欧州は2021~2022年の冬にBLACK OUT!?

2026年までにノルウェー南部では電力不足に!?

ノルウェー南部で電力需要が高まっていることに加えて、ノルウェーの発電を支えている水力発電が水不足で出力不足に陥っているのだ(引用:ロイター

欧州は海底送電線が既にいくつも敷かれていて国際連系線があるため、電力貿易を実施している。黄色が純輸出国、青が純輸入国だ。要は、電力輸入を必要としているイタリア・イギリス・ポーランド・スペイン・ポルトガルをフランス、ノルウェー、スウェーデン、オランダ、ベルギーが支えているのだ。

2020年下半期、ノルウェーは発電量の25%を輸出した(引用元:Bloomberg
次いで、フランス、スウェーデン、ドイツが電力輸出をしている。
ノルウェーから安く電力を買えることを見込み、EUクリーンエネルギー経済圏が成り立っているといっても言い過ぎではない。2021年、ノルウェーとドイツ、ノルウェーとイギリスの海底送電線を通じて電力貿易が開始している。

ヨーロッパは、クリーエネルギーを全力で押しているわけですが、こういう電力の貿易で実現しようとしているわけです。英国なんて既に7~10%が電力輸入に頼る事態になっているが、どうやら更に送電線を建設して容量を増やす計画があるようです(引用元:Bloomberg

更に悪いことに、フランスはCOVID19の影響によりElectricite de France社の原子力発電所のメンテナンススケジュールや安全性の確認ができないため、2024年まで出力が期待できない状況だと今年の3月に宣言していた(引用元:Bloomberg

フランスの輸出入状況をみると、直近では輸入の方が増えている。
しかも、フランスの暖房熱源は、電気なので、寒いと電力需要が増す。

https://www.rte-france.com/eco2mix/les-echanges-commerciaux-aux-frontieres#

今年の冬はすでに寒波・突風が欧州を襲っている状況で、かなり厳しい状況だ。先日も、ポーランドの電力需給がひっ迫して、スウェーデンに電力供給要請をしている(引用元:Bloomberg

そう、つまり今年のヨーロッパは悪い条件が重なりつつある。これに風力発電供給不足が揃うと、BLACK OUTになってもなんらおかしくないということだ。

ラニーニャ現象により、寒波が襲い非常に寒い気候
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電力輸出国(ノルウェー、フランス)の供給力減少
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頼りになる化石燃料であるロシアからの天然ガス供給不足

おそらく、プーチン大統領は、このような状況をお見通しで、だからこそ、今、ウクライナにも強く出ているのだと思われる(引用元:BBC
おそらく、このような状況で天然ガス供給を減らしたり、遮断したら寒波により死者がでてもおかしくないだろう。
正直、アメリカがロシアに制裁しても、ビジネス上、影響がある米国企業はあるだろうが、一番痛みがあるのは欧州だろう。
欧州が米国に泣きついたとして、何か見返りに米国は何を取引するのだろうか。
バイデン大統領は、アフガニスタン撤退の時をふまえると、閣僚から反対がでても独断で判断する傾向が強いことがわかる。バイデン大統領の一声で、欧州が混乱に陥るなんてことがなければいいが。