株式市況/議会は早くも米国景気対策法案第4弾を検討中

BOJは2004億円お買い上げ。
【日経平均株価】 18,664.60 ▼4.51% -882.03 [03/26]
TOPIX 1,399.32▼1.78%
マザーズ 613.98▼4.23%
【ドル建て日経平均】168.71 ▼3.95% -6.94 [15:00]
【ドル円】 110.62 -0.57 ▼0.52% [15:13]
【日経VI】53.81 △11.45% [14:53]
東証一部出来高 2,049,670,000株 15:00

先週の投資部門別売買動向をみると、笑っちゃうのが
日銀+クジラ VS 外人の構造が続いているということ。

アジア市場と欧州市場

【上海総合指数】 2,764.91 ▼0.60% -16.68 [16:02]
ハンセン指数      23,352.34   ▼0.74%
Europe Stoxx 600   321.38  △2.55%
MSCI Emerging Markets  851.28 ↑[3/26] 
( 52 WEEK RANGE 758.20 –  1,150.91 ) 
MSCI Intl Emerging Market Currency     1,561.60   [3/25] 
( 52 WEEK RANGE  1,581.54 – 1,673.26 ) 
バルチック指数            582.00 ▼3.48%  [3/25] 
( 52 WEEK RANGE    415.00 – 2,518.00 ) 

米国市場サマリー

【NYダウ】 22,552.17 △6.38% +1351.62 [03/26]
(52週最高値  29,568.57 52週最安値  18,591.93 ) 
NASDAQ     7,797.54   △5.60%
(52週最高値     9838.37   52週最安値  6,860.67   )
S&P500    2,630.07   △6.24%
(52週最高値   3,393.52 52  52週最安値  2,237.40 ) 
ラッセル2000種指数   1,180.319 △6.30%
(52週最高値  1,706.175   52週最安値 966.216 )
【VIX恐怖指数】   61.00 → 
Fear & Greed Index  22↑(Extreme Fear) 
【WTI原油】  22.908↓ 
【NY金先物】 1,625.72↑
ドルインデックス: 99.46↓ WOW! 
米国30年債利回り:1.434↓
米国10年債利回り:0.846↓  
米国 2年債利回り:0.312↓  
米国3か月債利回り:-0.05↓ WOW!  
ブルームバーグ商品指数トータルリターン  135.0656 ▼1.03%
フィラデルフィア半導体指数 1572.61△6.79%
NYFANG:IND    2,997.289 △3.55%
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100 1,878.96↑ [3/25]
(52 WEEK RANGE 1,766.72– 2,287.33 )
BofA US High Yield Index Effective Yield  10.69↓[3/25]
BofAML US Corporate BBB Effective Yield 5.23↓[3/25] 
BofAML US High Yield CCC or Below Effective Yield 19.41→ [3/25] 
米取引所の合算出来高は150億株。直近20営業日の平均は162億株。
AAPL 258.44△5.26% (52週最高値  327.85 52週最安値170.27 )
AMZN 1955.49△3.69% (52週最高値 2185.95 52週最安値1626.03 )
GOOG 1161.75△5.38% (52週最高値 1529.63 52週最安値1025.00 )
MS   156.11△0.26% (52週最高値 190.70 52週最安値115.52 )
NVDA 257.24△4.73%( 52週最高値 315.41 52週最安値132.60 )
FB   163.34△4.56% (52週最高値 224.20 52週最安値137.10 )NFLX  362.99△6.02% (52週最高値 392.92 52週最安値252.28 )
TSLA  528.16▼2.06% (52週最高値 968.99 52週最安値176.99 )
※52週最高値・52最安値更新:2020/03/05時点

パウエル議長のテレビインタビュー

東海岸時間7時AM頃にこれが放映された。その1時間後には新規失業保険申請件数の発表が控えていたのでこのタイミングを狙ったのではないか。
放映されてすぐに「弾丸が尽きることはない」というのがフォーカスされて皆ツイートしていました。しかし、このインタビューで、むしろ株価は少し下落した。 FRB議長がテレビインタビューに応じるなんてのは初めてのことらしいが、トランプ政権に強く推進されたのではなかろうかと邪推。

議長はNBCの番組「トゥデー」でのインタビューで、「これまでと同様、積極的かつ核心を突くやり方で、取り組みを続ける」と語った。「今回の資金供給に関して、当局の弾薬が尽きるということはない。それは起こらない」と強調した。 議長は「経済活動は4-6月(第2四半期)に恐らく大幅に低下するだろう」として、国民は健康を守るためあえて通常の生活を送らないでいると指摘した。これは米経済がリセッション(景気後退)に陥ることを意味するかもしれないと認めた上で、落ち込みは一時的なものだとの見解を示した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-26/Q7SSWLDWLU6R01?srnd=cojp-v2

