株式市況/ロシアは強気に出てきたので、原油価格暴落は長引く

昨日のBOJは1014億円お買い上げ。 何がなんでも支える姿勢を示したようですが、1日あたり1000億円ていどじゃ海外の売りの防波堤にはなりません。

日経平均 19698.76 ▼5.06%
TOPIX 1388.97 ▼5.61%
【ドル建て日経平均】191.88 ▼2.15 -4.22 [15:00]
マザーズ 646.20▼9.75%
ドル円 102.65 15:04JST
WTI原油 29.524 15:04JST
東証一部出来高 2,518,470,000株 15:00

CMEのサーキットブレーカーが発動されていたとは知らなかった。私は、米株価指数先物CFDをみているんだけど、CFDは稼働していたんだよなぁ。

アジア時間9日午前に米株価指数先物が相次ぐ売り注文で急落し、前営業日終了時点の基準価格から5%を超える下げを制限するシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のルールが発動された。
S&P500種株価指数Eミニ先物はニューヨーク時間8日午後8時5分(日本時間9日午前9時5分)時点で2819と、6日の取引最後の30秒間に計算された基準価格から5%下落した水準となった。この取引制限では、その水準を下回る価格での取引はその後のオーバーナイト取引で実行できなくなるが、それ以上の価格での取引は認められる。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-09/Q6WEZMDWRGG201

続いて、アジア市場と欧州。

【上海総合指数】 2,943.29 ▼3.01% -91.22 [16:02]
ハンセン指数       25,040.46   ▼4.23%
Europe Stoxx 600     339.50 ▼7.44%
MSCI Emerging Markets  947.92 ↓ [3/9] 年初来安値更新! 
( 52 WEEK RANGE 947.92 – 1,150.91 ) 
MSCI Intl Emerging Market Currency    1,627.24 ↓ [3/6] 
( 52 WEEK RANGE 1,587.38 – 1,673.26 ) 
バルチック指数        617.00  △3.01%     [3/6] 
( 52 WEEK RANGE    415.00 – 2,518.00 )  2016年2/5 297.0が直近最安値

欧州の真水指数は、ウェイトがどの銘柄も1%を超えないEurope Stoxx 600  だと考えています。欧州株は、リーマンショック以来の下げ幅となったようですが、リーマンショック時の底は170台なのでまだ余裕があります。まだ本番はこれからです。
それにしても、STOXX欧州600種石油・ガス株指数は16.83%下落!欧州にもBPとか、トタルとかあるからねぇ。

続いて、米国市場。寄り付き直後に主要3指標が7%を超える下落でサーキットブレーカー発動をして15分間停止。リアルタイムでみていないので、後で会長のを振り返ってみます。
米国内コロナウイルス感染者はあっというまに600名を超えました。6州くらい非常事態宣言出しているんだったかな。連邦議員が4名ほど感染して隔離されているようで、大物の強硬派で大統領選挙にも出馬したことあるテキサス州テッド・クルーズ上院議員も隔離ですw この大事な時に議会が休止したら予算取り進まないじゃん。はっきりいって、危機にめっぽう弱いトランプ政権で、議会まで休止したら最悪です。リーマンショックではなかったことです。

【NYダウ】 23,851.02 ▼7.79% -2013.76 [03/09]
(52週最高値  29,551.42   52週最安値  23,851.02 ) 52週最安値更新!
NASDAQ    7,950.68  ▼7.29% –
(52週最高値      9,731.18   52週最安値7292.22 )
S&P500       2,746.56  ▼7.60% –
(52週最高値   3,380.16    52週最安値2722.27) 
ラッセル2000種指数     1,313.432 ▼9.37% –
(52週最高値  1,706.175   52週最安値 1,266.925 )
【VIX恐怖指数】       54.46 ↑(一時、56まで上昇!) 
Fear & Greed Index  3↓(Extreme Fear)ここ10日間で最低値! 
【WTI原油】       31.074 ↓ 5:44JST
【NY金先物】  1676.80↑ 5:44JST
ドルインデックス: 95.07↓
米国30年債利回り:1.025↓ 過去最安値!
米国10年債利回り:0.560↓  過去最安値!
米国 2年債利回り:0.413↓
米国3か月債利回り:0.38↓ 
ブルームバーグ商品指数トータルリターン   144.6936 ▼4.15% 52週最安値更新
( 52 WEEK RANGE  144.6936 – 174.8420 ) 2016年1/15最安値を下回る
フィラデルフィア半導体指数 1558.16▼8.34%
NYFANG:IND    3,104.487 ▼7.07 
( 52 WEEK RANGE   2,244.232 – 3,921.452 )
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100 2,210.47 ▼0.97%  [3/6]
(52 WEEK RANGE  2,049.76 –   2,287.33 )
BofAML US High Yield Master II Effective Yield 5.82[3/5]
BofAML US Corporate BBB Effective Yield 2.67[3/5] 
BofAML US High Yield CCC or Below Effective Yield 12.76 [3/5]
Volume on U.S. exchanges was 17.22 billion shares, compared with the 11.05 billion average over the last 20 trading days.
AAPL 266.17▼7.91% (52週最高値  327.85 52週最安値153.66 )
AMZN 1800.61▼5.29% (52週最高値 2185.95 52週最安値1566.76 )
GOOG 1215.56▼6.38% (52週最高値 1529.63 52週最安値1025.00 )
MS   150.62▼6.78% (52週最高値 190.70 52週最安値102.17 )
NVDA 245.44▼7.74%( 52週最高値 315.41 52週最安値131.00 )
FB   169.50▼6.40% (52週最高値 224.20 52週最安値143.43 )NFLX  346.49▼6.09% (52週最高値 392.92 52週最安値252.28 )
TSLA  608.00▼13.57% (52週最高値 968.99 52週最安値176.99 )
※52週最高値・52最安値更新:2020/03/05時点


S&P500で、業種別でみると、昨日はエネルギー業種と金融業種の沈みが著しい。年初来パフォーマンスも、エネルギー業界は44%の下落!金融業種も26%減少!

