株式市況/米国市場は暴落、コモデティ価格下落が止まらない

昨日の終値。
【日経平均株価】 23,205.18 △0.99% +227.43 [01/31]
TOPIX 1,684.44△0.58%
マザーズ 823.37△1.43%
【ドル建て日経平均】212.79 △0.87% +1.83 [15:00]
【ドル円】 109.04 +0.12 △0.11% [15:04]
東証一部出来高 1,376,920,000株 15:00
米先物市場は終値からほぼ変わらず

昨日は10時に1月中国PMIが発表されて大きく上昇した。
しかし、10分後くらいから徐々に20日以前に集計されたデータだということが広まっていき、ずるずると下落していったw
アルゴリズムによるヘッドラインの自動売買も困ったものだなぁ。
WHOは渡航しても大丈夫といっておいたのに、米国務省はレベル4に引き上げて中国へ渡航しないように呼び掛けた(10:50JST)


China A50 Futures は1/17から昨日まで11.9%下落です。
中国市場は2/3(月)に開場予定ですが早々に10%下落してサーキットブレーカーが発動するでしょう。ハンセン指数の下落が小さいですが、10%構成率を占めるテンセントが▼0.53%、HSBCは△0.26%、AIAは ▼0.70%です。中国本土大型企業は2%下落しているものもあります。
尚、ハンセン指数先物は、ハンセン指数から更に▲1.5%下落で終えた。ハンセン指数先物は、香港市場での取引みたいですね。日本時間10:14~翌朝4:00まで稼働しているようです。

China A50 Futures  12,729.0 ▼0.81%
ハンセン指数   26,312.63 ▼0.52% [1/31] 
ハンセン指数先物 25,910(終値から
台湾 TAIMEX   11,495.10 △0.64% +
MSCI Emerging Markets 1,062.34↓   [1/31] 
( 52 WEEK RANGE 956.59 – 1,150.91 ) 
MSCI Intl Emerging Market Currency     1,648.85    ↓ [1/30] 
( 52 WEEK RANGE 1,587.38 – 1,673.26 ) 
バルチック指数         498.00 ▼5.14% [1/30] →52週最安値更新
( 52 WEEK RANGE     498.00    – 2,518.00 ) 

コロナウイルスの致死率なんてトラッキングしてはダメで、どれくらい休業が続くかが超重要だと考えています。当初から2/6か2/7までの休業だったので、休業期間がすごく長引いたわけではなさそうです。ただ、GDPの約69%を占めるエリアが休業なのでダメージは大きいでしょう。

中国では上海市や重慶市、広東省、浙江省、江蘇省など地方政府が春節(旧正月)の連休を2月2日以降も続け、企業に少なくとも2月10日まで休業するよう指示した。
ブルームバーグの算出によれば、少なくとも2月第2週まで企業活動を再開しないよう求めている14の1級行政区(省・直轄市・自治区)は国内総生産(GDP、2019年)の約69%を占める。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-01-21/Q4FIP4DWRGG101

Bloombergのどの記事かわかっていないのですが、GDPへのインパクトがでていますが、1Qは▲1.5%近くマイナスで、年内は0.5%に満たない成長率になると予測されています。このGDPは日本とかEUお荷物国家なみなんですが大丈夫でしょうか。

しつこいですが、コモディティへの影響が大きいです。

米WTI原油先物CLc1は0.58ドル安の51.56ドル。週間では4.8%下落した。取引時間中には一時50.97ドルと昨年8月上旬以来の安値を付けた。

https://jp.reuters.com/article/global-oil-coronavirus-idJPKBN1ZU2ZT

石炭に続き、銅の先物価格も下落が止まりません。中国は、世界の消費量の半分を消費しているようで、銅の先物価格もまた中国経済動向を示すうえで重要なようです。もう少しで2019年8月の米中貿易摩擦懸念が高まった時の先物価格に近づきます。

参照元: https://jp.tradingeconomics.com/commodity/copper

更には、鉄鉱石のCommodity Shipping Cost(船荷料金って訳せばいいのかしら?)が9割下落ですって。バルチック海運指数も2016年以来の下落だと。
Commodity Shipping Costは、中国商品輸入が活発になると、価格上昇して、停滞気味になると価格が下落する傾向があるということを何かで読んだ気がします。なんか世界のコモディティは中国消費でまわっていたといっても過言ではないような状況ですね。

