株式市況/給与保護プログラムPaycheck Protection Program 第二ラウンド進捗

日本先物市場、 アジア市場、欧州市場

【CME日経平均先物:円建て】19,435 (+45) 日経比:-184 7:28JST
【為替ドル円】 106.71 ▼0.02% -0.03 [07:41]
The Japan 5 Years CDS value is 32.3 (last update: 4 May 2020)

【上海総合指数】 2,860.08 △1.33% +37.64 [16:12]
ハンセン指数    23,613.80 ▼4.18%
MSCI Emerging Markets 887.98↓  [5/4] 
Europe Stoxx 600   328.44 -8.95 (▼2.65%)
REIT Europe    1,262.71 [4/30] 
バルチック指数       617.00  ▼2.83% [5/1] 

香港の不動産価格

香港のGDPが大きく下落して四半期では8.9%の下落となった。 香港は中国本土からの観光客で小売りは潤っていたし、中国本土からの不動産買いで不動産が高騰して世界一の不動産価格になってしまっていた。ところが、COVID19で事情が変わってしまった。

項目ごとにみると、GDPの7割弱を占める民間消費支出が前年同期比10.2%減と大きく落ち込んだ。政府が新型コロナ対策で域外からの入境を制限し、高額消費の担い手である中国本土からの観光客が激減した。企業活動にも響き、設備投資など固定資本形成は同13.9%減少した。
8.9%という前年同期比の減少率は、アジア金融危機に見舞われた1998年7~9月期(8.3%減)や、リーマン・ショック直後の09年1~3月期(7.8%減)を上回った。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58778460U0A500C2FF8000/

日経新聞には観光客は激減と書かれているが、3月になっても中国本土からの香港に来訪した人はほぼいない。3月時点では前年比99%減少で、ほぼシャットダウンされたままなのである。
経済的なダメージがあちこちで出ているが、不動産に注目したい。ブルームバーグによると1-3月で中国本土からの不動産買いが0になった。ゼロ。2017年などは35億香港ドルもあったのに。
どうやら、入国規制とともに、資本規制も強化されていることが要因だともされている。香港オフィス価格は年初から8.5%の下落、富裕層向け価格は4.5%ほどの下落をみせている。下落しつつも、まだまだ高い水準だが、中国本土からの客が戻ってくるかは、公表される経済データが怪しい中国本土の経済動向を知るうえで重要な手掛かりになることは間違いないだろう。
尚、マカオのカジノは再オープンしたが客が戻ってこないようだ。MGMは株価が年初来55%下落している。マカオの収益が65%をしめるラスベガス・サンズは年初来35%下落して低空飛行なのでまだまだ反発するまで遠い道のりだ。

Mainland Chinese buyers are shying away from real estate in Hong Kong as the coronavirus pandemic clouds the economic outlook and keeps investors from traveling to the city.

Capital controls imposed by Beijing on money flowing out of China are also hurting real estate in Hong Kong, Yan said.

https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-05-03/mainland-chinese-buyers-disappear-from-hong-kong-real-estate?sref=lw8NgS9l

ところで、中国のドル建て債務は約1兆ドルほど存在する。 ブルームバーグの集計データによると、利回りが現在15%以上のオフショア債86億ドル相当が2020年に償還を迎えるとのことだ。元建てなら、PBOCが信用創造して、銀行を通じて融資されれば、生きながらえる。しかし、ドル建てになると、ドルを調達しなくてはならない。市場で調達できなければ、銀行で融通しなくてはならないのだ。そうなると、外貨準備が減少するはずだ。その中国外貨準備高の発表は5月7日になる。また、更なる資本規制を実施しているようなので、その点でも、中国外貨準備高は加速して減少するかもしれない。しかし、まだ3兆ドルほども外貨準備があるのだ。

