株式市況/ドルインデックス急上昇とソブリンCDS

日本市場サマリー

BOJは2004億円のお買い上げ。 3月だけで9200億円お買い上げ!
【日経平均株価】 16,552.83 ▼1.04% -173.72 [03/19]
TOPIX 1,283.22△0.97%
マザーズ 557.86▼4.90%
【ドル建て日経平均】152.08 ▼2.67 -4.17 [15:00]
【ドル円】 108.87 +0.94 △0.88% [15:04]
【日経VI】58.45(高値:58.63) +2.33 △4.15% [03/19]
東証一部出来高 3,017,690,000株 15:00
Japan 5 Years CDS 43.2  ↑ [03/19] 

ソフトバンク株は 17%の下落 。CDS( 社債保証コスト )が急上昇中で500bps超え。 先日のS&Pグローバル・レーティングによるダブルBプラスの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」 に変更したことも効いてるかと思われます。
日経平均株価の算出方法では、みなし額面(みなし値)による調整をしているものの、基本的には株価を合算して225で割っているだけです。つまり、株価が下落すれば構成率が下落する。気づいたらファナックは上位4銘柄から陥落していました。ソフトバンクが大きく動いているので、構成率は定期的にチェックした方がよさそうです。


アジア市場と欧州市場

【上海総合指数】 2,702.13 ▼0.98% -26.63 [16:02]
ハンセン指数       21,709.13  ▼2.61% –
Europe Stoxx 600    287.80 △2.91%
MSCI Emerging Markets  772.27 ↓[3/20] 52週最安値更新! 
( 52 WEEK RANGE 772.27 –  1,150.91 ) 
MSCI Intl Emerging Market Currency   1,570.28↓[3/18] 52週最安値更新! 
( 52 WEEK RANGE   1,570.28  – 1,673.26 ) 
バルチック指数         629.00   △2.78%    [3/20] 
( 52 WEEK RANGE    415.00 – 2,518.00 ) 

欧州は、英中銀が過去最低の0.1%の引き下げが好感されて上昇。原油価格が持ち直したことで Europe Stoxx 600  石油指数は24年ぶりの最低値に達してから持ち直した。ECBの7500億ユーロ規模の緊急量的緩和(QE) も好感されたと思われる。

イングランド銀行(英中央銀行)は政策金利を過去最低の0.1%に引き下げ、量的緩和(QE)プログラムを拡大した。新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、景気支援を後押しする。
  英中銀が緊急措置を打ち出すのは、この2週間で2度目。金利は0.15ポイント引き下げ、QEプログラムは2000億ポンド(約25兆8700億円)増額して総額6450億ポンドとした。増額分は主に英国債購入に充てられるが、社債も対象になる。購入は可及的速やかに完了する方針だ。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-19/Q7G3QAT0AFB401

