米国株式市況/2020年第2Q収益予測は前年比44%だけど、株価の行方はFRB次第

【NYダウ】 26,075.30 △1.44% +369.21 [07/10]
【NASDAQ】10,617.44 △0.66% +69.69 [07/10]
S&P500        3,185.04 △1.05%
ラッセル2000種指数    1,422.679 △1.70%
米30年債利回り 1.336
米10年債利回り 0.646
米2年債利回り 0.173
Fear & Greed Index 60↑(Greed)
VIX恐怖指数    27.29↓
WTI原油先物  40.57↑7:50JST
フィラデルフィア半導体指数:2069.79▼1.84%
ドルインデックス:96.66↓
ブルームバーグ ドル・スポット指数 : 1,209.30 ▼0.12%
MSCI US REIT IDX : 1,008.17 +4.85 (△0.48%)
ブルームバーグ商品指数トータルリターン   142.1855 △0.44%
iShares iBoxx $ Investment Grade Corporate Bond ETF  135.87▼0.18%
iShares iBoxx $ High Yield Corporate Bond ETF    82.21△0.34%
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100  2,202.53 ▼0.03% [7/9] 
バルチック指数  1,810.00 ▼2.11% [7/9]
米取引所の合算出来高は95億7000万株。直近20営業日の平均は119億3000万株。
AAPL 383.68△0.25% (52週最高値 385.27 52週最安値170.27 )
AMZN 3200.00△0.55% (52週最高値 3215.00 52週最安値1626.03 )GOOG 1541.74△2.04% (52週最高値 1543.83 52週最安値1025.00 )
MS   213.67▼0.30% (52週最高値 216.38 52週最安値115.52 )
NVDA 419.17▼0.28%( 52週最高値 422.80 52週最安値132.60 )
FB   245.07△0.23% (52週最高値 247.65 52週最安値137.10 )
NFLX  548.73△8.07% (52週最高値 555.88 52週最安値252.28 )
TSLA  1548.92△10.78% (52週最高値1548.92 52週最安値176.99)

日本時間での米指数先物は、木曜日の終値よりもマイナスでスタートしていた。
しかし、オープニング前にギリアドからポジティブなニュースが流れて反発していった。

オープニング前の経済指標は、 6月の米生産者物価指数(PPI) :参照元
・PPIは、前月比0.2%低下
・ 食品とエネルギー、貿易サービスを除くPPIは前月比△0.3%(前年同月比▼0.1%)
・ エネルギー価格が7.7%上昇
・ 食品価格は5.2%の低下。食肉価格が27.7%低下

スタグフレーションが懸念されていると思うんだが、物価上昇は今のところないみたいね。
また、食肉工場内でパンデミックが起きて閉鎖になったりしたので食肉価格高騰を心配されていたが、そんなことはないのね。食品価格下落というのが意外。

オープニングでは、S&P500とナスダックは、前営業日とほぼ変わらずでスタートして、一時マイナスに転じる場面もあったが、その後、上昇の一途を辿った。
チャート的には、S&P500はゴールデンクロスで強気のシグナルがでてきたってさ。

セクター別では、金融セクターが上昇。 銀行株は来週から決算発表に入るので、決算前の動向といえば、そうなんだけど、ちょっと理解できぬ。 Refinitivによると、金融セクターでは52%以上の利益の減少が見込まれているようです。
エネルギーセクターも大きく上昇。

個別株では、アマゾン(時価総額1.596兆ドル)テスラ(時価総額2865億ドル)、ネットフリックス(時価総額2413億)で過去最高値更新。
エヌビディア(時価総額2578億)なので、テスラが抜いてしまったのか。そしてネットフリックスも追い抜かしそうですね。
グーグルも過去最高値更新したのかな(時価総額1.055兆ドル)
1兆ドル企業の”MAGA”ですね。
昨日はアップルの話がでたけど、マイクロソフト、アマゾンが数カ月以内に時価総額を追い抜くのではと考えています。


FRBの資産買入状況

ポイントとしては、
・330の発行体を社債流通市場で調達。個別社債合計では15.9億ドル保有
・社債取引所上場ファンド(ETF)に79億7,000万ドルを保有
・ FRBは流通市場で行われた社債購入のペースを1日あたり約3億ドルから1日2億ドル弱に減らしており、市場の状況が改善し続けると購入を完全に停止する可能性がある。

In all, the Fed’s portfolio included 330 issuers, led by $26.9 million of Verizon Communications (VZ.N) bonds, $26.3 million of AT&T Inc(T.N) bonds, and $25.5 million of Apple bonds.

The Fed also held $7.97 billion in 16 corporate bond exchange traded funds (ETF), the data showed. Roughly half of the corporate bond ETF shares purchased went to funds owned by BlackRock, which is managing the Fed’s corporate credit facilities. BlackRock waived asset management fees on ETFs purchased on behalf of the Fed.

The Fed has reduced the pace of corporate bond purchases made in the secondary market from about $300 million daily to slightly less than $200 million a day, and it could stop the purchases entirely if market conditions keep improving, Daleep Singh, executive vice president of the New York Federal Reserve said this week.

https://jp.reuters.com/article/usa-fed-bonds-idJPKBN24B30M?il=0
https://www.reuters.com/article/us-usa-fed-bonds-idUSKBN24B2A5?taid=5f08c799ad0db1000109ef54

このFRBが買い入れしている社債。FRBが社債買い入れするよん~っていうもんだから、過去1ヵ月で投資家たちが1日当たり平均10億ドルも資金投入してきたわけですよ。そりゃFRBが買ってくれるんだから安心ですものね。そうしたら、かつてない社債利回りに突入してしまったというわけです。社債が過去最低の利回り2.04%をマークしてしまったと!

この2.04%がどのくらいすごいかというと、この中長期のグラフ。1990年からの社債利回りをみていくと、リーマンショック後にFRBが資産買入して4兆ドルちかくにした時でさえ5%前後あって最近まで3~4%は推移していた。なのに、2%ですよ。これって恐ろしいことですよ。
この利回り急落もあって、FRBが社債買い入れを減らすかもしれないと話が出てきているようですね。
米国債10年債利回りって0.6%、米国債30年債でさえ1.3%とかうろうろしているわけですよ。こんなに利回りが厳しくなるなら、株式にいきますよ。さらにいうと、そりゃ多少リスク資産に手を出すしかなくなってきますよね。地銀と同じ道を歩んでいる気がします。

一方で、株式の収益についても述べておく必要がある。
2020年第二四半期の利益は前年比44%減と予測されている。44%減!
これ株式数が変わらなければEPS大幅下落するよなあ。

とはいえ、利益をうみだせなくても関係ないのかもしれない。
昨日、Fedのバランスシートが7兆ドルを割り込んだと書きましたが、株価はFRBの資産買入状況次第かもね。そうなると、FRBが資産を増やすかどうかで株価上昇するか下落するかになるのでしょう。