2/6-10 米議会:今週はバイデン大統領の米議会での一般教書演説

https://www.senate.gov/legislative/resources/pdf/2023_calendar.pdf

118会期の上院議会委員会がやっと決定

上院議会の委員会委員長とそのメンバー決めがなかなか決まらず、1/23から上院議会は再開していたが限定的な活動だった。内部事情まではわからないが、委員長決定でさえプレスリリースがでたのが2/2(木)だったので時間がかかったのだろう。

さて、117会期と比較して入れ替わった部分としては
歳出委員会(Appropriations)委員長として、上院仮議長であるMurray議員が就任。歳出委員会は、連邦予算の裁量支出である予算を決める委員会なので非常に重要な委員会の一つだ。長く歳出委員会委員長を務めたリーヒ議員が引退したため、彼女が新委員長として就任した。さて、彼女が今まで委員長をつとめていたヘルスケア・教育・労働・年金委員会にサンダース議員が就任した。これはサンダース議員のかねてからの希望であり、やっと希望がかなった。まあサンダース議員の主張はまさにこの分野なのでなるべくしてなったということだろう。そしてサンダース議員が務めていた予算委員会はホワイトハウス議員が新たに就任した。それ以外は基本は動いていない。農業委員会委員長のスタビノウ議員は、FTXからの献金でいろいろあったがそれでも委員長に就任しちゃうんだなあ。彼女は2024年再選を目指さないことを宣言している。

委員会委員長は、提出された法案が付託されたとき、その法案を委員会で投票にかけるかどうかの権限をもつ。もちろん、上院院内総務が直接その法案をとりあげて採決にかけることもあるが稀だ。

要は毎年15000件ほどの法案提出があるが、大統領署名まで到達するのは数%。
委員会で採決したのに、上院院内総務が採決にかけない場合も多い。とはいえ、委員会委員長が絶大な権限をもっているのでおさえておくにこしたことはない。

下院委員会の委員長おさらい

すでに過去のブログで記載したが、改めて書いておく。

<下院委員会委員長>
歳入委員会:Jason Smith (Mo.)   RSC所属
歳出委員会:Kay Granger (Texas) RSC所属
下院規則委員会:Tom Cole(OK) RSC所属
軍事委員会:Mike Rogers (Ala.)   RSC所属
下院諜報委員会:Mike Turner (Ohio) RSC所属
予算委員会:Jodey Arrington (Texas) RSC所属
教育・労働委員会:Virginia Foxx (N.C.)  RSC所属
エネルギー・商業委員会:Cathy McMorris Rodgers (Wash.) RSC所属
金融サービス委員会:Patrick McHenry (N.C.) RSC所属
下院外交委員会: Michael McCaul (Texas) RSC所属
安全保障委員会:Mark Green (Tenn.) RSC所属
司法委員会:Jim Jordan (Ohio) フリーダム・コーカス初代議長
天然資源委員会:Bruce Westerman (Ark.) RSC所属
科学・宇宙・テクノロジー委員会:Frank Lucas (Ok.)  
運輸・インフラ委員会: Sam Graves (Mo)
農業委員会:Glenn Thompson  (PA) 

今は司法委員会のジョーダン議員がかなり目立つ。先日の公聴会ではバイデン政権が意図的に国境を「運用管理」していなかったと非難し、国土安全保障省長官アレハンドロ・マヨルカスの弾劾の可能性を示唆した(引用元:The Hill

また、下院諜報委員会のターナー議員は、今週、トランプ前大統領、ペンス前副大統領、バイデン大統領の機密情報持ち出しに関するブリーフィングをうける予定だと話した(引用元:The Hill

バイデン大統領の議会での一般教書演説

東部標準時間2月7日(火) 21:00~(日本時間では2月8日(水) 11:00)にバイデン大統領の議会での一般教書演説が予定されている。

これは合衆国憲法 第2章の第3 条[大統領の義務: presidential duty ]に「 大統領は、随時、連邦議会に対し、連邦の状況に関する情報を提供し、自ら必要かつ適切と考える施策 について審議するよう勧告するものとする。」明記されている。1790年にジョージ・ワシントン大統領が初めてこの義務を果たした。大統領による議会演説は大統領の義務としてスタートしている。
そのため、大統領の義務を果たしなさいということで 連邦議会の下院議長が大統領を議会に招待することになっているというわけだ。ただし、一般教書演説(State of the Union address)と呼ばれるようになったのは1913年のウィルソン大統領からだ(引用元:history.com

一般教書演説は、大統領が米国民に直接語りかけ、成果を強調し、優先事項や将来の政策を話す絶好の機会となっている。2021年にバイデン大統領が初めて行った一般教書演説を視聴したテレビ視聴者は3800万人と推定された。

バイデン大統領としては、2024年再選に向けて今までの成果を強く打ち出す姿勢だろう。

The Hillの予測では、バイデン大統領としては債務上限、警察改革、ウクライナ支援、経済対策について主に話すと予測されている。特に経済対策の中でも1月の強い雇用統計が発表された後なのでここは特に強調するだろう(引用元:The Hill

そういえば中国の気球による偵察の話で、マイク・ターナー下院議員はバイデン大統領は機密文書問題のニュースを隠すためにそれを大きく報道させたと発言しおた(引用元:The Hill)。支持率は低空飛行のままだけど、一般教書演説前だからそれはあるかもしれないね