市場が閉じる10分前にパウエル議長が「 FED CHAIR POWELL SAYS WORKING NOW ON MAIN STREET BUSINESS LENDING PROGRAM 」という発言があり更に米指数は上昇している。
米国景気対策法案が通過すれば、4.5兆ドルもの信用供給が可能になるわけだが、それで足りるのか?というと当ブログでは足りないと考えている。なんでもかんでも救うわけではなく、ジャンク級の社債まで救うことはないだろうからだ。ある程度の破綻は必然的に起こる。ちなみに、この株価急落なり需要急落で、デルタ航空などはジャンク級に格下げされている。投資適格級だった企業も、これから格下げが相次ぐ可能性が多分にあるのだ。特に投資適格級の最下位であるるBBBの陥落が激しいだろう。

ディスカウント・ウィンドウ利用が高水準に

ディスカウント・ウィンドウの貸出額が高水準になるということは、インターバンク間での貸し出しがうまく機能していないことを示すと考えられる。
インターバンクで借りようとするとプレミアムを高く求められるか、担保を多く取られるかになりディスカウント・ウィンドウで借りるしかなくなる。通常なら、インターバンクで借りたほうが金利や担保は低く済むのでそうしようとする。連邦準備銀行は、最後の貸し手であり、ラスト・リゾートなのである。
尚、508億ドルの内訳は、プライマリーとMMFでだいたい同額だ。

米連邦準備理事会(FRB)が26日公表した週間データによると、米銀による連銀窓口貸出(ディスカウント・ウインドウ)の利用は508億ドルと、2009年4月以来の高水準に達した。

https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-fed-banks-idJPKBN21D3P9

ディスカウント・ウィンドウについては、過去記事を参照ください。

また、もう一つの背景としては、銀行自体が社債調達ができなくなっていることが一つあげられそうです。個人や中小企業への融資をするためにしても、信用創造できるじゅうぶんな資産がないと融資もできないはずです。

新型コロナウイルスの感染が拡大している米国で、企業の資金繰りが大きな課題として浮上している。社債発行が急減しており、3月の低格付け社債の発行額は2月から9割減少した。企業は手元資金の確保に動き、自社株買いを停止する企業も相次いでいる。
米企業の資金調達は日増しに厳しくなっている。ディールロジックの集計では3月の低格付け社債の発行額は36億ドルと2月から9割も減った。低格付け社債の利回りは24日、リーマン・ショック翌年の09年以来となる11%台へ上昇した。金利はわずか1カ月で2倍以上になった。
(中略)
米企業は株主への還元を重視し、借り入れを増やしてでも自社株買いを実施してきた。JPモルガン・チェースなど大手米銀8行は足並みをそろえ、自社株買いの一時停止を決めた。株主還元より、個人や中小企業への融資を優先し、FRBの緊急利下げと同じ日に公表した。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO57296150W0A320C2FF1000/

連銀のバランスシートは史上初の5兆ドルを突破しました。先週だけで5860億ドルの資産買い取りをしています。MMFに306億ドルも貸出しているということは、なかなかやばそうだ。

The Federal Reserve’s balance sheet topped $5 trillion for the first time amid the U.S. central bank’s aggressive efforts to cushion debt markets against the coronavirus outbreak through large-scale bond-buying programs.
Total assets held by the Fed rose by $586 billion to $5.25 trillion in the week through May 25, according to data published Thursday on its website. Borrowing by banks from the Fed’s discount window jumped to $50.8 billion.
Borrowing under its Primary Dealer Credit Facility was $27.7 billion as of Wednesday, with the Money Market Mutual Fund Liquidity Facility standing at $30.6 billion.

https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-03-26/federal-reserve-s-balance-sheet-tops-5-trillion-for-first-time?srnd=premium

米国の新規失業保険申請件数は過去最高

先週分はまだ第一章に過ぎないと考えられる。全米ではじめて外出禁止令がでたのはカリフォルニア州で19日、NY州が民間企業にも出社禁止を出したのは20日だ。22日以降には南部州なども外出禁止令をだしはじめた。おそらくレイオフが増加しているのは今週~来週にかけてだろう。

米労働省が26日発表した先週の新規失業保険申請件数は、過去最多の328万件に急増した。新型コロナウイルスの感染拡大を阻止する取り組みで、業務を停止し、人員を削減する企業が相次いだ。
・ エコノミスト予想の中央値は170万件、最高は440万件
・ これまでの過去最多は1982年の69.5万件、今回はこの4倍を上回る
・ペンシルベニアは37万8900件と、全米で最多
・カリフォルニアは12万9200件増の18万6800件
・米国の新型コロナ感染者の約半数を占めるニューヨークは6万6000件増の8万300件

