6/6-11米議会再開/6月の予備選/PA州共和党候補者のメフメト・オズ候補

下院議会は2週間、上院議会は1週間の休会をおえてワシントンに戻ってきます
上下院ともに、6/20 Juneteenthを除き3週間はずっと本会議開催予定。
6月最後の週~7月第一週の2週間は、独立記念日をはさみ休会に入ります。
そうなると、7月は残り3週間になり夏の長期休暇(地元戻って選挙活動)に入ることになる。民主党はこの6~7月で何らかの立法成果を出して選挙活動時にアピールしたいと非常に焦っています。何らかの成果を持ち帰れずに選挙活動するのはかなり苦しいでしょう。

https://www.majorityleader.gov/calendar

民主党は追い込まれていて、何らかの立法成果を喉から手が出るほど欲している。しかしながら、立法できるような成果物がないに等しいのだ。

3~4月頃まで、意気込んでいた以下のような法案は、ニュースにさえならなくなってきた。COVID19追加支援も立ち消えそうだが、これがなくなるとワクチン無料配布がどこかのタイミングで難しくなり、連邦政府から資金を得ているオバマケア対象者はそうなる可能性が高いだろう。米国でFully vaccinatedは50歳以上は接種率80%超えるが、18-24歳は63%と停滞している。

・Build Back Better $5000億規模
(薬価引き下げ、クリーンエネルギー推進)
・マンチン議員が進めるエネルギー法案
・COVID-19追加支援 $100億規模
・マリファナ合法化(刑事罰の廃止)法案
・ Bipartisan Innovation Act
→ペロシ下院議長は7/4より前に可決する可能性を発言(引用元:The Hill) したが、おそらく無理。

上記以外にも、 労働者の団結権保護を確保する Protecting the Right to Organize (PRO) Act 、選挙改革法案U.S. Electoral Reform Actについては完全に頓挫している。

では、今後は、これらの法案が可決に向けて動きそうかと言うと厳しい状況だ。立て続いて起こってしまった銃乱射事件をうけて銃規制がメインの立法課題になってしまっている。また、最高裁からMS州の妊娠15週目以降の人工妊娠中絶禁止についての判決もそろそろ出てくるタイミングなので、しばらく銃規制と妊娠中絶制限の話で米議会はかかりきりになるだろう。
かといって、この2つに時間を取られたところで立法成果は残念ながら望めるかはわからない。しかしながら、支持者からの支持を失わないためにも「取り組んでいる」アピールをしなければならない。しなければならないのだ。
銃規制については、超党派で取り組むため共和党からはコーニン上院議員、グラム議員などが参加しているが共和党議員から10議員獲得できるような法案にできるかどうかは依然わからないでいる(引用元:Senators say gun deal is within reach, but without Biden’s wish list

一方で、もう一つ重要な動きがある。それは最高裁の重要判決だ。7月下旬には最高裁判事たちが休暇に入るとされているため7月下旬までには、 MS州の妊娠15週目以降の人工妊娠中絶禁止についての異議申し立て、NY州のハンドガン規制に対する異議申し立て、信仰上の権利に関する申し立てなどの判決がでるはずだと予測されている。特にMS州人工妊娠中絶禁止に対する判決がでると1970年代の判決「ロー対ウェイド」を覆すことになるため、非常に話題をよんでいる。
さらにはバイデン政権から公衆衛生上の理由で移民を送り返すことができる「タイトル42 」撤廃にむけたの控訴なども予定されている(引用元:Five biggest issues to watch at Supreme Court as high-profile term ends

要は、このままいくと、バイデン政権・民主党は、重要な政策を立法化することができず、さらには最高裁判事が過去に自分達が勝ち取った権利(ちゃっかり成果物としている)までも覆されるという最悪な状態で中間選挙になるかもしれないということだ。私はこうなる可能性が高いと思っているが、あとは最高裁からどういう判決がでてくるかにもよるだろう。


