6/6-12 米議会スケジュール・米議会の最新動向

【1】米議会下上下院スケジュール

上院議会は6/7(月)から本会議再開。
現在の上院議会では優先度が高い法案が以下3つ。
①警察改革法案
②選挙改革法案
③Endless Frontier Act/U.S. Innovation and Competition Act
④バイデン大統領で指名された高官の承認

②については、民主党のマンチン上院議員も一部条項には反対しているので
①は共和党との交渉がまだ必要。③については大枠は一致しているが、細かい条項についてまだ調整が必要。どの法案を本議会で取り上げるかはシューマー院内総務次第なので、まだ未定といったところです。④は粛々と進む。

また、先週は、Senate Parliamentarianマクドナウ氏が、財政調整の修正について正式に判断した。数カ月前、簡易的に「何度も修正できるかもね」と回答していたが、今回は正式な判断が下された。
・財政調整法案は、その年度につき1回だけ修正が可能
・現在、予算決議が委員会で可決しないと本会議に取り上げられない。
→ 上院予算委員会は両党が11対11なので、 きわめて難しい
(参照元:Politico

民主党幹部は2021年度の修正と、2022年度の財政調整法を利用して$6兆を支出しようとしていたから、今回の判断はかなり痛手になる。なので、どうやって $6兆もの予算をさばくか再考しなくてはならないのだ。

また、そもそもマンチン上院議員が財政調整法案をつかってインフラ投資法案を進める気がないと改めて発言している。「財政調整法案をつかって予算を決めるよ~」ということさえも下院では過半数、上院では50票必要になるので民主党議員が1人でも反対に入れると財政調整法案を使えない事態になるのだ。引き続き、マンチン上院議員の動きには注意が必要(参照元:Tweet

次は下院委員会。 下院議会は6/14から本会議で今週は委員会活動。
下院委員会ヤーマス委員長は先月末の段階で、まだ民主党幹部から財政調整法案可決に必要な予算決議の支持はでていないと発言している。予算決議作成にむけて動いていないということだ。

さて、一方で、委員会レベルではインフラ法案あるいはAmerican Family Planの一部に構成される法案作成はもちろん粛々と進んでいる。
先週、下院議員については遅れていた交通・インフラ委員会からやっと予算が提示された。こレガシーなインフラ投資(道路、橋)などは民主党の方が少ないということが発覚。

民主党交通・インフラ委員会の提示された法案( INVEST in America Act)は以下の通りで、5年間で$5470億の予算をたてている。
・道路/橋/安全対策 $3430億
・輸送 $1090億
・貨物/旅客鉄道 $950億
(EV充電インフラ $40億→エネルギー下院委員会で配分されてるやつかも)
※CO2排出量削減が遅れている州には、より多くの資金を投入。進んでいる州には、連邦政府資金を柔軟に利用可能。
※イヤーマークが$148億
※歩行者・自転車にとって危険な場所の対策を講じることを各州に義務づける
(参照元:WPRollcall

尚、共和党の最新提案では新たに$9,280億(8年間で)インフラ案は以下の配分
・道路/橋梁 $5060億
・公共交通機関 $980億
・旅客/貨物 $460億
・港湾/水路 $220億
・空港 $560億
(参照元:Politico

【2】バイデン政権

<国内>
①バイデン大統領は、月曜日も共和党のカピト議員と協議予定。
金曜日にいきなり「共和党の案を受け入れる気はない」と強気発言しているのは、プログレッシブから圧力かかったんだろうなあと推察していますよ。
まぁでも、「UNITE」と呼びかけているくらいだから、結論は決まっていても歩み寄る姿勢(演技)は、行政府側として見せないといけないですからね。

<国外>
来週からNATO会合で欧州に渡航予定です。プーチン大統領とも会合予定らしいが、決定したんだっけ?
それに向けて、WPに寄稿して「My trip to Europe is about America rallying the world’s democracies」なんて書いていますね。

中国をはじめとしたグローバルな課題に対して米国と欧州の連携を呼び掛けているけど、 欧州も国内の状況みながらバイデン大統領がどう出るか見極めたいところだろうね。
先日書いたように、欧州との関係改善の一つとして前政権時代に実施した鉄鋼とアルミニウムの輸入関税を撤廃したいものの、米鉄鋼労組や鉄鋼製造業協会などの業界団体・労働組合は関税維持するよう圧力をかけているわけです(引用元:The Hill) 。国内の労働組合の主張を保護すれば、各国との関係改善は難しくなるだろうし、一方で、各国との関係改善しようとすれば、強力な支持層である労働組合から見放されるだろうし、難しい舵取りですね。

While in Brussels, I’ll meet with the president of the European Commission and the president of the European Council to discuss how the United States and Europe can work in close coordination on global challenges. We will focus on ensuring that market democracies, not China or anyone else, write the 21st-century rules around trade and technology. And we will continue to pursue the goal of a Europe whole, free and at peace.

https://www.washingtonpost.com/opinions/2021/06/05/joe-biden-europe-trip-agenda/

<ブリンケン国務長官の動きと発言>

ブリンケン国務長官は、先週は、コスタリカに訪問していたんだね。さらに、中南米の外務大臣たちとも会合を設ける。
また、6/3には安全保障と不法移民の問題に対してメキシコ外務大臣とも会談。
6/4にはイスラエル外務大臣とも会合。
6/5には、バングラディシュにワクチン供給したことをアピール
6/6には、77年前に民主主義と自由を守るためにノルマンディー上陸。

6/4の天安門事件にもきちんと言及してますな。

【3】経済スケジュール

米債の入札スケジュール