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-26/Q7SW51DWX2PU01?srnd=cojp-v2

尚、これからもさらに増加すると考えられるのは、申請殺到していてさばけていないという懸念も多いし、フリーランスなど単発労働者はそもそも含まれていないという話だ。新規失業保険申請件数でみえる失業状況はほんの一部なのだ。

州の労働当局の多くには失業保険の申請が殺到しており、申請を試みても手続きを終えることができなかった失業者がいる。すぐに失業保険の申請をしない労働者も多く、申請要件を満たしているのか定かではない人もいる。フリーランスやギグ労働者(単発や短期の仕事に従事する労働者)の大半は基準を満たしていない。

https://jp.wsj.com/articles/SB11459129660907733348604586285523570745518

米国景気対策法案にどこまで期待できるのか?

日経新聞の邦訳だと全然足らないのでPBS(ワールドニュース)から補足。
500人未満の中小企業向けは融資は、「雇用を維持して従業員に給与を支払えば」最大1社1000万ドルまで返済不要となる。
また、5000億ドルの大企業向けファンドは9月末まで雇用を90%以上維持することが条件で融資してもらえる。当然、自社株買いや、経営者報酬にまわすことは禁止。
これらは「失業者をださない」ための融資なのであることがわかる。しかも雇用を維持することが条件の融資になると利用企業がいるのか疑問に思う。法案が通過する前に、すでに中小企業はレイオフしており、先週だけで328万人も雇用が失われているのである。
また、そもそも中小企業向け融資は、米労働者の半分を占めているので3500億ドルではたらないという話も指摘されている。
航空業界へは破綻を防ぐために融資という枠をとらずに助成金になるという話もある。政府が直接、株式を買い取るという話もまだ消えてはいない。

企業支援には8500億ドルを充てる。中小企業向けに3500億ドルを用意し、雇用を維持して従業員に給与を支払えば、返済を不要とする。事実上の連邦政府による給与補填制度で、中小企業が従業員を安易に解雇しないよう促す仕組みだ。
飲食や宿泊など新型コロナが直撃する産業にも5000億ドルの資金枠を用意し、航空会社への融資に580億ドルを充てる。「国家安全保障の保持」に関わる企業には170億ドルを確保するが、航空機大手ボーイングの救済枠となる可能性がある。借り手企業は従業員の給与水準を一定以上保つなどの条件を課す

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57243580W0A320C2000000/

また、年間75000ドル以下の低所得者層を中心としては、1人あたり1200ドル配布案もすぐに足りなくなるだろうという話がでてきている。そもそも小切手配布が4/6までにはと政権は話しているようだが、貯金がないことを考慮しているのだろうか。
尚、上院ですでに可決した法案はワシントン時間27日(金)AM9時に採決されるので通過するでしょう。総額は2.2兆ドルになったようです。

それにしても、今回の景気対策法案を勝ち取るために航空会社は議員にかなり多額なロビー活動をしたようだし、観光・ホテル協会や、銀行業界もロビー活動に精を入れたようですね。そのうち、どのくらいのロビー活動費をつかったかわかるでしょう。

議会は景気対策法案第二段を検討と示唆

民主党は景気対策法案第二弾を示唆しております。新型コロナ対策法案としては、 最初に83億ドル,第二段で1040億ドル、金曜日に可決する見込みの$2.2 兆ドルで、まだ予算使う気ですか!ただ、マコネル上院院内総務も2.2兆ドルの法案は景気対策法案ではなく、緊急法案だと指摘しているので、共和党が絶対反対というわけではなさそうです。ここは動きを注視しなくては。
それにしても、やや首をひねるのですが、共和党ってこんなに富の分配を推進したい理念でしたっけ?トランプ政権が共和党理念を代表していないことはわかりますが、共和党議員までなんかおかしくなっている気がしてならない。

Lawmakers are quickly shifting their attention to a “phase four” coronavirus bill as the economic, health and social effects of the pandemic unfold across the U.S.
Congress is set to pass a $2.2 trillion stimulus package — the largest in the nation’s history — as soon as Friday as lawmakers try to ward off a deep recession sparked by the outbreak.
But leadership and rank-and-file members in both chambers argue that even with the wide-reaching spending package, which includes help for individuals, small businesses and hard-hit industries, more legislation will be needed.

https://thehill.com/homenews/house/489736-lawmakers-brace-for-more-coronavirus-legislation-after-2-trillion-bill