3月18日のFOMCも、0~0.25%の利下げ45%じゃないですか。
米国のカード会社は、年利12~24%を顧客からの収入として得ているから、0%近くになったら危ないだろうに。

国債などを担保に資金を供給するレポオペの上限を引き上げしたが、 短期金融市場から資金が流出しているわけではないとロイターは書いている。リセッションに伴う現金調達ってことかな…

翌日物の上限は1500億ドルとし、現行の1000億ドルから引き上げる。14日物については3月10日と12日実施分の上限を450億ドルとし、現行の少なくとも200億ドルから引き上げる。
この日の翌日物オペでは1129憶3000万ドルの応札があり、全額が供給された。供給額は昨年9月のオペ開始以降で最大となる。NY連銀は必要に応じてレポオペの調整を続けると表明した。

https://jp.reuters.com/article/usa-fed-repo-idJPKBN20W2C7

原油の経緯については、昨日の記事をご覧ください。
オイルマネー(GCC政府系ファンド)の資金引き上げについては、別途まとめます。サウジアラムコは昨日10%下落してストップ安。GCCエリアの指数は、こぞって10%近く下落していました。

ロシアと中東が緊張緩和発言したら、株価が戻るなぁと思って信用は早めに売却したのですが、まさかの火に油を注ぐ発言。恐ロシア。
ロシア財務長官が、ロシアは1バレル25ドル~30ドルでも6~10年間は大丈夫だよんという発言が、日本時間昨日夜7時頃にありました。ロシアは価格戦争を確信犯で仕掛けたようなもんじゃないですか。
ゴールドマン・サックスは、原油価格競争が悪化すればブレント原油さえも20ドル台に落ち込むという見解をだしてきました。

Russia’s oil-wealth reserves in the National Wellbeing Fund are “sufficient to cover lost revenue if oil prices drop to $25 to $30 a barrel for six to ten years,” the Finance Ministry said in its statement. Goldman Sachs Group Inc. predicted Brent could quickly dip into the $20s if the price war intensified.

 https://www.bloombergquint.com/business/russia-readies-ruble-support-as-currency-sinks-in-offshore-trade

原油については、世界需要は2~3割減というのは、中国が感染拡大してから織り込まれていました。今度は、2009年以来で初めて需要量が減少するっていうことですか…。これはもう。

国際エネルギー機関(IEA)は新型コロナウイルスが世界経済に打撃を与えるとして、今年の世界石油需要が2009年以来で初めて減少するとの見通しを示した。 IEAは先月、日量80万バレルを若干上回る程度の需要増加見通しを示していたが、今回発表した月報では日量9万バレルの需要減を予測している。IEAとしては異例だが、需要の落ち込みがさらに深刻となる悲観的シナリオも示した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-09/Q6X8RDT0AFB601?srnd=cojp-v2

成毛氏は、この著者の記事が優良としているが、私にはいまいちピンとこない。サウジアラビアが米国シェール業界にケンカ売ったというよりも、ロシアに喧嘩売られて暴挙に出たほうがしっくりしく。
ただし、以下の部分は知らなったので、なるほどなと。

実は、サウジは通常長期契約を結ぶ際、出荷量だけを最初に決めておき、価格については前月の前半に翌月分のものを顧客に通知するという方式を取っている。その際の価格はベンチマークとなる価格との価格差として提示され、アメリカ向けなら「WTI原油プラス何ドル」や「同マイナス何ドル」とうった形となる。サウジは7日に顧客に価格を通知したが、これがアメリカ向けで前月から7ドル、欧州向けが8ドル、東アジア向けが6ドルのマイナスと、大幅な値引きとなったのだ。

https://toyokeizai.net/articles/-/335627?display=b

今回の事態は、Oil Price Warと名付けられていて、もうブルームバーグTVもCNBCも昨日は Oil Price War 一色でした。
サウジアラビアが何かエサを出して、ロシアを説得するしかなさそうな気がします。知らなかったが、サウジはロシアに100億ドルの投資をしていたんですね
今のロシアの地政学的状況を考えると、確かに米国が背後にいるサウジアラビアは邪魔なはず。リーマンショックの振返りを優先していて、フォーリン・アフェアーズを2か月分読んでいないので、急いで地政学状況を振り返らなきゃ!

・トルコとロシアは開戦しかけたが、停戦合意した。しかし、エルドアン大統領は、イドリブ地域における停戦合意にアサド政権軍が違反すれば、作戦を再開すると警告している。
・イランへも、シリアのアサド大統領を通して密接な関係になっている。

ここで米国が仲介すればいいはずなんだが、今のトランプ政権は仲介できないだろう。つまり、原油価格下落は長引くとよんでいます。サウジ王子MBSとクシュナーはホットラインがあるはずだし、トランプ大統領とプーチン大統領もホットラインがあるはず。米国エネルギー企業を救うためにも、米国株式市場を救うためにも、動いたほうがいいのにね~