中国企業の1~3月の外貨建て社債の発行額は前年同期より3割減った。外貨建ての借金の返済原資を市場で調達できなければ、市中銀行を通じて外貨準備から企業に融通することになり、結果として外貨準備が減る。
中国は15~16年に深刻な資本流出を経験し、外貨準備もピーク時の4兆ドル弱から17年初めに3兆ドルを割り込んだ。16年末になりふりかまわず資本流出を規制したことで、外貨準備の減少ペースに歯止めをかけた経緯がある。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57774410X00C20A4FF8000/

もう一つ気になる点がある。外貨建て社債発行が減少していることだ。その一方で、人民元建ての融資は急増している。個人向け融資も増加しているのだ。
中国の元はハードカレンシーではないので、世界での信用が薄い。急激な信用創造は、通貨安の懸念がでてくるのだが、年初は6.8のCNHだったが、今では7.12まで元安にふれている。オンショア元はほぼドルペッグされているが、結局のところ、ドルペッグを維持できるかは買い支えできるかなので、やっぱり外貨準備高がキーポイントになってきそうだ。

3月末時点の人民元建て融資残高は前年比12.7%増。2月およびアナリスト予想の12.1%増を上回った。
第1・四半期の銀行貸し出しは7兆1000億元となり、これまでの最高だった昨年第1・四半期の5兆8100億元を上回った。 (中略)
1─3月期の銀行融資は7兆1000億元となり、過去最高を記録。2019年第1・四半期の5兆8100億元以来の高水準だった。
ロイターが人民銀のデータから算出した3月の個人向け融資は9891億元に急回復した。2月は差し引き4133億元減少だった。

https://jp.reuters.com/article/china-march-loans-idJPKCN21S0U8

米国市場サマリー

【NYダウ】 23,749.76 △0.11% +26.07 [05/04]
【NASDAQ】8,710.72 △1.23% +105.77 [05/04]
S&P500  2,842.74 △0.42%
ラッセル2000種指数   1,263.969 △0.28%
Fear & Greed Index 44→(Fear) 
【W 【WTI原油】 21.15 ▼0.05% -0.01 [07:45]
ドルインデックス: 99.51 ↓
フィラデルフィア半導体指数 1661.30 △1.03%
米国30年債利回り:1.282↑
米国10年債利回り:0.638↑
米国 2年債利回り:0.200↓
米国3か月債利回り:0.11↓
United States 5 Years CDS 21  [5/4]
MSCI US REIT IDX : 955.28 -6.8 (▼0.71%)
ブルームバーグ商品指数トータルリターン   130.0627 △0.44%
NYFANG:IND  3,480.360 △1.75%
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100  2,111.50 ▼0.19%  [5/1] 
iShares iBoxx $ Investment Grade Corporate Bond ETF 1 128.54 △0.16%
BofA US High Yield Index Effective Yield  8.13↑[5/1] 
 ICE BofA BBB US Corporate Index Effective Yield  3.44↑[5/1] 
BofAML US High Yield CCC or Below Effective Yield 17.90↓ [5/1]
米取引所の合算出来高は約95億株。直近20営業日の平均は約121億株。
AAPL 293.16△1.41% (52週最高値  327.85 52週最安値170.27 )
AMZN 2315.99△1.31% (52週最高値 2475.0 52週最安値1626.03 )GOOG 1326.80△0.47% (52週最高値 1532.11 52週最安値1025.00 )
MS   178.84△2.45% (52週最高値 190.70 52週最安値115.52 )
NVDA 291.28△3.01%( 52週最高値 316.32 52週最安値132.60 )
FB   205.26△1.48% (52週最高値 224.20 52週最安値137.10 )
NFLX  428.15△3.10% (52週最高値 449.50 52週最安値252.28 )
TSLA  761.19△8.54%  (52週最高値 968.99 52週最安値176.99)
EQUINIX 675.97△0.76% (52週最高値 715.75 52週最安値446.04)

まずは、S&P500業種別。エネルギー業種が上昇。月間パフォーマンス(といっても、2日間だけだが)では21.52%も上昇しており、大きく反発している。尚、WTI原油価格も約22%ほど上昇していて、WTI原油価格とエネルギー業種は変動率がほぼ同じになっている。
一方で、工業株が最も下落しているが、航空株がのきなみ下落している。バークシャー・ハサウェイが航空株を手放したことがリリースされたことが要因だろう。

