株式市況/経済再開したが、アメリカの田舎州では感染拡大が続く。

【日経平均株価】 19,262.00 ▼0.86% -167.44 [04/24]
TOPIX 1,421.29▼0.33%
マザーズ 742.66△0.56%
【ドル建て日経平均】178.90 ▼0.76% -1.37 [15:00]
【ドル円】 107.70 +0.12 △0.11% [16:42]
【日経VI】38.64(高値:39.13) +0.87 △2.30% [15:20]
東証一部出来高 1,327,100,000株 15:00

アジア市場と欧州市場

【上海総合指数】 2,808.53 ▼1.06% -29.97 [16:12]
ハンセン指数  23,831.33 ▼0.61%
MSCI Emerging Markets  879.41 ↓[4/24] 
Europe Stoxx 600   329.59 -3.65 (▼1.10%)
REIT Europe    1,216.85 +12.27    △1.02%  [4/23] 
バルチック指数      672.00   ▼3.17% [4/23] 

米国市場サマリー

【NYダウ】 23,775.27 △1.11% +260.01 [04/24]
【NASDAQ】8,634.52 △1.65% +139.77 [04/24]
S&P500  2,836.74 △1.39%c
ラッセル2000種指数  1,233.053 △1.56%
Fear & Greed Index 39 ←(Fear) 
【WTI原油】 17.19 ↑ [6月限] 
【NY金先物】   1,745.65
ドルインデックス:100.27↓
フィラデルフィア半導体指数 1702.56△2.28%
米国30年債利回り:1.171↓
米国10年債利回り:0.601↓
米国 2年債利回り:0.233↑
米国3か月債利回り:0.10↑
United States 5 Years CDS  20.4 [4/24]
MSCI US REIT IDX : 938.30 +5.92 (△0.63%)
ブルームバーグ商品指数トータルリターン  128.4981 ▼0.88%
NYFANG:IND  3,467.494 △1.46%
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100 2,120.61▼0.04% [4/23] 
iShares iBoxx $ Investment Grade Corporate Bond ETF 129.9 ▼0.07%
BofA US High Yield Index Effective Yield  8.28↑[4/23] 
BofAML US High Yield CCC or Below Effective Yield 17.10↑ [4/23] 
米取引所の合算出来高は102億株。直近20営業日の平均は125億株。
AAPL 282.97△2.89% (52週最高値  327.85 52週最安値170.27 )
AMZN 2410.22△0.45% (52週最高値 2461.00 52週最安値1626.03 )
GOOG 1279.31△0.24% (52週最高値 1529.63 52週最安値1025.00 )
MS   174.55△1.83% (52週最高値 190.70 52週最安値115.52 )
NVDA 289.59△1.96%( 52週最高値 315.41 52週最安値132.60 )
FB   190.07△2.67% (52週最高値 224.20 52週最安値137.10 )NFLX  424.99▼0.40% (52週最高値 449.50 52週最安値252.28 )
TSLA  725.15△2.77%  (52週最高値 968.99 52週最安値176.99)

SP500は業種別でみると、情報技術が大きく牽引した。 NetApp、Paypalが5%ほど上昇。FANG+Mが20%の構成率なんだから、SP500が上昇するのは当然だよねぇ。

共和党地盤の南部州で経済再開したが、田舎州では感染拡大が続く

南部州、あるいは、田舎州で経済閉鎖が再開されてきている。しかし、大手企業は店舗閉鎖を継続していて、段階的に再開していくようだ。共和党指導部は、完全に経済再開派だ。共和党内で経済再開に反対しているのは、だいたいいつものメンバーだ。
店舗が再開したからといって顧客が戻ってくるわけではない。顧客が戻ってくるかがポイントだが、WSJによると、いち早く経済再開させたジョージア州はまだ外にでる顧客はまばらのようだ。
ドイツでは、月曜日に中小商店の再開が実施されているが、やはり顧客が戻ってきているというわけではない。消費マインドがついていっていないようだ。それは一部を再開したイタリアも同じだ。以前と同じには戻れないということだ。

ジョージア州に加え、オクラホマ州も同日一部ビジネスを再開。フロリダ州は先週、閉鎖していた一部ビーチを州民に開放している。サウスカロライナ州は週明け27日に、州民の行動規制の緩和を開始する見通し。

https://jp.reuters.com/article/us-corona-death-tops-50-thousand-idJPKCN2262R6

While many shops here stayed closed and the streets remained as quiet as recent weeks, some nonessential businesses took advantage of an easing of state restrictions to reopen Friday.

https://www.wsj.com/articles/georgia-reopens-but-many-businesses-stay-closed-people-stay-home-11587754211?mod=hp_lead_pos7

