議会は民主党大統領候補としてバーニー・サンダースを容認しはじめた

バーニー・サンダース上院議員は、長らく無党派を貫いてきた。2016年の大統領選挙後では、民主党指導部入りしたこともあったが、基本的には無党派だ。サンダース議員の国民人気が高まってきて大統領当選したとしても、議会とうまく折り合いをつけなければ、予算を伴う、ほぼすべての政策は絵に描いた餅になる。つまり、どうやって民主党指導部と一致団結して取り組むかが重要なのだ。民主党トップ2人がサンダース議員を民主党大統領候補として容認している兆候が出てきたのは、民主党勝利にむけた大きな前進になるはずだ。

House Speaker Nancy Pelosi (D-Calif.) on Wednesday said she would be comfortable with Sen. Bernie Sanders (I-Vt.) as the Democratic presidential nominee in November.
(中略)
Senate Minority Leader Charles Schumer (D-N.Y.) on Tuesday also suggested that he would be comfortable with the Vermont senator as his party’s nominee. 
“Look, the bottom line is very simple,” Schumer said Tuesday when asked about Sanders’s praise of former Cuban leader Fidel Castro’s literacy program.
“We have a lot of strong nominees. … I’m not supporting one over the other, but I think every one of them will beat President Trump,” he said.

2016年にトランプ・キャンペーンチームと共和党指導部も同じような歩みよりをしてきた。
かつて、トランプ陣営選挙チームは選挙戦を勝ち抜くうちに、共和党指導部の力が必要になると気づいた時があった。ライアン元下院議長と衝突する時も多かったが、 共和党が結束して2016年秋に勝利を得るという大きな目的に向かって停戦合意した。共和党内部も決して一丸になっているわけでなく、トランプ政権の意向に背く判断を下している部分も多い。今思うと、よくぞ減税改革を成し遂げたと思うんだが、ライアン元下院議長の存在は大きかったようだ。未だにライアン元下院議長の発言は注目されるが、つい最近は「トランプ大統領が何か成し遂げたかって?減税しただけじゃないか」と言い放っていたw


サンダース議員の政策課題は過激だの社会主義だのメディアで叩かれているが、ホームページ上できちんと政策課題をみてから判断した方がいい。確かに、富の再分配を徹底しようとする政策は米国共和党とは相いれない。しかし、最近の米民主党の傾向としては、富の再分配を強調しているので、米民主党とは相性がいいことがわかる。ただし、どこまで富の再分配をするかのさじ加減については、民主党議員内でもまとまっていない。

それもそのはずだ。民主党で下院議員の約半数は、マイノリティが占める。共和党下院議員でマイノリティの比率は1割にも満たない。上院議員は、州の代表という要素があり各州2議席しかないので共和党、民主党ともに白人が多くを占めている。

https://www.statista.com/chart/18905/us-congress-by-race-ethnicity/

こういった人種構成なので、当然ながら民主党はプロテスタント比率が低くなる。カトリックとプロテスタントがほぼ同数だ。なにせ、米民主党の下院議員では、カトリックとプロテスタント層がほぼ1:1だ。なんあら、ペロシ下院議長はカトリックだし、シューマー上院院内総務はユダヤ人(両親もユダヤ人)だ。

プロテスタントは富の格差を容認する。なぜならば、Godによって与えられた能力Callingを発揮しているからであり、それは神から与えられたものだからだ。
God>国家の図式なので、国家が再分配をしてはいけないのだ。

referer: https://www.pewforum.org/2019/01/03/faith-on-the-hill-116/

ちなみに、ユダヤ人同士であり、ブルックリンの高校同級生であるシューマー議員とサンダース議員は、従業員の給与を引き上げない限り、自社株買い禁止させる法案を提出して随分たたかれた。サンダース候補が大統領になって、民主党が過半数をとれた場合には、こういった法案が可決する可能性があるのだ。構えておいたほうがいいだろう。

チャック・シューマー上院議員とバーニー・サンダース上院議員はニューヨーク・タイムズ紙の論説で、企業が従業員に対して時給15ドルの最低賃金を支払い、従業員と企業の長期的な強みに対する投資の一定の基準を満たさない限り、自社株買いを禁止する法案の提出

https://jp.wsj.com/articles/SB10947923048508003691304585116983271610468