今週は米議会休会(本来は先週休会だったが、1週間ずらした)
下院議会は2/1の夕方から再開、上院議会は1/31から夕方から再開。
The #Senate has adjourned and other than the pro forma sessions listed below, will return for business on Monday, Jan 31 at 3:00pm; with a cloture vote at 5:30pm on Bridget Brennan to be a District Judge for Northern Ohio.
— Senate Press Gallery (@SenatePress) January 20, 2022
Pro forma schedule:
1/24 at 1:00 p.m.
1/27 at 10:00 a.m.
そういえば、FRBパウエル議長とブレイナード次期FRB副議長の上院銀行委員会での承認投票ってまだやっていない。 金融監督担当の副議長に元FRB理事のサラ・ブルーム・ラスキン氏 、 リサ・クック、 フィリップ・ジェファーソンの上院議会の公聴会予定もまだスケジュールに入っていない。
FRB理事を含めた政府高官の承認ステップは、以下3点になり、①と②は管轄委員会の委員長がスケジュールを決める。③は多数党院内総務であるシューマー議員が決める。さすがに期限までには間に合わせるはずだけど、どうなるか。
①管轄の上院委員会での公聴会→②管轄の上院委員会での承認投票→③本議会での投票
Build Back Betterはもう少しスリム化して可決するとか色々話がでているようですが、まあ進んでいないですね。
ロシアとウクライナの緊張
さて、先ほど速報で米国務省から「在ウクライナ大使館職員の自主的な退去を許可するとともに家族の退去を命じた」とABCが報じた。そもそも、ウクライナはCOVID-19の影響で、数ヶ月前から国務省の最高レベルの渡航勧告(レベル4:渡航禁止)をだされている状況だが、さらに強い警告といったところだろうか。
その前にブリンケン国務長官の発言で少し緊張が和らいでいたところに、再度緊張が走ることになった。
ブリンケン長官はCNNのインタビューで「制裁の目的はロシアの侵攻を抑止することだ。いま制裁を発動すれば抑止効果は失われる」と語った。
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-usa-blinken-idJPKBN2JX0MM
その上で、ロシアの部隊が攻撃的な方法でウクライナに入れば、厳しい対応につながると述べた。
行政機関のバイデン政権やブリンケン国務長官の発言ばかり注目されるが、ロシア制裁については米議員がかなり積極的に行動しているのを忘れてはいけない。
まず、先週は米上院議員団8名がウクライナ入りしている(引用元:The )
彼らが強く政権に訴えたこともあり、ウクライナへの2億ドルの防衛的安全保障支援を追加することを発表している(引用元:The Hill)
先日も書いた通り、そもそも民主党はロシアへの制裁を強く望んできた経緯がある。しかしながら、バイデン大統領が欧州との同盟関係強化を望んでいることを配慮して、強力な制裁には消極的になっているわけだ( 引用元:Roll Call )
注目すべきはバイデン大統領の盟友であり、もう一人の国務長官(国務長官候補)とも呼ばれているクリス・クーンズ議員の発言だ。彼はブリンケン国務長官の見解を尊重しつつも、いますぐにいくつかの制裁を実施すべきだという発言をしている。彼はメネンデス外交委員長が提出した法案「 the Defending Ukraine Sovereignty Act 」の賛同者だ。法案の内容は以下の通りだ。
・プーチン大統領・政権高官、軍のトップへの制裁
・ロシア最大の金融機関への制裁
・ロシア国債の取引禁止
・ウクライナに$5億追加支援
※最終法案では、ロシアのSWIFT利用禁止は除外されたようです( ゚Д゚)
Sen. Chris Coons (D-Del.), a member of the Senate Foreign Relations Committee, echoed Blinken, telling ABC’s “This Week” that the “strongest sanctions” should be held as a deterrent to stop Putin from “taking the last step of invading Ukraine.”
https://thehill.com/policy/defense/590742-blinken-lavrov-meet-to-discuss-critical-moment-in-ukraine
He did, however, suggest that the U.S. apply some sanctions now, arguing that such penalties should come from a bipartisan bill on Capitol Hill. Coons is a co-sponsor of the Defending Ukraine Sovereignty Act of 2022, led by Senate Foreign Relations Committee Chairman Bob Menendez (D-N.J.), which would impose mandatory sanctions on a variety of Russian entities if Moscow ramps up aggression against Ukraine.