米国市場サマリー

【NYダウ】 20,087.19 △0.95% +188.27 [03/19]
(52週最高値  29,568.57 52週最安値  19,898.92  ) 
NASDAQ  7,150.58 △2.30%
(52週最高値     9838.37   52週最安値  6,904.59  )
S&P500    2,409.39 △0.47%
(52週最高値   3,393.52 52週最安値  2,386.13 ) 
ラッセル2000種指数   1,058.749 △6.82% –
(52週最高値  1,706.175   52週最安値 966.216 )
【VIX恐怖指数】     72.00 ↓ 
Fear & Greed Index  7↑(Extreme Fear) 
【WTI原油】     26.33 ↑9:22JST 
【NY金先物】 1,474.50 ↓ 9:22JST 
ドルインデックス: 103.73 ↑  9:22JST WOW!急上昇  
米国30年債利回り:1.788→
米国10年債利回り:1.158↓ 
米国 2年債利回り:0.455↓
米国3か月債利回り:0.01→
ブルームバーグ商品指数トータルリターン  131.0129 △3.28%
( 52 WEEK RANGE 126.3804  – 174.8420 )
フィラデルフィア半導体指数 1341.22△4.23%
NYFANG:IND     2,706.644 △5.30%
( 52 WEEK RANGE   2,244.232  – 3,921.452 )
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100  1,878.63▼5.02%  [3/18]
(52 WEEK RANGE  1,878.63 – 2,287.33 )52週最安値更新!
BofA US High Yield Index Effective Yield  9.98↑[3/18]
BofAML US Corporate BBB Effective Yield 4.82↑ [3/18]  
BofAML US High Yield CCC or Below Effective Yield 18.04↑ [3/18]
米取引所の合算出来高は170億8000万株。直近20営業日の平均は150億株。
AAPL 244.78▼0.77% (52週最高値  327.85 52週最安値153.66 )
AMZN 1880.93△2.78% (52週最高値 2185.95 52週最安値1566.76 )
GOOG 1115.29△1.69% (52週最高値 1529.63 52週最安値1025.00 )
MS   142.71△1.66% (52週最高値 190.70 52週最安値102.17 )
NVDA 212.97△5.00%( 52週最高値 315.41 52週最安値131.00 )
FB   153.13△4.20% (52週最高値 224.20 52週最安値143.43 )NFLX  332.03△5.25% (52週最高値 392.92 52週最安値252.28 )
TSLA  427.64△18.39% (52週最高値 968.99 52週最安値176.99 )
※52週最高値・52最安値更新:2020/03/05時点


さて、日本時間今朝の数値は以下の通りです。
ドル円が111円に達していますが、これはドルが強くなっています。
現にドルインデックスがかつて見たことない上昇になっています。新興国通貨はじわりと下落傾向でしたが、急落するとドル建て債務が火を噴きそうです。

【CME日経平均先物:円建て】16,955 (-40) 日経比:+402.17 9:46JST
【ドル円】 111.19 +0.33 △0.30% [09:57]
ドルインデックス 103.593 9:57
ダウ先物指数  19,534.00  9:48JST
SP500先物指数  2,342.50    9:48JST
WTI原油  26.03   9:59JST

ドルインデックスが2016年末以来の高値。世界でドル資産買いが続く。

ドルインデックスの長期チャートをみると、2016年末(人民元ショックかな?)に1週間だけ103~104の間を推移しましたが、104を超えるようだと2002年以来の高値になります。ドルが強いのです。一部の新興国通貨は、1月と3月の比較で15~20%も下落しています。トルコリラなどは40%、ロシアルビーは30%下落する予測もでています。先日当ブログで書いた通り、原油価格戦争の影響もあるので石油レンティア国家の通貨の下落が大きいですが、韓国ウォン、タイバーツなどアジアは総じて5%ほどの下落をつけています。

こうなってくると懸念されるのがドル建て債務です。2018年末の資料ではありますが、各国家のドル建て債券発行残高、外貨準備高です。外貨準備高を超える国債発行しているところは危険水準に達しそうです。
当然ですが、ソブリンCDSも急上昇が続いています。南アフリカでは、海外投資家が40億ドルの株式と通貨投資をひきあげたようなので厳しいでしょう。

http://www.worldgovernmentbonds.com/sovereign-cds/

失業者数の急増

14日終了週の新規失業保険申請件数は前週比7万件増の28万1000件 で予想中央値を上回りました。ツイッターで追っているとキリがないですが数千人規模のレイオフニュースが相次いで起こっています。また、ラスベガスは州として30日間のカジノ休業を発令したので更にレイオフが進むでしょう。すでにこれらけのレイオフが出ていますが、中小規模企業のレイオフはニュースがでないだけなので次の発表では急増するでしょう。

申請件数を州別に見ると、新型コロナの感染が広がっている西部ワシントン州では、調整前ベースで約1万5000件と2倍余り増加。カリフォルニア州は5万8000件余りと、約3割増えた。ネバダ州はほぼ3倍の約6500件。同州ラスベガスでカジノやホテルが休業しており、全米で最も大きく件数が増えた州となった

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-19/Q7G0F4DWRGGH01?srnd=cojp-v2

