今朝の先物指数の動向
今朝も米国主要指数先物はストップ安で寄り付き直後にサーキットブレーカー。
【CME日経平均先物:円建て】15,890 (-1140) 日経比:-662.83 7：53JST
【ドル円】 111.17 +0.31 △0.28% [03/22]
【WTI原油】 21.34 ▼9.81% -2.32 [07:53]
ダウ先物指数 18,086.00 7：38JST
SP500先物指数 2,174.00 7：48JST
共和党上院は、新型コロナ経済対策予算を通過できず。
この投票では、共和党5名が欠席しています。既に自主隔離に入っていた共和党2名に加えて、小切手配布案を推し進めていたランド・ポール議員が陽性反応でたことで、ともにプロジェクトを進めていたミット・ロムニー議員を含む2名がさらに欠席。ちなみに、ランド・ポール上院議員は大統領をはじめとしたトランプ政権と新型コロナ対策プランについて話し合っていたのでそこから感染したと思われる。ミッチ・マコネル上院院内総務は、かたくなに遠隔投票をしないとしていたことが裏目にでたかと思います。
興味深いことに、民主党は上院採決で一人も欠席がでていない（はず）。後から語られることになるだろうが、トランプ大統領のとりまきや議員内の支援者から感染拡大していっている。明らかにトランプ大統領が危機管理を怠ったためだ。
こんな重要なタイミングで共和党員が欠席するなんて、11月の選挙では大統領選挙どころか、連邦議員選挙でスウィングステートは民主党に奪われることになるだろう。
Senate Democrats on Sunday blocked a coronavirus stimulus package from moving forward as talks on several key provisions remain stalled.
https://thehill.com/homenews/senate/488925-senate-democrats-block-mammoth-coronavirus-stimulus-package
Senators voted 47-47 on advancing a “shell” bill, a placeholder that the text of the stimulus legislation would have been swapped into, falling short of the two-thirds threshold needed to move forward.
トランプ政権は2兆ドルの予算を交渉中としているが、米民主党と共和党案を合算させると2兆ドル規模になるだけだ。
米民主党は4000億ドルを医療備品に使い、3500億ドルを新型コロナによる失業者給付に使うべきだと主張しており、企業融資に使うべきではないと主張している。仮に、合算案が通過したとしても、企業への融資枠は中小企業を含めて4000億ドル以内におさまるはずなので、実際は多くないのだ。しかも航空業界は500億ドルだけだ。ボーイングは1社で500億ドル必要だと主張していたので足らないはずだ。
米民主党は当初から7500億ドル予算を提案してきたが、さらに4500億ドルを労働省や連邦厚生労働省などがつかえる追加予算を提示してきた。民主党予算だけで1.2兆ドル規模になる。
Senate Democrats are calling for a $450 billion emergency spending package to be added to the stimulus bill, nearly twice the amount Republicans have appropriated and nearly ten times what the White House has requested.
https://thehill.com/homenews/senate/488913-democrats-seek-to-increase-supplemental-funding-bill-to-450-billion
Sen. Patrick Leahy (Vt.), the senior Democrat on the Appropriations Committee, confirmed to reporters Sunday that he wants substantially more money for the emergency bill, which would appropriate tens of billions of dollars to Departments of Labor, Health and Human Services, Education, Housing and Urban Development, Transportation and Defense
上院での交渉失敗したのを見限ったのか、下院民主党が新型コロナ経済対策プランを作成して下院から通過させる方針のようだ。先ほども書いたが、議員の感染経路は主にトランプ政権の取り巻きからはじまっているので共和党の方が欠席者が多いはずなので民主党が有利になるだろう。
Speaker Nancy Pelosi (D-Calif.) said on Sunday that House Democrats would draft their own coronavirus stimulus bill after all sides failed to reach a deal on a massive proposal being negotiated in the Senate.
https://thehill.com/homenews/house/488881-pelosi-says-no-deal-reached-on-coronavirus-funding-bill
“We’ll be introducing our own bill, and hopefully it will be compatible with what they discuss on the Senate side,” Pelosi said as she left a short meeting in the Capitol with the leaders of both parties negotiating the stimulus package.
