落選ほぼ確実といわれている共和党3議員
●アリゾナ州のマーサ・マクサリー( Martha McSally) 上院議員
●コロラド州のコーリー・ガードナー(Cory Gardner) 上院議員
●メイン州のスーザン・コリンズ(Susan Collins ) 上院議員
まず、この上院議員3名は民主党候補に負けるとみなされている。共和党もマーサ・マクサリーと、スーザン・コリンズは見捨てている感がある。
この時点で、現在の53議席から3席も失って50議席になる。もうこの時点で、共和党上院の法案は過半数を超えていないので通過しにくくなる。
さらにいえば、共和党の中でも、ミット・ロムニー議員(ユタ州)、リーサ・マーカウスキー議員(アラスカ州)はトランプ大統領に対して牙を向けているし、共和党案に反対票を入れる可能性さえある。
当選が厳しいといわれている共和党5議員
まず、カンザス州は共和党があてにしていたポンペオ国務長官(元カンザス州下院議員)がカンザス州から出馬しないと決めたようなので、あてが外れた。今はまだ共和党内での予備選挙中だが、民主党の方が少しリードしている。
続いて、ノースカロライナ州の最新調査をみてみよう。
ノースカロライナ州は、トム・ティルス Tom Tills上院議員が二期目をかけて戦う。 前回の記事も書いた通り、共和党は、 ノースカロライナ州だけで約2200万ドル相当の広告を今秋におさえていて、手元資金もCal Cunningham民主党候補者よりも有利な状況だ。Public Policyの方がサンプル数が多い(約1000)んだが、こちらの方が民主党候補者がリードしている。しかし、Civitas調査ではTills候補の方がリードしている。まだこちらはどうなるかわからない。
尚、ノースカロライナ州もスウィング州であり、2008年はオバマ候補が勝利、2016年はトランプ大統領が勝利した。
続いて、アイオワ州。 アイオワ州 ジョニ・エルンスト Joni Ernst 上院議員 がこれまた2期目をかけた再選挙だ。アイオワ州はどちらかといえば共和党寄りの州だが、オバマ時代は民主党が勝利し、トランプ大統領では共和党が勝利したスウィング州でもある。なんとアイオワ州では、すべての調査で民主党候補者グリーンフィールド候補がリードしてしまったのである。 最新調査はどれもサンプル数約900~1000。
対抗馬の Theresa Greenfieldは、裕福でない農場で育ち、ご主人を不慮の事故でなくしてシングルマザーとして働いてきた経験をもつ女性(今は再婚した)。州議会経験や連邦議会経験なしで、上院議員立候補って珍しいな。
次に、ジョージア州。ジョージア州こそ赤い州だ。
David Perdue 上院議員 が2期目をかけて再選挙となる。5月に行われた二つの調査では、片方がリードしているが、もう一方では負けている。こちらもまだわからないだろう。対抗馬のJon Ossoff候補者はジャーナリスト出身なんだね。資金集めがどうなんだろうね。
最後にモンタナ州。
スティーブ・ダインズ Steve Daines 上院議員も2期目をかけた再選挙だ。ちょうど1ヵ月前の調査では、民主党候補はSteve Bullock現モンタナ州知事。2013年からモンタナ州知事を務めているというが、モンタナ州って大統領選では赤い州だと思うんだけど、州知事は民主党だったというのが意外…。
上院も共和党が多数党を失う可能性が大きくなってきた
ひとまず、3議員減らすことで50議席になるが、クローシャーを阻止できるためには民主党は60議席が必要だ。これを見る限り、あと5議席ほどは失いそうだが、さすがに民主党が60議席を確保するのには無理があるとみえる。 だとすると、クローシャーを防止できないし、上院で3分の2の支持を得ることが必要な決議についてはすんなり通過するのが難しくなりそうだろう。
しかしながら、ロムニー議員、 マーカウスキー議員は民主党寄りの意見を示すこともあるので58議席を民主党(無所属を含む)が獲得すれば、話が違ってくる可能性がある。となると、あと議席を失いそうなのが誰かということだろう。まだわからないが。