バーニー・サンダース議員が躍進しています。
冷静に考えれば、Bクラスク候補が多い中で、2016年にヒラリー・クリントン候補との一騎打ちまで残ったのはバーニー・サンダース議員でしたね。当初から若者支持者が多かったこともあり、彼らはますます経済的に苦しい状況に立っているのでサンダース議員支持からスイッチングする理由もほぼないのだと思います。
で、サンダースが掲げる政策は以下の通り。
サンダースのキャンペーンサイトから引用。
- A Welcoming and Safe America for All
- Medicare For All
- The Green New Deal
- College for All and Cancel All Student Debt
- The Workplace Democracy Plan
- The Right to a Secure Retirement
- Housing for All
- Honoring Our Commitment to Veterans
- Free Child Care and Pre-K for All
- Justice and Safety for All
- Eliminating Medical Debt
- A Thurgood Marshall Plan for Public Education
- Fair Banking for All
- Tax on Extreme Wealth
- Supporting Historically Black Colleges & Universities and Minority Serving Institutions
- Racial Justice
- High-Speed Internet for All
- Get Big Money Out of Politics and Restore Democracy
- Income Inequality Tax Plan
- Revitalizing Rural America
- A Responsible, Comprehensive Foreign Policy
- Fight for Women’s Rights
- Get Corporate Money Out of Politics
- Fight for LGBTQ+ Equality
- Fighting for Disability Rights
- Empower the People of Puerto Rico
- Making The Rich Pay Their Fair Share in Taxes
- Legalizing Marijuana
- Gun Safety
- Empowering Tribal Nations
- Real Wall Street Reform
- Jobs and an Economy for All
- Fight For Fair Trade and Workers
- Corporate Accountability and Democracy
誤訳もあると思いますが、私なりの解釈ということで翻訳していきます。
- DACA( 不法子女救済措置 )の復活と拡充
- 国民皆保険
- 温暖化対策。100%再生エネルギーを目指して新たな雇用創出。200億ドル規模の気候変動ファンド設立。
- 4500万人が抱えている学生ローンの帳消し。カレッジ、大学等の授業料無償化。
- 職業別労働組合の再構築
- 高齢者への年金保障(最低年金の提供)
- 手ごろな住宅の供給
- 退役軍人向けの保証
- Pre-Kindergartenの無償化などの育児保障
- Justice and Safety for All
- 7900万人の81億ドルもの医療債務を抱えている。破産者の66.5%は医療債務が原因なので、この問題に対応していく。
- A Thurgood Marshall Plan for Public Education
- Fair Banking for All
- 富裕税 3200万ドル以上で1%とし、100億ドル超の8%まで富裕税
- Supporting Historically Black Colleges & Universities and Minority Serving Institutions
- Racial Justice
- High-Speed Internet for All
- Get Big Money Out of Politics and Restore Democracy
- 経営者と従業員給与の格差に応じた追加法人税
- Revitalizing Rural America
- A Responsible, Comprehensive Foreign Policy
- Fight for Women’s Rights
- Get Corporate Money Out of Politics
- Fight for LGBTQ+ Equality
- Fighting for Disability Rights
- Empower the People of Puerto Rico
- ミリオネアやビリオネアに対する不動産税、上位1%に対する株式譲譲渡税や配当税を導入
- Legalizing Marijuana
- Gun Safety
- Empowering Tribal Nations
- JPMorgan Chase, BofAなどの再構築。連邦準備銀行の会計監査。
- Jobs and an Economy for All
- Fight For Fair Trade and Workers
- Corporate Accountability and Democracy
サンダース議員の政策をざっと見た限りの要点としては、以下の5つかな。
- 富が一部に集中することを否定。医療、教育の機会を無償で提供して機会を平等にしたい。現在背負っている医療債務と学生ローンを帳消し。
- 富を分配するために富裕税の導入、大手金融機関の解体
- ウォーレン議員と違って、GAFA解体までは言及していない
- マイノリティの権利、女性の権利、LGBTの権利を守る
- DACA拡充で移民を促進
- 外交方針がぜんぜんわからないし、優先課題に上がってきていない。
社会主義というレッテルを張るよりも、大きな政府+プロテスタントの思考を否定するような政策だと考えるとわかりやすい。ある意味、日本人にはわかりやすいし、馴染みやすい政策かもね。
米国の格差が容認されているのは、プロテスタントの考えの一部である、富が集中しても、それは神の御導きだから肯定すべきという発想がある。それは医療でも同じこと。命は決して平等に与えられてるのではなく、神の御導きによって決まるという発想。教育も同じですよね。
神が導くのではなく、国家が分配するというのは、プロテスタント国家からすると相容れない発想だろうなぁ。
では、仮にサンダース大統領候補が、大統領になったらどうなるか?
おそらくですが、ほとんどの政策が予算通過しないと思いますよ。富裕税の導入も、学生ローン帳消しについても、すべてにおいて政府予算が必要になるため、大統領権限では無理です。大統領令を発動したとしても、あれはあくまで政府から議会への要請であって、極端にいうと議会はそれを無視してもよい。予算はあくまで議会が握るのです。サンダース議員の積極的な支持者は、あのスクオッド4人組くらいで、まだそんなに多くないはず。そうなると、共和党だけでなく、民主党でさえサンダース政権と対話ができなくなりカオスになるかもしれませんね。
今のところの予測では、下院は民主党が多数派、上院が共和党多数派になる選挙予測です。仮に民主党が上院・下院ともに多数派になったとしても、サンダース政権と歩み寄っていけるかは甚だ疑問でもあります。
民主党議員の重鎮たちは、サンダース議員の躍進をヒヤヒヤしているのではないでしょうかね。