2/28-3/2 米議会再開/米議会はウクライナ支援を可決できるのか/共和党保守CPAC開催まとめ

Presidents Dayをはさんでいた休会も終えて、上院は月曜日から再開。
下院議会は火曜日から再開。3月は上院議会は休会なし。

WHと米議会からのウクライナ支援

米国は、ウクライナへの安全保障支援として$6.5億、人道支援$5200万を約束している。そのうえで、さらに先週は追加で以下の発表をした。

1. 対外援助法(the Foreign Assistance Act)に基づき、ウクライナへの軍事支援として最大$3億5000万を拠出
(この中に、殺傷力がある武器供与、軍事トレーニングも含まれる)
なお、オースティン国防長官は、ウクライナ軍への遠隔軍事訓練も検討していると25日の時点で語っている(引用元:The Hill

2. 25日、WHは$64億のウクライナ追加支援を米議会に要求
NATO、ウクライナへの安全保障$29億も含む。 (引用元:The Hill

1の対外援助法に基づいた拠出については、すでに年間予算で予算が割当られた中での配分となる。他国の援助も含まれるため、ウクライナだけに割けないのが現実だ。政権が自由に使える予算以外は、米議会に立法してもらう必要がある。
そのため、$64億を米議会に要求していた金曜日以降に、米議会は緊急少召集されるかと思いきや、音沙汰がなかった。
さすがの民主党議員もプーチン大統領批判を発信していたが、 大統領が最高裁にジャクソン判事を指名したニュースで持ち切りになってしまった。

米議会上院のトップであるシューマー上院議員は、週末もNY州で支持者層の会会合や記者会見に参加して、熱心に選挙活動をされていた。11月に再選挙を控えているから無理もない。長年の付き合いであったウォール街とデカップリングしてしまったので、色々な活動団体に顔をだして選挙資金を集める必要もあるだろう。簡単にいえば、遠いウクライナの出来事<自分の選挙活動 ということだ。

尚、米下院議会で民主党の過半数をしめるプログレッシブコーカスについては、バイデン大統領の判断を賞賛している。元をたどれば難民・移民が多くしめるプログレッシブコーカスなので、人道支援・難民支援には積極的に動くだろうが、それ以外については極力手出しをしたくないと考えているはずだ。


米議会で注目されている議案の進捗

休会していたこともあり、先週からほぼアップデートがないので先週のをはっておきます。それ以外のスケジュールとしては
◆大統領の米議会での一般教書演説
3月1日(東部時間21時/日本時間2日11時~)今のところ予定通り。
◆パウエル議長の議会証言
3月3日( 東部時間AM10時)
→ラスキン氏や他FRB理事の承認投票はまだスケジュールに入っていない

CPACが24日-27日に開催していた

さて、Conservative Political Action Conference (保守政治活動協議会)が24-27日に開催されていた。まぁなので共和党の保守派も実はウクライナどころではなかったというのが正直なところだ。特にCPACに所属するような米議員は、アメリカを最優先に考えるので、米軍の派遣に積極的ではなくむしろ撤退したいと考えている。要は、トランプ元大統領の発言に極めて近い考え方が多い。
トランプ大統領の演説時間は27日でもっとも注目されていた。スポンサーはFOXをはじめとした保守団体(リンク先:スポンサー一覧
登壇者もこちらにリンク(スポンサー一覧

で、CPACの調査結果(CPACの登録参加者がWEB上で匿名で投票)によると、2024年の大統領選では、トランプ元大統領が59%と支持をえた。ついで、フロリダ州知事のデサンティス氏が28%。
トランプ元大統領を含まない2024年の候補者候補のリストでは、デサンティス氏が61%の支持を得て圧倒的な人気。元国務長官のポンペオ氏、ドナルド・トランプ・ジュニアは6%の支持率で同率2位。
他の回答項目では、トランプ氏が2024年に再び大統領選に出馬した場合、CPAC参加者の85%がトランプ氏を支持し、そのうち72%は「強く」支持すると回答している。
もうこれは元トランプ大統領とデサンティスFL州知事の一騎打ちになりそうだし、元トランプ大統領が再出馬してもCPACからの支持はついてくるだろう。

そして、CPACの登壇者の発言でもウクライナ・ロシアへの発言は影が薄かったようだ。ウクライナに共感し、バイデン大統領を第二次世界大戦以来で、攻撃を抑止できなかった弱い指導者として攻撃するといった程度にとどまった。
要は、共感は示すが、共和党保守派も「米軍を送ろう」「武器を供与しよう」という話にまでは至らないのだ。単なる、バイデン大統領への攻撃要素にしか過ぎないのだ。

民主党のプログレッシブコーカスも、共和党保守派も「米軍を派遣したくない」という点では一致しているのだ。米議会の共和党・民主党内も一致団結していないので、いろいろとウクライナ対応は遅れることになるだろう。

参照元:
Politico 「Donald Trump wins CPAC straw poll
The Hill「Five takeaways from CPAC 2022