日本時間で7時半~ペンス副大統領が、コロナウイルスに関しての記者会見を行った。
ペンス米副大統領は2日、ホワイトハウスで記者会見を行い、新型コロナウイルスによる米国民へのリスクは依然として低いとの見方を示した。
https://jp.reuters.com/article/pence-corona-idJPKBN20P3CN
新型ウイルスの感染が広がっている韓国とイタリアの空港で向こう12時間以内に、すべての乗客に対しウイルスのスクリーニング検査を開始することも明らかにした。
ポイントが二つある。
一つ目は、海外からくるコロナウイルス感染者をいかにブロックするかだ。米国は2/2以降、 過去14日以内に中国に滞在した外国人の入国を一時的に禁止するなど、厳しい制限措置を取ってきた。中国から帰国する米国人にも検査や隔離を義務付けた。
しかしながら、湖北省出身者が春節直前の1月20日くらいから封鎖されたものの、既に春節10日前くらいから旅行や帰省に出るのが慣例のようで、封鎖判断は遅かったのだ。既に中国人旅行客がウイルスをばら撒き済みと考えるべきなのだ。米国は比較的早い禁止を出したが、それでも遅かったのだ。
既に米国の航空会社は、株価下落が止まらなくなってきた。
航空業界は「金融危機や米同時多発テロのような需要・収益ショック」に見舞われる恐れがあると述べた。 ダウ指数は5%近く上昇したが、アメリカン・エアライン社も、ユナイテッド・エアラインズも約1%の続落で終わっている。今回は世界的な需要激減ショックであり、需要ショックということは、各社の収益源になるのだ。
それにしても、スクリーニング検査とやらが厄介で、100%とはいえないとかいろいろな情報が飛び交っている。入国禁止にした方がよいくらいだ。つまり、この措置はあまり効果がないだろう。米国での広がりは、中国人が多い西海岸、東海岸の都市部で多いようだが、フロリダ州やテキサス州でも出現している。こういう平坦な地図でみると、このまま広がっていきそうに思えるので、地形図でみてみよう。
米国には西海岸寄りに南北に走るロッキー山脈がある。
最高峰はコロラド州のエルバート山で標高4399m、山脈のほとんどが3000mから4000m級の山からなり北のカナディアンロッキーと南のニューメキシコ州周辺まで下ると3000m級、あるいは2000m級と若干標高が下っていく。 このあたりは砂漠地帯もあり、ネヴァダ州一帯にある Great Basin Desert 、テキサス州、ニューメキシコ州のChihuahuan Desert、アリゾナ州のSonoran Desertなどがあるのだ。つまり、人口が少ないエリアなので、よっぽど密集した空間にいかない限り、感染確率は低い。
一方で、東側にはアパラチア山脈が存在するものの、フロリダより上の南部州、上はヴァージニア州から西側にテキサス州まで平坦な地形なので住宅街などではあっというまに広がる可能性がある。
とはいえ、国内線が発達している米国では、地形なんか関係なさそうなのであっという間に広がる気もします。
さて、ポイントの二つ目はワクチン開発についてだ。
トランプ大統領は自信満々に、製薬会社との会合をセッティングして、ヒアリングをしたようだ。このような会合セッティングは、クシュナー大統領補佐官お得意の業だし、トランプ大統領自身も好んでいるようだ。
トランプ米大統領は2日、新型コロナウイルスの新薬を巡り製薬会社幹部と会合を持った。また、今週中に連邦衛生当局を訪問することも明らかにした。新型肺炎対応に自身が積極的に関与していることを示す狙いとみられる。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-02/Q6L5GJDWRGG201
ペンス副大統領はコロナウイルスに関する記者会見で、自信満々にワクチン開発が進んでいると述べていた。しかし、治験まで6週間以内にはじまるのであって、じゃあその前にどうやったら国内で拡散を防げるかの対応が重要になるが、結局はそれは一つ目のスクリーニング検査だけだったようだ。
医療費が高額な米国で、少なくとも夏までは持ちこたえよというつもりだとしたら、医療債務が増えるだけだ。医療費をクレジットカードで支払っていたら、カード債務増額として見えてくるはずだ。既に医療債務は1兆ドルもあり、火種になっている。
医療費が高い米国内でパニック買いになるのはまだ理解できる。感染しないように家から出なければいいだけだからねw 医療費が格安な日本とは事情が違う。
ペンス米副大統領は1日、FOXニュースの番組で、新型コロナウイルスのワクチン治験が「6週間以内という異例の(早い)時期に始まる」と述べた。ただ、今年夏までのシーズン中にワクチンが利用可能になることはなさそうだとも指摘した。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020030200251&g=int
コロナウイルスは米国で蔓延する可能性の方が高い。そして、それをトランプ政権は防ぐことはできない。なぜならば、トランプ政権に公衆衛生専門家はいないし、リーダーシップがないといわれているペンス副大統領が指揮官となったからだ。共和党議員は、迫る選挙で危機感を覚えているに違いない。
一方で、肝心の財政出動についての議会の動きは遅い。
2週間以内に可決って、2週間も待たせるんですか。炎上しちゃうよ~
米共和党のマコネル上院院内総務は2日、上院が新型コロナウイルス対策の歳出法案を「2週間以内に」可決することを望んでいると述べた。
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-senate-idJPKBN20Q02N
新型ウイルス対策として数十億ドル規模の予算を確保するための法案で、下院では4日にも同様の法案の採決が予定されている。