米議員の政権への圧力を考えると、バイデン大統領が何か行動を起こしてもおかしくはないだろう。しかも、盟友のクリス・クーンズ議員の影響力は大きいとみる。逆に、ブリンケン国務長官の影響については、私は少し懐疑的だ。
というのも、アフガニスタン撤退の時に、バイデン大統領がブリンケン国務長官や側近の意見を遮って、バイデン大統領自身の撤退継続の判断をしている。
(WPにリークされていたが、ソースが見つからない…)
プーチン大統領に対しては因縁の仲ですからね…。まぁ何しでかしてもおかしくないと思いますよ。
米最高裁、バイデン政権の企業向けワクチン義務化規則を差し止めについて
もう1週間以上前の話になってしまったが、どうしても書いておきたい。
米国最高裁判所は1月13日、労働省労働安全局(OSHA)が2021年11月に公示した「従業員100人以上の企業に新型コロナウイルス用ワクチンの接種を促す緊急臨時基準」の執行を差し止める判断を示した。
米労働省は、2022年1月までに対応するよう示していたわけだが、ワクチン反対勢力がバイデン政権のこの行政命令は違憲であるとして提訴していたわけだ。
米最高裁の判決は、「 労働省労働安全局(OSHA )は職場の危険性や有害性を規制する権限を持っているが、より広範な公衆衛生を規制する権限は持っていない」ということなのだ。 だいたいどの行政機関もそうだが、米議会が「労働省労働安全局」に権限を与えている。なので、米議会で新たに権限を与えるように立法化するか、あるいは州単位で実施せよというのが最高裁が言いたいことだ。
Marcia Coyle, “The National Law Journal”: I think what the majority, which — were six conservative justices, were saying here is that OSHA does have the authority to regulate workplace dangers and hazards, but what it doesn’t have authority to do is to regulate more broadly the public health.
https://www.pbs.org/newshour/show/what-a-supreme-court-decision-on-vaccine-mandates-means-for-workersmandates-at-the-court-guest
ではなぜ医療従事者は義務化になったのか?
それは連邦議会によって許可されたメディケイドやメディケアの資金提供を受ける医療施設に対しては、患者を保護するため、保健社会福祉省長官の権限があるからということだ。すべての医療従事者に許可されたわけではないが、ほとんどが対象となっている。
On the health care worker vaccine policy, the court’s majority found that Congress has authorized the secretary of Health and Human Services to impose conditions on health care facilities that receive Medicaid and Medicare funding that protect patients.
https://www.rollcall.com/2022/01/13/supreme-court-blocks-vaccine-or-mask-mandate-for-larger-employers/
今の最高裁判事の構成(保守派6名、リベラル派3名)では、今後もバイデン政権が連邦政府レベルで何か対応しようとするとき、同じような問題にぶつかることになるだろう。今後、この訴訟は第6巡回区控訴裁判所に差し戻されることになるようだ。
それにしても、今回、提訴していた人達の主要団体である企業グループは祝杯をあげているようですよ。なんで彼らが訴訟していたかって、身勝手な理由ですけどね。彼らの言い分が通ったわけではないんですが、勝利はしたということですね。
・労働市場が逼迫している中、ワクチンを接種していない労働者が義務化に応じずに仕事を辞めてしまうのではないかと懸念
・COVID-19検査を受けるための十分な人数を確保できない
(引用元:The Hill)