下院議会は、現段階では7~9日が本会議があるが、それ以降は地元活動や委員会活動になる。2/21はワシントン誕生日で祝日のため、21日から1週間は休会なのは上下院ともに同じ。
さて、上院議会が大変なことになっているので、それを説明しよう。
NM州選出のベン・レイ・ルハン上院議員が先々週に脳梗塞のため入院して、現在も入院中だ。既に手術は完了していて、合併症がなければ、4~6週間で退院できる見込みと2/2に側近が発表している(引用元:Washington post)
上院議会では、リモート投票は認められていない。つまり、欠席扱いにしかならないのだ。117会期の上院議会は、議席数が共和党と民主党50議席ずつ。党派的な投票になった場合、民主党は、たった1票がないがために法案を可決することができなくなるのだ。つまり、ルハン上院議員が欠席している間、多数党は共和党になるのだ。とはいえ、投票スケジュールを決めるなど大きな権限をもつ多数党院内総務が変わるわけではない。単に議席数がないだけの状態だ。
また、注意すべきは、彼が所属する委員会でも党派的な投票になれば民主党は1票足らないため本会議に進められないだろう。少なくとも以下の委員会は共和党・民主党が同議席で配分されているので1票足らない。
・予算委員会
・農林委員会
・商業・科学・運輸委員会
・衛生・教育・労働・年金委員会
・インディアン問題委員会
ルハン上院議員 が欠席している間は、党派的な投票になりそうな法案の投票は控えることになるだろう。まあそもそも、党内でマンチン議員、シネマ議員と合意がとれていないものが多々あるわけなのだが…。
ラスキン氏やクック氏など大統領に指名されたFRB理事の承認は、上院銀行委員会で2/15に投票される予定だ(引用元:ロイター)。トゥーミー議員は、ラスキン氏に対して懸念を示しているが、他の共和党の投票がどうなるか次第になる。
さて、仮に ルハン上院議員 が復帰できないことになった場合だが、NM州では州知事が任命することになっている。これは州によってルールが決まっているのだが、多くは知事が任命することになっている。NM州は民主党知事のため、民主党にとって不利になることはまずないだろう。
米議会の注目されている議案
【民主党上院議会内で合意がとれていないもの】
①Build Back Better
②2022年度年次予算(2/18までつなぎ予算で対応中)
③民主党発案のロシア制裁法案
木曜日の時点で、近いうちに発表すると発言しているが、まだ動きがない…(引用元:The Hill)
④中国への競争力法案( America COMPETES Act of 2022 )
下院で可決済(引用元:The Hill)。
上院で可決したものから追加されているので、再度上院での可決が必要。下院共和党はほぼ全員反対票投じているので、上院でどうなるかはマコネル上院院内総務の発言待ちかな。
【まだ委員会での承認ステップ】
①FRBパウエル議長再任/ブレイナード副議長任命(2/15上院銀行委員会投票)
②大統領に指名されたFRB理事の承認 (2/15上院銀行委員会投票)
③最高裁判事1名引退に伴う新たな指名 (未定)
2022年度年次予算(2/18までつなぎ予算で対応中)
今週はなんといっても、期限が迫っている 2022年度年次予算だろう。
下院議会は、早ければ火曜日に3/11までの短期のつなぎ予算を提出する動きとのことだ(引用元:RollCall)。
短期のつなぎ予算になるということは、合意が近づいているという観測がある。
一方で、未だに合計歳出額で合意できていないだけでなく、国防費と非国防費の予算内訳および成長率、退役軍人局への資金、ハイド修正条項などもまだ合意にいたっていない(引用元:The Hill)
2022年度予算が可決しないと、先日可決したインフラ法案( Infrastructure Investment and Jobs Act )の一部が進んでいないという問題が民主党を悩ませているのはあるので、どこまで妥協するかが焦点になる気がしている(引用元:WP)