しかしながら、米国では別の問題も発生している。引用したThe Hillの記事によると、3月末までの感染拡大は主に人口密集地である都市での感染拡大が8割だったが、ここ数週間では感染者の半分以上が田舎州あるいは郊外での感染拡大が続いているようだ。都市よりも田舎州や郊外の方が、平均年齢が高く、疾病もあるので、死亡率が高くなるかもしれないと警告もでているようだ。

But in recent weeks, the coronavirus has spread to rural areas, especially southern states like Mississippi, Alabama and Georgia and the Midwest, hitting Indiana, Iowa, Nebraska and Oklahoma.

https://thehill.com/homenews/state-watch/494561-coronavirus-spreads-to-trump-country

それにしても、ティー・パーティー団体が経済閉鎖に反対したり、銃賛成派も抗議に混ざったり、トランプ支持者の旗を掲げて抗議したりする姿が多く報道されている。小さな政府を求めるという事は、政府が経済閉鎖とかそういう指示をするのはよろしくないという流れになるんだな。そこには、多くの死者がでるからということは視野に入っていないのだろう。なぜなら、死は神が決めるもので、予め決まっているはずだからだ。つまり、新型コロナウイルスで大量の死がでたとしても、GODが決めたことだから受け入れなさいということなのだろう。ペンス副大統領とか、生粋の福音派なのに、新型コロナウイルス対策チームの指揮官になっているとか理解に苦しむ…。

一方で、連邦政府も州政府も、感染拡大するとメディケアの歳出が増大するから、感染拡大を食い止めたいはず。経済閉鎖によるダメージと、メディケア歳出のバランスになるだろうなあ。

もし、新型コロナウイルスがメディケアがなかったら、政府はどうしたんだろうかね。あるいは、もし、選挙直後に感染が広まっていたら、どういう法案をつくったんだろうね。メディケアがなかったら、選挙直前じゃなかったら、こんな総額3兆ドルもの予算をつかわなかったんじゃないかね。というのが、私の邪推です。

マコネル院内総務は、今更、財政赤字を懸念した発言をしているがもう遅いというかなんというか。

Republicans are growing increasingly anxious about the meteoric rise in the country’s debt amid unprecedented levels of federal spending aimed at softening the economic impact of the coronavirus. 

https://thehill.com/policy/finance/494218-gop-sounds-alarm-bell-over-coronavirus-fueled-debt

イタリアが格下げを回避したが…

注目されていたイタリアの信用格付けは、なんとかトリプルBをたもった。

S&Pグローバル・レーティングは24日、イタリアの信用格付けを投資適格級で下から2番目の「BBB」に据え置いた。見通しも「ネガティブ(弱含み)」を維持した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-24/Q9BBWLT0AFBH01?srnd=cojp-v2

国の格付けと、ソブリンCDSを下から順に並べてみると、ベネズエラとかは横においておいたとしても、国債の格付けが危機一歩手前にある国家はこれだけある。ひとまず、トルコ、南アフリカ、ブラジル、メキシコ、ギリシャあたりが最初に何かありそうなことは間違いない。通貨危機が先に起こるかもしれないし。

尚、イタリアは独立後あるは1800~2008年の間でデフォルトしたのは1回しかない。そのイタリアがデフォルトすることになったら大きな事態になるだろう。スペイン、ポルトガルは8回くらいしているので欧州にとってはまたかというくらいだろう。

http://www.worldgovernmentbonds.com/sovereign-cds/

日本は消費税延期の2014年頃に一度ソブリン・スプレッドが90近くまで上昇したようだが、まだ30台なら全然たいしたことないのだろう。ただ、欧米からみればデフォルト経験は1度あるので油断ならないことは確かだ。その一方で、日露戦争の借金を返済しきったので信用もある。
以前、吉田繁治さんも紹介していて、村越誠さんも紹介していた「国家は破綻する」によれば、以下とのことだ。苦しみもがきながら返済するということは、国民に重税を課して搾り取る、あるいは、ハイパーインフレという手段をとって一時的に国家経済を疲弊させるかのどちらかになるはずだ。
団結して、政府を倒して借金踏み倒すという手もあるかもしれないけどね。
独立後にデフォルトをしたことがない、英国、米国はその道を歩む、イギリスは既に歩んできたはずで、日本もそうなることは間違いないのだろう。

国がデフォルトを起こす主な原因は、返済能力ではなく、返済の意思なのだ。国は単に経済や金融上の理由からだけでなく、政治的あるいは社会的な配慮をしたうえで、損得勘定に基づいて起こすことが多い。ほとんどの国のデフォルトは、その国が無一文になるよりだいぶ前に起きている。
意思の強い債務国は、たいていは苦しみもがきながらも対外債務を返済する

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