米国の電気料金の平均価格は、キロワットアワーあたり10.54セントであり、多くの州が7.71セント~12.96の範囲におさまっている。しかし、ハワイ、アラスカ州はその2倍近く高い料金になっている。また、いわゆるニューイングランドエリアの州は軒並み高い料金になっている。西側ではカリフォルニア州が16セントを超えている。
電気料金小売平均価格が高い5州と、安い4州を掲載した。
Average retail price (cents/kWh) | Net generation (MWh) | Total retail sales (MWh) | |
HI | 28.72 | 9,749,998 | 9,452,887 |
AK | 20.22 | 6,070,843 | 5,818,805 |
MA | 18.40 | 21,515,636 | 51,336,598 |
RI | 18.49 | 7,624,403 | 7,349,915 |
CA | 16.89 | 201,784,204 | 250,378,710 |
WA | 8.04 | 106,463,608 | 91,052,796 |
ID | 7.89 | 18,407,812 | 23,985,275 |
OK | 7.86 | 85,216,501 | 64,795,946 |
LA | 7.71 | 100,174,762 | 93,128,525 |
EIAによると電気料金を決める要素は主に5つ。
①燃料:特に天然ガスと石油燃料(主にハワイとアラスカ)の燃料価格
②発電所の費用: 資金調達、建設、保守、および運用の費用
③送配電システム: 建設、運用、保守のコスト
④気象条件: 風力、水不足等になると水力・風力発電の補填を化石燃料で補うなどがでてくる。
⑤規制:一部の州では、 公益事業委員会が価格を完全に規制。
①ハワイ州とアラスカ州
まず、ハワイ州とアラスカ州がなぜここまで電力が高くなるかは、燃料で説明できる。ハワイについては電力生産の燃料を67%も石油に頼っていて、天然ガスを利用できていない。この石油価格利用については、アラスカ州も17%頼っている。これは、アラスカの農村州が 電力を主にディーゼル発電機に依存していることが由来するようだ。
②マサチューセッツ州・ロードアイランド州
マサチューセッツ州では、発電の2倍量も電力を消費している。また、天然ガスによる発電に著しく偏っており8割を占める。ロード・アイランド州に至っては9割が天然ガスだ。
また、どちらの州も天然ガスが埋蔵しているわけではないので、LNGと コネチカット経由 パイプラインで受け入れている。2019年に米国のLNG総輸入量の3分の2 がマサチューセッツ州のエベレットにあるターミナルで受け入れてる。不足電気は、近隣の州で生産された電力を融通してもらっている。
尚、コネチカット州は 純発電量の4割はミルストン原子力発電所からで、6割が天然ガスによるものだ。
③カリフォルニア州
カリフォルニア州のエネルギー消費は全米2位で、自動車走行距離に至っては全米1位になる。そのせいか、エネルギー消費も4割が輸送によるものだ。全米平均では11.1%なので、かなり高いといえる。
また、電力生産についても特徴的で、再生可能エネルギーで4割も生産している。水力を除く再生可能エネルギー比率は全米1位だ。
カリフォルニア州は電力使用の25%を州外から仕入れている。主には、アリゾナとユタ州の発電所から仕入れている。仕入れ量は全米の中でもトップクラスとなっている。先に書いたマサチューセッツ州の2倍に匹敵する。