6月の共和党・民主党予備選

6月も5月に引き続き、予備選挙が続く。

6/7:California, New Jersey, Iowa, South Dakota, Montana, Mississippi and New Mexico
※CA州は党に関係なく、1名の候補者を選び、得票数が多かった上位2名が総選挙で戦う。
6/14: Nevada, Maine, North Dakota and South Carolina
6/21:Virginia
6/28: New York, Illinois, Colorado, Oklahoma and Utah

前回のブログで示した通り、 引き続き、 以下の2点に注目してウォッチしていく(引用元: 共和党・民主党5月予備選まとめ
①トランプ元大統領が支持した候補者がどれだけ勝利するか
トランプ元大統領の支持候補者:現職連邦議員126名、新人候補者44名
②民主党のプログレッシブコーカスから下院議員がどれだけ勝利するか
プログレッシブコーカスのPACで資金援助している候補者の予備選挙が6月にあるので注目ですね

https://weareprogressives.org/#endorsements

ペンシルベニア州の上院選結果/イスラム教徒のメフメト・オズ候補

ペンシルベニア州共和党予備選がやっと確定した。 トランプ元大統領が支持したメフメト・オズ候補がPA州上院選で共和党候補になったのだ。現職の民主党州副知事John Fetterman氏と戦うことになる。 11月の中間選挙では、米国史上最も注目されると予測されていて、巨額の資金が動く上院選になるだろう。
ペンシルベニア州選出上院議員の現職は、パット・トゥーミー議員(共和党)だ。しかし、ペンシルベニア州知事(2015年~)・副知事(2019年~)は民主党。ペンシルベニア州はまさにパープル州の代表ともいえよう。
ペンシルベニア州は一部グレーターアパラチアにかかるところもあり、AFL-CIO元議長のトルムカ氏も鉱山組合員でPA州出身だった。現在のバイデン大統領もペンシルベニア州で生まれている。まあまさに一部は労働組合員の中心地ともいえるのだが、NJ州やNY州に近いエリアは全然カルチャーが違う。ほんとうに難しい州だと思う。

で、このメフメト・オズ候補だが驚愕した。彼は外科医であり、コロンビア大学医学部教授であったこともあるし、テレビのトークショーにも出演している有名人なのはよく出ていたが、まさかのイスラム教徒だった。 しかもヨルダンのシンクタンク the Royal Islamic Strategic Studies Centreが「世界で最も影響力のあるイスラム教徒500人」の2022年版に含まれる約40人のアメリカ人の1人に認定している(引用元:Celebrity surgeon Dr. Oz seeks to be first Muslim elected to the US Senate

一方で、妻はキリスト教の神学者。家族ではイスラエルにも何回か行っていて、ネタニヤフ元首相とも親しい関係とのこと。共和党内部の親・イスラエルにも通じるような発言をしてきていて、トランプ元大統領がイスラエルを首都と認め、大使館移転したことを高く評価している。トルコ系移民だと思っていたら、トルコと米国の二重国籍だとか色々でてきていて、どうなのだろうか…(引用元:Dr. Oz is a great friend of Israel Oz reveals views on Israel in PA Republican primary

親ユダヤなことは、福音派にとって支持をするポイントになるだろうけど、「キリスト教徒ではない」ことをどう受け止めるのだろうか。
メフメト・オズ候補者だけにとどまらず、トランプ元大統領が「キリスト教徒ではない人を強く支持している」というのを福音派がどう受け止めるか。
福音派の人たちも、トランプ元大統領の信仰心にはあまり関心がなくて(あきらめているのかもね)、福音派にとって重要な政策を進めているから支持しているというのがおおきかった。親ユダヤ政策を進めるということで支持を得られるのかどうなのか、どういう判断軸で決めるんだろうね。

また、仮に当選した時に共和党上院議員たちがノンクリスチャンを受け入れることができるかってかなり大きな問題だと思います。たびたび、聖書を引用してツイートしていたり、聖書から引用して発言するような人達が受け入れられるとは思えないのだけど…そのあたりはどうなのだろうか。トランプ元大統領以外の共和党重鎮がメフメト・オズ候補をどこまで支援するのか非常に興味深いところです。