米国政府はサウジラビアに特使を派遣して原油価格について交渉を進める意向
やっと政権が動いたようだが、いつから訪問できるのか不明だ。
感染拡大で苦しむサウジアラビアでは、3月早い段階で中国や日本などは入国禁止あるいは2週間の隔離にしており、政府高官であっても入国後2週間隔離になるのではなかろうか。原油価格戦争と新型コロナ感染拡大が並行していることで、原油価格戦争解決の道のりを難しくしている。ポイントは、この２つの問題が並行しているということだ。
トランプ米政権が原油価格の安定化に向けサウジアラビアにエネルギー省高官を派遣することが２０日、当局者の話で明らかになった。
https://jp.reuters.com/article/global-oil-usa-saudi-arabia-idJPKBN2173ET
それによると、トランプ政権は新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済が甚大な影響を受けている時にサウジが増産姿勢を示していることで事態が複雑化していると考えており、エネルギー省高官を少なくとも数カ月にわたりサウジに派遣し、長年にわたり世界的な原油相場の安定化に主導的な役割を果たしてきた同国と協力し、透明な市場の中での経済成長を支援したい考え。
見落としていたが、米議員は既にサウジアラビアとロシアへの圧力を強めている。ただ、新型コロナのせいで優先順位はまず国内だろうし、共和党議員内で感染拡大しているので、エネルギー委員会もうまく機能しないだろう。
サウジアラビアには、最終的には「ドル決済させないぞ」とトランプ政権メンバーが脅せば応じるだろう。米国がサウジとロシアの原油輸入しなくても、特に痛みはないのではないだろうか。米国EIAのデータではどちらの国の輸入も月間1500万～2000万バレルでたいした輸入量ではない。
サウジはロシアから欧州シェアを奪いにいっている。
米上院の複数議員は１８日、原油の大幅下落につながっている価格戦争を止めるよう主要産油国のサウジアラビアとロシアへの圧力を強めた。議員らは、トランプ米大統領への書簡で両国からの原油輸入を禁止するよう求めたほか、駐米サウジ大使と原油市場についての協議を行った。
https://jp.reuters.com/article/global-oil-usa-saudi-idJPKBN21602L
石油資源が豊富なノースダコタ州選出のケビン・クレイマー上院議員（共和党）はトランプ氏に宛てた書簡で「残念なことに、ロシアによる嫌がらせのような戦略があたりまえのようになっている。ただ、われわれとの関係が近い戦略的パートナーのサウジアラビアの行動は、特に懸念事項だ」と伝えた。ロイターが書簡のコピーを入手した。
クレイマー氏は書簡で、ロシアやサウジに加えて、イラクなどの他の石油輸出国機構（ＯＰＥＣ）加盟国からの原油輸入を禁止するようトランプ氏に求めた。
一方で、ロシアについては米国からの「ドル決済させないぞ」の脅しや、米国からの圧力に効果があるかどうかは疑問が残る。ロシアは米国からの経済制裁を受け続けているので、脱ドル化を進めている。中国への石油輸出は人民元決済が大きく占めるはずだ。ベネズエラとも人民元決済をしている。
ルーブルは20％くらい対ドルで通貨安になっているが、人民元はまだ持ちこたえているのだが人民元になったほうが為替の影響が受けにくいかどうかはわからない。
ロシア経済を「脱ドル化」し、米国の制裁の影響を受けにくくする戦略だ。中央銀行が昨年ドル保有額を半減させた一方で、貿易面では多くの取引でドルの利用が根付いているため、脱ドル化の進展は遅れてきた。 ただ中銀のデータによると、ロシアの輸出におけるユーロ決済の割合は４四半期連続で増加し、その分ドルが減少。欧州連合（ＥＵ）および中国との取引においてはユーロ建てがドル建てをほぼ追い抜いたほか、インドとの貿易ではルーブル建てが急増した。輸入でのドルのシェアは約３分の１で変わっていない。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-05/PVQUS26K50XS01
ロシア政府高官は、原油価格交渉をしているつもりはないと主張しつつも、どの国も干渉を許さないと強いメッセージを発信し続けている。
原油回復は、まだまだ先が見えない。
前例のない２大石油輸出国の衝突により、原油価格は１バレル＝20ドルを下回る水準に押し下げられる恐れがある。それでもロシアが最初に折れて休戦を求めることはないだろうと、同国政府の方針に詳しい関係者が指摘した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-20/Q7HDSMT0AFB701