米国株式市況/コロナ追加経済対策はペロシ、マコネル、シューマー、マッカーシーの4者会談で前進

【NYダウ】30,199.31 △1.13%  
【NASDAQ】12,595.06△ 1.25%
【 S&P500】12,595.92 △1.07%        
ラッセル2000種指数 1,959.763△2.40%
VIX恐怖指数  22.89↓
米30年債利回り 1.654↑
米10年債利回り 0.911↑
米2年債利回り 0.121↑
2年債と10年債の利回り差  80BP ↑
WTI原油先物 47.55 8:03JST
フィラデルフィア半導体指数:2774.79△1.41%
ブルームバーグ ドル・スポット指数 :1,126.16▼0.44%  
LQD   137.45 △0.20%  
HYG  86.97△0.31%  
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100  2,329.75 △0.07%   [12/14]
米取引所の合算出来高は100億株。過去20営業日の平均は115億株。
AAPL 127.88△5.01% (52週最高値 137.98 )
AMZN 3165.12△0.26%(52週最高値 3552.25)
GOOG 1847.20△0.44% (52週最高値 1847.20)
MS   214.13▼0.03% (52週最高値 232.86) 
FB   275.55△0.50% (52週最高値 304.67)
NVDA 534.42△0.39% ( 52週最高値 589.07)
TSLA 633.25▼1.03%(52週最高値 654.32)

まずは欧州。欧州医薬品庁(EMA)が新型コロナウイルスのワクチンの承認を決める会議を前倒しで21日に実施予定。スムーズにいけば、年内接種開始。
ロンドンでは警戒レベルが最高に引き上げられている。
Europe Stoxx 600   392.84 +0.99 (△0.25%)
FTSE100  6,513.32 ▼0.28%

米国経済指標発表やイベント
・ 11月米鉱工業生産指数は前月比△0.4%
・ 12月NY連銀製造業景況指数 4.9 (前月6.3)←過去4か月で最も低い水準
・本日からFOMC開催。明日明け方に記者会見。

米国市場オープニングは、S&P500は△0.7%、ナスダック総合指数△0.78%上昇でスタート。
「iPhone」の生産計画を前年同期比30%増の最大9600万台とする方針を取引企業に伝えていると日経が報じたことで、アップルは大幅高



東部標準時間に、共和党・民主党のトップ会談が夕方に開催されることが伝わり、株価は更に上昇していく。東部標準時間16時に1時間弱、 ペロシ下院議長は、 マコーネル多数党上院院内総務、シューマー少数党院内総務、マッカーシー下院少数党院内総務の会談が実施された。この会談より前に、ペロシ下院議長とムニューシン財務長官は電話協議を実施している。
また、日本時間9時半から再度この4者会談が実施される予定。
まぁ話し合いもしないで相手のせいにしているよりは、よっぽど前進していると思われる。合意に至るかは正直、民主党次第だろう。

確かに期待は高まっているだろうけど、マコネル上院院内総務の発言をみても何かの合意があったというわけではないね。
また、今回の動きはどちらかというとそれぞれの党内部から合意に向けた圧がかかったんだろうなと。超党派が7480億ドル(PPP、4月までのPUA延長を含めた失業給付増額)と、1600億ドル(企業・学校への免責事項と、州・地方政府への財政援助)を提出している。この超党派案には、共和党からのメンバーは常任委員会委員長に入っているようなメンバーが入っていないが、民主党からはクリス・クーンズ議員などが入っている。WPに書いてある通り、どちらかというと民主党上院議員からの法案化に向けた圧力が高まっている気がする。
ペロシ下院議長とシューマー少数党院内総務のリーダーシップが揺らいでいるので、まあそういう動きがでてきてもおかしくはないだろう。

“We’re still talking to each other, and I think there’s an agreement that we’re not going to leave here without the [spending bill] and the covid package,” McConnell said after leaving the meeting. “We’ll get an agreement as soon as we can agree.”
(中略)
The renewed momentum behind a deal comes as senior Democratic lawmakers indicated a greater willingness to compromise and a forceful push by a bipartisan group of lawmakers to pass a relief bill before the Christmas recess.

引用元:ワシントンポスト

さて、GA州上院選前にはコロナ追加経済対策は法案化しないと主張し続けているが、実現する可能性があるとすれば、民主党(というよりペロシ下院議長)が共和党案を受け入れることだろう。マコネル上院院内総務は免責事項を盛り込まなくてよい、その代わり、州・地方政府への財政援助を今回は捨てろと譲歩案を出しています。これを民主党が受け入れるかでしょう。
民主党案に対して、共和党が受け入れるかはフリーダムコーカス議員が鍵を握っているだろうが、彼らがどうしたいか主張がないから全然わからない。


マコネル上院院内総務がバイデン次期大統領に祝意を示したが。

また、マコネル上院院内総務がバイデン次期大統領に当選の祝意を表明。ここでのポイントは二つある。
一つ目は、1/6に連邦議会上下院で大統領当選を確定させる時に、州選挙人投票結果に対する異議申し立てを行わない方針を示したことだ。トランプ派の議員は、すでに州選挙人投票結果に対する異議申し立てを企てている。しかし、上下院議会で投票が必要なので過半数とれなければ異議は認められない。
これをマコネル上院院内総務が示唆したということは、ほぼバイデン次期大統領で確定になる。ま、トランプ陣営が「トランプ連合」などを樹立して合衆国から離脱とかいう可能性は残るかもしれないけどねw

二つ目は、 祝意を表明したものの、次期政権のイニシアチブに協力していくかどうかについては言及しなかったことだ。
バイデン上院議員時代に、マコネル上院院内総務もすでに上院議員だったが、決して友達みたいな関係だったわけではない。上手くやっていたこともあるかもしれないが、当時とは立場も違う。マコネル上院院内総務はケンタッキー州の代表という側面が基本にあり、共和党の代表であるという立場がある。自分たちの利益に敵う議案なら通過するだろうが、そうではないものは取り上げないだろう。
また、もう一つの問題は、マコネル上院院内総務とバイデン次期大統領がうまくコミュニケーションとれたとしても、共和党内部のティー・パーティー議員(小さな政府を目指す)と上手くリレーションとれるかはまた別問題だ。

尚、バイデン次期大統領の上院議員時代に超党派でコミュニケーションとれた人物は、もはや連邦議会にいない。ほぼ引退しているので、バイデン次期大統領が議会とリレーションとれるかははっきりいって未知数だ。まぁトランプ大統領よりは議会というものを理解しているし、誰かホワイトハウスと議会の連絡係みたいな人物も最初はクリス・クーンズ民主党上院議員がつとめるだろう。