、2020年の夏頃
Kudlow said the plan will be released later in the summer ”と先週発表していたのに、今日から90日以内とはずいぶん早めてきた。
直近のコロナウイルスの影響の方が大きいので、減税案についてはいったん無視されている可能性がある。
市場は、どの段階から織り込んでくるかがポイントだと思っている。減税案内容が発表された時点で織り込んでくるのか、それとも、議会で通過しそうになったら織り込んでくるかのどちらかになるはずだ。2017年時点では、どうだったか振りかえって断定することが難しいのだが、おそらく、トランプ当選後からじわじわ織り込んできていた可能性があると考えている。
減税案は、予算案に組み込む必要があるので、議会の承認が必要だ。現在のねじれ議会なら、おそらく通過しないだろう。共和党が上院・下院を制する必要があるが、選挙まではわからない。

またFOXビジネスに対し、今後90日以内に中間層向けの減税を発表する方針を示した。「中間層向けに減税をする。非常に大きな減税だ」と語った。

https://jp.reuters.com/article/trump-fed-idJPKBN1ZL12R

私が、減税案についてかなり敏感になっているのは、2017年減税がもたらした効果が大きかったからだ。一度ブログに書いたことがある。
まず、企業については減税されることでキャッシュが残るため、自社株買いする予算が確保された。さらに、自社株買いするとEPSが改善するので、それに伴い買いの自動プログラムがはしるのだろう。
2019年7月からは、利下げになったので借金して自社株買いする動きもあわさったのだろう。
さらに、減税というのは実体経済について影響が大きい。消費が好調な結果で経済指標に表れてくると、買いの自動プログラムが走る。消費が好調になると、企業に利益をもたらす。
こやって考えていくと、減税がもたらす効果というのが、株価買いのプログラムしか走らない仕組みになっている気がしてならないのだ。


もう一つ注目しておくことがある。それはコロナウイルスによる原油価格下落だ。日本語で記事を見かけないが、Twitter上では話題に上っていた。2.9ドル/1バレルほど下落するだろうという予測の記事がでたのは日本時間で昨日正午くらいだった気がするが、コロナウイルスの広がりや武漢市の封鎖とともに原油需要が織り込まれてきたようだと予測している。
中国の原油需要は、4割が工業用、4割が交通輸送だ。春節のタイミングなので移動が増すはずなので、飛行機燃料や車などあらゆるものが消費されるはずだが、移動できない、あるいは控えるとすると原油消費が落ち込むということにつながる。尚、コロナウイルスが起きてから石炭価格も下落しているが、なぜかはつかめていない。
エネルギーについて知るようになってから、商品先物価格が非常に面白くなった。といってもエネルギーに関連する原油、天然ガス、石炭までで、穀物になるとさっぱりわかっていないが。知識がつながるとなんて面白いのだろう!

Oil markets are likely to take a hit from China’s deadly coronavirus, with aviation fuel suffering the most, if the SARS epidemic in 2003 is any guide, according to Goldman Sachs Group Inc.
The respiratory virus that originated in Wuhan could result in global demand falling by 260,000 barrels a day in 2020, with jet fuel accounting for around two-thirds of the loss, Goldman said in a note. That would probably lead to a $2.90 a barrel drop in oil prices. The bank’s projections translate the estimated SARS demand impact into 2020 volumes.

https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-01-22/goldman-says-oil-could-fall-3-as-china-s-deadly-virus-spreads
引用元: https://oilgas-info.jogmec.go.jp/info_reports/1004762/1007500.html