米議会の長かった夏期休会(といっても地元では活動している)も終わり、本日から3日間だけ上院議会本会議は再開。本格的には来週からですね。
下院議会は先週から委員会活動を再開しています。
先週書いたものを一部再掲しますが、9月の課題は山積みです。
特に、「3.債務上限引き上げ法案 」は米国債デフォルト危機を招き、「4.2022年度年度予算」については政府閉鎖を招きます。
1. $3.5兆(10年間で)の財政調整法案
9/15までに各委員会は予算提示をするよう指示をしています。
マンチン上院議員は$1~1.5兆の経済対策を支持
2. インフラ法案(新規支出は上院では$5500億/下院では$7600億)
9/27までに可決する予定(規則に明記してある)
3. 債務上限引き上げ法案
10月までは大丈夫…?
民主党指導部は単独法案で可決したい意向だが、共和党の協力はない
4. 2022年度年度予算(10/1から2022年度予算になる)
9月末には、つなぎ予算を可決する必要がある。そうしないと政府閉鎖。
$3.5兆(10年間で)財政調整法案の進捗
民主党マンチン上院議員が改めて$3.5兆経済対策(Build Buck Better)に予算規模に反対しています。マンチン上院議員がサポートできる予算規模の$1~1.5兆の規模に縮小して法案は可決すると私は考えています。
下院の各委員会が出した予算や、民主党上院議員が主導した上院委員会からの予算を真に受けないようにした方がいいと私は思うわけです。
現に、自社株買いへの増税だーとか出てきても、株価は反応していないようなので気にしていないのかなあと。
ちなみに、マンチン上院議員の主張は以下の通り
・キャピタルゲイン税は21%→28%が妥当
・法人税は21%→25%が公正
・債務を増やすことはしないと強い主張。
しかも、彼が実現したいことを並べると全然民主党の方向性と違うし…
(参照元はWPね)
・A smaller child tax credit
・Limits on pre-K
・Limits on free community college コミュニティカレッジ無償は制限必要
・Less money for home care
・Lower tax rates for corporations 企業へは減税したいのね…
・protect the fossil fuel industry やっぱり化石燃料企業は保護したいと
一方で、各委員会委員長がだしてきた予算は、今後の参考にもなるため、少しまとめてみます。
まず、下院各予算委員会に割り振られた予算。大きい予算でいくとこの3つをみておけばいいでしょう。あとは、歳入委員会(税制)のWay & Meansですね
・ Education and Labor
・Energy and Commerce →9/13 マークアップ予定
・Financial Services →情報なし
① 下院 Education and Labor 委員会予算案 マークアップ済
◆以下2点に$4500億
・保育従事者に高い賃金を提供
・3歳と4歳のprekindergarten無償化
◆以下3点に$1100億
・コミュニティカレッジ2年間の学費無償
・ ペル・グラント(連邦政府の奨学金)増額
・黒人が多い大学などに対して学生負担が減るような投資
◆老朽化した公立学校の再建 $820億
◆気候変動を中心とした事業の労働者を育成 $800億
◆子どもへの給食無償提供など子どもへの食糧援助 $350億
② 下院エネルギー・商委員会から提出された予算案 $4865億の予算規模
※9/13午前にマークアップ予定。
・鉛製給水管の交換プロジェクト $300億
・低所得の水道利用者の滞納金や水道料金の削減を支援 $5億
・EV充電設備(EVSE)のために$数十億
・発電事業者は、発電のクリーン電力比率が前年比△4%になると1Mw/hの発電あたり$150の助成金を受け取ることができる
・高効率の天然ガス暖房・換気・空調・冷房(HVAC)システムおよび給湯器に対する家庭用エネルギー効率改善のためのリベートを提供
・集合住宅所有者に対し、電化プロジェクトへのリベート提供 $90億
③ 下院歳入委員会(Way & Means)から提出された予算案
※9/14 午前にマークアップ予定なので変更の可能性あり
・$43.5万以上の所得者の最高税率を37%→39.6%
・大企業の法人税率引き上げ 21%→26.5%
・中小企業の法人税引き上げはない、あるいは引き下げ
・キャピタルゲイン税率引き上げ 23.8%→28.8%
・$500万以上の所得者への3%の追加課税 ($1270億の歳入を見込む)
・タバコとニコチンへの増税($1000億の歳入を見込む)
・10年間で総額$2.9兆の歳入を見込むと委員会は主張している。
・2021年に実施されているchild tax creditを2025年まで延長。
・風力・太陽光発電を2031年まで100%税額控除(生産税 PTC)
・エネルギー効率の高い一戸建ての新築住宅に対して$2,500の税額控除
・メディケアパートBの薬価上昇率がインフレを超える場合、医薬品メーカーに強制的なリベートを設定
・処方薬のリベートに対するセーフハーバー保護の廃止と新たなセーフハーバー保護の創設
などなど。たくさんありすぎて列挙できない。
引用元: https://www.washingtonpost.com/us-policy/2021/09/12/manchin-sanders-reconciliation/
https://thehill.com/policy/energy-environment/571803-ways-and-means-committees-reconciliation-portion-includes-solar
https://waysandmeans.house.gov/media-center/press-releases/chairman-neal-announces-additional-day-markup-build-back-better-act
Way and Meansも、 Energy and Commerce も現段階の概要だと長文すぎるので、マークアップ完了したら、わかりやすくまとめてくれた記事がでてくるでしょう…