12/13-18 今週の米議会はNDAA/マンチン議員とバイデン大統領はBBBについて協議予定

上院本議会は、例年なら休会期間に入るが13日は議会召集された。
とはいえ、KY州を中心とした6つの州(主に共和党州)は竜巻で甚大な被害を受けていて、州内の支援活動があるのでそのエリアの上院議員は集まれるのか…
下院議会はリモート投票を認めているが、上院議会ではリモート投票認めていないため、ワシントンまで戻る必要がある。
そしてスケジュールは更新されていないが、枠で囲んである部分は休会予定。棒線が引いてある部分は、召集日だ。

https://www.govinfo.gov/content/pkg/CCAL-117scal-2021-12-13/pdf/CCAL-117scal-2021-12-13.pdf

それにしても、上院議会での各国大使や外交ポストの承認遅れが目立つ。バイデン大統領が就任して指名開始してからもうすぐ1年経過するが、上院で承認されたのはわずか9人、バイデン大統領が指名した国家安全保障分野の全ポストの3分の1に過ぎない。中国や日本などの主要な大使や、国務省や外交部のトップポスト、インド、ドイツ、パキスタンの大使も決まっていない。
共和党のクルーズ議員、クルーズ議員が邪魔しているとPoliticoでは酷評されているが、どういう状況であれ外交まわりの要職がまだ就任していないのはバイデン政権の外交にとってはマイナスだ。

1. NDAAの進捗

国防権限法案が認める国防予算総額は$7700億が既に可決しているが、上院ではまだ可決していない。ただ、これ以上の討論や修正案も予定されていない。あとは投票にかけるのみのはず(引用元:ロイター

2. Build Back Betterの話

身も蓋もない話だけど、 民主党上院議員たちは、マンチン議員はクリスマス前にBuild Back Betterに賛成票を入れないと考えているようです(The Hill)。 シューマー院内総務含む48名の民主党議員は、マンチン議員とシネマ議員を説得できないということだ。
今週、バイデン大統領とマンチン議員が協議予定ですが、そこで何か進展あるかもしれないので注目ですね。ただ、バイデン大統領は竜巻で被害を受けたKY州などの視察などが急遽入るので、時間を作れるかですね。

3. 債務上限引き上げの整理

債務上限問題は、12月11日に無事大統領が署名したため解決しました。

まず、債務上限に関しての投票は、フィリバスターを1度だけ使わない(50票で可決を承認)で済む法案を可決させました。
そのうえで、債務上限の手続きを早める条項を、PAYGOによる歳出自動削減を防ぐメディケア法案に組み込んで可決させているんですね。で、上院院内総務が、2021年12月31日までに特定の金額による債務上限引き上げを記入したうえで法案提出し、来年1月15日には動議開始には入りなさいよとなっている。上限額が空欄だったので混乱しました…

https://www.congress.gov/bill/117th-congress/senate-bill/610/text

債務上限についてはマコネル議員とシューマー院内総務のクローズドな話し合いで12/1には合意していたとPOliticoが報じている。党幹部も12/7まで知らされていなかったという驚きの出来事だった。ただし、 今回の合意のポイントは、債務上限を解除する具体的な金額を民主党議員が投票しなければならなくなったことにある。 そもそも、共和党マコネル議員は「債務上限引き上げするなら、民主党単独で勝手にやれ」と発言していたわけだ。
共和党としては、非協力的な対応をして金融市場を混乱させて非難を被るよりも、「民主党がこんなに借金増やした!」と選挙のネガティブ広告に利用することを選んだということですね。
シューマー上院院内多数党総務は、財政調整法案を利用するとBuild Back Betterで利用できなくなるので、それは是が非でも避けたかったということでしょう。