共和党の新コロナ対策案に対する反応

小切手配布するとしていたんですが、税金還付という形で現金配布するということですよね。共和党は上限を1兆ドルとしているので、5000億ドルを民間への生活費支援にまわすということですかね。
米商務省が発表している各州の年間所得中央値をみると、最も高いメリーランド州の8.2万ドルなので中間層はほぼすべてに税還付を行うと考えてよいでしょう。ただ、グラム議員がサウスカロライナ州の失業給付金は323ドル/weekと指摘していたのを考えると生活必需品は賄えるかもしれないが、微妙な金額である。物価って全米でほぼ同一のはずはないが、どうなんでしょうか。
ルビオ議員の発案では、中小企業支援については助成金というかたちで提供するということだったが、まだ把握しきれていない。
また、Politicoによるとホテル、小売り、カジノ業界にも150億ドルの支援が提供されるようだ。
ムニューシン財務長官は、23日までに大統領署名までしてほしいというスケジュールを要請しているが、まだ共和党法案に対して民主党からは「企業経営者にお金が流れないようにしてほしい」というコメントだけで詳細がみえない。民主党は、さらに予算増額したいようなことにも言及している。

また、トランプ政権の意向をくんだかどうかとなると、その点はわからない。一つだけ言えることは、この案はミット・ロムニー議員は早い段階で訴えていたし、共和党内でコーカスをつくった可能性がある。小切手送付ではなく、税還付になっている。

マコネル氏が19日公表した上院共和党の刺激策は個人に1200ドル、夫婦には2400ドルの税還付が柱となる。所得が個人で9万9000ドル、夫婦では19万8000ドルを超える納税者に対しては還付を段階的に完全になくしていく。
また、新型コロナの感染拡大に苦しむ企業に対して計2080億ドル相当のローン提供も盛り込まれている。内訳は航空セクターに580億ドル、影響を受ける他の分野に1500億ドル。中小企業の支援には3000億ドルを用意する。
  ただ、融資には条件も付いており、ローンを受けた企業の経営幹部の給与に上限を設けたり、特定の行き先への航空業務は中断しないという要件を付けたりする。連邦政府には「適格企業の財務上の成功を条件に」、ローン支援を受ける企業の株式取得も認める。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-20/Q7GP35T0G1KX01?srnd=cojp-v2

共和党案が正式に発表された直後は、CMEも動いていなかった。CMEが動いてからの動向としては、この発表は大きかったが、CMEダウ先物は大きく上昇も下落もしなかった。金額だけみればサプライズなしなので折込済みといったところかもしれない。

トランプ政権が原油価格戦争に口先介入

口先介入のおかげなのか、原油価格が少し持ち直した。トランプ政権は、新型コロナウイルス対策よりも原油価格戦争にシフトしたかったが、急拡大したため、いったん問題をおいておいたのだろう。

トランプ氏は「ロシアは経済全体が原油収入を基盤に成り立っているが、石油価格がここ数十年で最も低くなっている。壊滅的な事態だ。サウジにとっても状況は非常に悪い。だが、両国は価格と生産の面で戦っている。適切な時期に私が介入する」と述べた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-19/Q7GAYZDWX2PS01?srnd=cojp-v2

さて、この原油価格戦争については、何度も述べているようにロシアとサウジアラビアの価格戦争だ。ロシアはサウジと交渉してもいいとしているので、サウジをどうにか説得しなきゃいけないが、説得できるのは米国くらいだろう。

で、何が一番いいかというとトランプ政権の常套手段とかしている「ドル決済させないぞ」という脅しだ。フォーリン・アフェアーズによると、イラク米大使館が襲撃されて、イラク議会まで米軍撤退決議をだした時に米国はすぐさま「ドル決済させなくするぞ」と脅したらしい。イラクの国家歳入は8~9割が石油なので、そんなことされたら歳入がふっとぶのでさすがにイラクも黙ったらしい。

たぶん、サウジアラビアにも同様のことをやるだろう。そしてサウジは徐々に減産していく方向にはしるんじゃなかろうか。米国シェールオイル企業の採算は40ドル台/バレルなので、そこまで戻すように仕向けるでしょう。
減産合意が終了するのは4月1日なので、そこまでに動くのではなかろうか。