米国主要経済&政治スケジュール

5/1  ISM製造業雇用指数 (4月)
   バイデン大統領候補がランニングメイト(副大統領候補)発表予定
   →まだリリースでていない。セクハラ否定で時間をとられているようだ。
5/4 米国上院議員ワシントン戻る。
   本当に戻ってきた( ゚Д゚)
5/5  中国 レイバーデーが休場  
   サービス業購買部協会景気指数 (4月)
   マーケット総合PMI (4月)
   ISM非製造業指数 (4月)
5/6  中国Caixin(財新)サービス業PMI (4月)
   ADP非農業部門雇用者数 (4月)
    米国原油在庫量
5/7 中国外貨準備高 / 中国輸出 (前年比) (4月)
5/8 米国雇用統計(雇用者数、失業率)
5/11 米国下院、ワシントンにもどる予定

給与保護プログラムPaycheck Protection Program 第二ラウンドの進捗

4/27(月)から再スタートして数日で使い切るといわれていたPPPですが、5営業日経過した5/1時点で、まだ予算の半分ほど残っているようです。中小企業の中でも、上場企業や、PE、ヘッジファンドなどからの申請を規制した結果、1社あたりの融資額は平均79,000ドルになったようで前回よりも平均融資額は少ないとのこと。
ただですね、予算が余っているからよかったね~というわけではないんです。
まず、ワシントン・ポストによると第一ラウンドで4月前半に融資申込んだ人たちの8割はまだお金を受け取っていないようです。しかも、いくら融資されるか、最初の返済はいつになるか、融資免除になる金額はいつわかるのかなど細かい点が全然明白になっていないようで融資されるからといって安心できない状態が続いているようです。米国では連邦政府によるお金が動く時は、基本的には法案化する必要があるんですが、法案に融資額は決める必要があるけど、返済規定みたいなものは盛り込まなくても法案化できるということですかね…

 The program relaunched April 27 with an additional $320 billion, and the SBA and Treasury Department reported on Sunday that 2.2 million loans totaling $175.7 billion from more than 5,400 lenders have been processed, with an average loan size of $79,000 — much lower than the $206,000 average in the first round.
The totals, through May 1, mean less than half the additional funding remains available. The new data show that disparities in approvals among states in the first round of funding have been largely eliminated and suggest more smaller firms are getting loans.

https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-05-03/small-firms-still-in-dark-on-sba-loan-forgiveness-as-clock-ticks?sref=lw8NgS9l

原油生産量規制は州の権限

昨日、フォーリン・アフェアーズを読んでいて知ったのですが、アメリカでは原油生産量の規制する権限は、州にあるんですと。で、それでもっともよく知られているのがテキサス鉄道委員会(RCC)なんですって。アメリカ国内生産量の40%を占めるテキサス州の生産量を規制する権限をもつと。連邦政府に生産量規制権限がないって驚きです。とはいえ、この権限を行使したのはもう50年前。結局、今回は原油生産量規制せずに終わったということみたいですね。

一方で、クッシングがあるオクラホマ州は5/11まで、ノースダコタ州は5/20までに原油生産規制を行うかを決めるみたいです。

テキサス州のエネルギー業界を監督するテキサス鉄道委員会(TRC)のライアン・シットン氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、生産割り当てを通じた減産に関する採決をTRCは準備していないと表明した。この発言は、歴史的な原油価格急落の中で米国の州が石油輸出国機構(OPEC)型の強制的な減産を導入すべきかを巡り、1カ月半にわたり論争を呼んだ各社の対立に終止符を打ちそうだ。
(英語版)
While the debate over production caps may be sidelined in Texas, other states are still considering whether such a response is warranted. Oklahoma is scheduled to discuss quotas on May 11 and North Dakota will take up the issue on May 20. Still, those efforts are likely a long shot without Texas on board.

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-04/Q9TFJ7T1UM1K01