今朝のCME
【CME日経平均先物:円建て】19,190 (-295) 日経比:-308.50
【ドル円】 108.36 -0.10 ▼0.10% [07:46]
【WTI原油】 22.55 ▼2.84% -0.66 [07:46]
【CME ダウ先物】 23,321.00 ▼1.26% -297.00 [07:36] ダウ比:-398 (▼1.68%)
CME SP500先物 2,745.75 [07:36]
OPECプラスによる減産合意?
メキシコが減産に合意しなかったり、OPEC加盟国の最終合意がなかったり、二転三転ありましたが、なんとか合意に至ったようだ。最後までごねたメキシコは利を得た結果となった。とはいえ、原油価格が22ドル台に下落しているのをみると、市場関係者は、政治で解決できることではないとみているようだ。
何度も言いますが、減産しても、需要が回復できるわけではありません。
OPECプラスに加盟していないが、産油国のカナダ、ノルウェーは減産に前向きと報道しているが、実際はどうするんですかね。
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」は12日、5─6月に日量970万バレルの減産を行うことで最終合意した。新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた原油価格を支えるため、世界の原油供給の約10%に当たる過去最大の減産を実施する。
https://jp.reuters.com/article/global-oil-opec-idJPKCN21U0WS
トランプ大統領は、エネルギー業界の雇用が守られたことで、ロシアとサウジに感謝を示している。本当に雇用は守られたんかね。
The big Oil Deal with OPEC Plus is done. This will save hundreds of thousands of energy jobs in the United States. I would like to thank and congratulate President Putin of Russia and King Salman of Saudi Arabia. I just spoke to them from the Oval Office. Great deal for all!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) April 12, 2020
週末は、最新号のフォーリン・アフェアーズを読んでいました。この記事を読んで感じたのは、原油価格は一時的な需要下落ではなく、恒常的な需要減少になるだろうと考え改めました。というのも、テレビ会議に慣れてしまうと、いちいち会議やら外交会談するために会う必要性も薄れるし、1年くらい実施すれば慣れてしまって元に戻れないだろう。
SARSの時は、公共交通機関の利用から自家用車ブームが起きたというのがあるが、これだけ二酸化炭素排出問題がでてきているので、「そっか、そもそも移動しなきゃいいんだよね」という話にもなりそうだ。グリーン・ニューディールあたりを訴求しているAOC議員あたりがそのうち、こういったテレワーク推進の法案とか提出しそうだね。工場排出による二酸化炭素排出の問題はあるけど、中国が都市ロックダウンをした時の衛星写真の大気汚染が消えたしね。
SARSの場合、中国の都市住民たちは(不特定多数の集団と接触する)公共交通機関の利用を敬遠するようになり、2003年に中国における自家用車購入が急激に増えるという予想外の現象が起きた。当時の中国では、(危機前から)自家用車ブームが起きていたが、2003年の車の販売台数は、混雑した場所(やバス・電車)を利用することへの不安から、前年比で30%を超える上昇をみせた。
https://www.foreignaffairsj.co.jp/articles/202004_jaffe/
今回の危機が収束した後には、在宅勤務・テレワークがより受け入れられ、広く実践されるようになるかもしれない。(多くの人がいる)職場に行くのを恐れるからではなく、会社から離れて都合のよい場所で働いたり、会議に参加したりする方がビジネスに生産性の上昇をもたらすかもしれないからだ(特に、その人物が異なるタイムゾーンや離れた場所にいる場合はそうだろう)。
給与保護プログラムPaycheck Protection Programが思うように機能していない。
Paycheck Protection Programの目的は、失業者数を急増させないようにする目的であるが、どうも思ったようには機能していない。
第一に、予算がどう考えても足りない。共和党が要求している2500億ドル追加で果たして本当に足りるのか疑問の声もでている。話し合いは継続中で新たな情報はでてきていません。
約3500億ドルの予算を確保しているが、申込開始1週間で予算の半分の申込額を超えた。72.5万件の融資申し込みがあった。Wells Fargoなどは5日時点で割り当て分を超える融資申し込みがきたので、申込受付を中止している。どの銀行なら申込できるかなどの記事まで書かれているほどだ。
The U.S. Small Business Administration reported Saturday morning that banks had approved more than 725,000 loans from its $349 billion Paycheck Protection Program, totaling over $182 billion. v
https://www.inc.com/cameron-albert-deitch/coronavirus-paycheck-protection-program-funding-uncertainty.html?icid=hmhero
第二に、この融資は返済不要にするためには従業員を雇用し続けて給与に充てなければならない。これがまた判断しづらいところなのだ。
州によっては最大4か月間、週600ドルの連邦政府支援で失業給付がでるので1000ドル/週をもらえる人達もでる。学校は休校になってるし子どものケアも必要だろうし、有給病欠だってないようなサービス業なら無理して働くよりも失業給付もらっておとなしく自宅待機をしていた方がいいという人達もいる。
Some workers prefer to be laid off than have their employers keep them on through the program. The stimulus package expanded unemployment benefits widely, allowing people who need to stay home to care for sick loved ones or for children. It also added a $600 subsidy to each weekly check for up to four months.
https://www.nytimes.com/article/ppp-paycheck-protection-program-small-business.html
In a state like Michigan, where the maximum weekly unemployment benefit is normally $362, some workers can now receive up to $962 per week. Once they have applied and their eligibility and state award amount are determined, the $600 is added to their checks. Workers haven’t seen that cash yet, but it will be retroactive for people who began filing March 29.
最後に、融資を受けて従業員の返済に割り当てたところで、シャットダウンが長引く、あるいは、需要が回復しなければすぐに使い切ってしまうことがもう濃厚だ。企業規模にもよるが、最大でも1000万ドルの融資、あるいは従業員平均給与の2.5倍までの融資が可能になる。しかし、返済不要になる条件が厳しく、融資総額の75%は給与支払いに充当しなければならないし、備品購入や賃貸支払いに利用していいのはたった25%だ。返済不要でなければ何に使ってもいいのかもしれないが、差し当たっては、家賃支払いに充てなくてはならないだろう。たとえ、数カ月は立ち退きしないとされていても、支払い猶予をしてもらっているだけで、免除ではないのだ。尚、レント・ストライキについては昨日、別記事を書きました。
新型コロナウイルスによるロックダウンが落ち着いたのちには、大規模なストライキが発生して、また感染拡大なんてこともありえそうです。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、 感染拡大がいったん沈静化した後で突然再び悪化する事態となり、米経済は18カ月にわたって活動の閉鎖と再開が繰り返される可能性があると述べています。私も閉鎖→活動再開のループを1年~1年半ほど繰り返すと感じています。