第5弾、新型コロナウイルス対策法案が5月4日から検討開始

これ以上、米国債務拡大を懸念する発言をしておきながら、コロナウイルス対策法案、第五弾を5月4日から検討開始するようだ。下院議員はすでにワシントンに戻ってきているが、上院議員は5月4日まではワシントンに戻ってこないこともあわせて意味する。また、5/25は米国は戦没将兵追悼記念日(メモリアルデー)のため5/22から1週間は休会するはずだが、それについては未定とのこと。

Senate Majority Leader Mitch McConnell (R-Ky.) said on Monday that the Senate will return to the Capitol next week — and he outlined GOP priorities for a fifth coronavirus relief bill.

https://thehill.com/homenews/senate/494861-mcconnell-senate-will-return-on-may-4-to-start-next-coronavirus-relief-bill

第五弾予算を検討する上で、ポイントは5つほどある。

1)State and local governments州政府・地方政府の財政支援

マコネル上院院内総務は「おカネがないなら、破産すればいいじゃないか」なんてマリー・アントワネット見たな発言していますが、全米州知事連盟は、追加で5000億ドルの支援が必要だと主張しています。
また、一部の共和党員は、民主党と超党派で5000億ドルの州政府への財政支援をするための法案を提案しています。

A pair of bipartisan senators is proposing that a $500 billion fund for state governments to use in response to the coronavirus outbreak be part of the next stimulus package passed by Congress in the weeks or months ahead.

https://thehill.com/homenews/senate/493594-bipartisan-senators-propose-500b-rescue-fund-for-state-and-local-governments

2)中小企業支援の変更
Changes to small business aid

シェイク・シャックを皮切りに、ヘッジファンドやPEにも支援していたとか、実にさまざまな大手企業に融資されていたことが叩かれて、返済祭りになっている中小企業融資制度。遂に、トランプ政権は、ヘッジファンドやPEが融資申し込みするのは禁止としたようです。
融資制度に制限を設けるかということも含めて、そもそもこの融資制度を続けるかどうかも検討課題です。
なぜか、ここだけは共和党が前のめりな案件なことは間違いない。

3) 投票 Voting

ペロシ下院議長を含めた民主党はずっと主張していますが、郵送投票を進めたいようです。予算としては数百億ドル規模なので、既に全体予算が3兆ドルにたっしていることを考えれば、大きくはない予算です。

しかし、投票しやすくなるというころは、共和党に不利に働くはず。
共和党やトランプ大統領は、郵送投票になると不正投票が増えると主張していますが、単に自分達が選挙で負ける可能性が高くなるので脅威と感じているだけでしょう。

4)食料支援 Food assistance

現在、食料支援をしているNPOには長い行列ができているのだ。多くの人が、食料を買うおカネがないという深刻な事態が起きている。民主党は、フードスタンプ予算増加をずっと主張してきているが、共和党が拒否してきている。これが通るかどうかも予算に盛り込まれるかのポイントだ。

Democrats wanted a 15 percent increase in Supplemental Nutrition Assistance Program (SNAP) benefits in the legislation passed by Congress last week after getting more than $15 billion for the program included in last month’s $2.2 trillion package. Republicans, however, objected.

https://thehill.com/homenews/senate/494591-five-fights-for-congress-fifth-coronavirus-bill

5)インフラ投資 Infrastructure 

トランプ政権はかねてからインフラ投資を新型コロナウイルス対策法案に入れてほしいと依頼しているが、素通りされている案件である。やっと一部の共和党議員も必要性を感じてきているようだが、なかなか難しそうだ。

というのも、何年物間、論じられてきては葬られた部分だからだ。ここまで予算をさくのは現実的に難しい気がする。

There is bipartisan interest on Capitol Hill in trying to move an infrastructure package. Sen. Rob Portman (Ohio), a member of GOP leadership, told Fox News that “some infrastructure spending is appropriate.”
But the administration and lawmakers have tried, and failed, for years to get a deal amid hang-ups over how it would be paid for. And there’s no sign yet that they’ve reached a deal that would let them move forward.  

https://thehill.com/homenews/senate/494591-five-fights-for-congress-fifth-coronavirus-bill

こうやって俯瞰してみると、共和党が前のめりなのは中小企業融資制度のみで、他は民主党が主張していることが多い。だとすると、共和党の要求を通す代わりの交換条件となることが予測されるが、どこまで含まれるのか。

しびれをきらしたのか、危機を感じたのか、FRBは地方債の買い入れ範囲を拡大した。しかし、すでに50州の債権買い取りは4月初旬から開始している。カウンティや都市の債券を買い取るといっても、全部で地方自治体は9万もあるそうだから、すべてを買い取ることはできない。財政支援を受けられない地方自治体は、破産(チャプター11)が待っている。州政府の財政破綻は法整備されていないが、都市やカウンティは法整備されていて、過去にデトロイトなどが破産して緊縮財政となった。破産が増えれば、メディケア、教育サービスなどの質が低下する。メディケアはなくなるかもしれない。いずれにしろ、米国民には厳しい状況が待っているだろう。