Rates for giant Capesize ships, typically used to carry raw materials such as iron ore, plunged 90% from a September peak to less than $4,000 a day based on an index that tracks their earnings. A wider Baltic Dry Index more than halved in January to hit the lowest since 2016, as the worsening outbreak brought an already-weak freight market because of the Lunar New Year to its knees.

https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-01-31/capesize-index-sinks-99-95-to-near-zero-as-virus-slams-freight

続いて、米国市場。 出来高が膨らんでいて、恐怖指数が上昇、 Fear & Greed Index の下落しているのでリスクオフにはしったのでしょう。そして 米国3か月債利回りと米10年債利回りが逆転したことは重要です。ただ、2年債と10年債の逆転はそうすぐには起こらないでしょう。
NASDAQ OMX China Technology は1/17から9.7%の下落。米国に上場しているチャイナ企業150社のうち、ナスダック上場のハイテク企業が構成されています。NY証券取引に上場しているアリババが最も時価総額がが大きいですが、1/17から9.1%の下落です。

【NYダウ】 28,256.03 ▼2.09% -603.41 [01/31]
(52週最高値  29,348.10 52週最安値 23,765.24  ) 
NASDAQ    9,150.94   ▼1.59%
(52週最高値 9,402.48 52週最安値6190.17 )
S&P500      3,225.52 ▼1.77%
(52週最高値    3,329.62 52週最安値2346.58 ) 
ラッセル2000種指数 1,614.061 ▼2.07%
(52週最高値  1,706.175   52週最安値 1,266.925 )
【VIX恐怖指数】        18.84
Fear & Greed Index  44↓(Fear) 
【WTI原油】      51.62
【NY金先物】 1,588.70
ドルインデックス: 97.18
米国30年債利回り:1.999↓  WOW!!
米国10年債利回り: 1.509 ↓  WOW!!
米国 2年債利回り:1.323 ↓
米国3か月債利回り:1.55 ↓
ブルームバーグ商品指数トータルリターン  159.3501 ▼0.40%
NASDAQ OMX China Technology (CHXN9000) 1,902.97 ▼1.11%
(最高値 2020年1月17日  2,108.3 )
NYFANG:IND  3,361.140 ▼0.91%
( 52 WEEK RANGE  2,065.031 –   3,430.505 )
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100  2,279.58 ▼0.03% [1/30]
(52 WEEK RANGE  2,049.76 –   2,287.33 )
BofAML US High Yield Master II Effective Yield 5.38↑[1/30]
BofAML US Corporate BBB Effective Yield 2.93↓ [1/30]
BofAML US High Yield CCC or Below Effective Yield 11.98 ↑ [1/30]
米取引所の合算出来高は約90億3000万株。直近20営業日の平均は76億1000万株。
AAPL 309.51▼4.43% (52週最高値  327.85 52週最安値153.66 )
AMZN 2008.72△7.38% (52週最高値 2035.80 52週最安値1566.76 )
GOOG 1434.23▼1.48% (52週最高値 1503.21 52週最安値1025.00 )
MS   170.23 ▼1.48% (52週最高値 16874 52週最安値102.17 )
NVDA  236.43 ▼3.82%( 52週最高値 259.50 52週最安値131.00 )
FB   210.91▼3.64% (52週最高値 224.20 52週最安値143.43 )
NFLX  345.09 ▼0.76% (52週最高値 385.99 52週最安値252.28 )
TSLA  650.57△1.52% (52週最高値 653.00 52週最安値176.99 )
※52週最高値・52最安値更新:2020/01/29時点

まずは、重要な経済指標を振り返り。 個人消費は米経済の3分の2以上を占めるので重要です。設備投資は鈍っている状況なので、消費頼みともいえます。
農家への補助金が減ったというのは知らなかった。
所得の伸びが、消費の伸びを下回っているのですが大丈夫なんでしょうか…
カードで買い物しているんだろうなぁ。

米商務省が31日発表した2019年12月の個人消費支出(季節調整済み)は、前月比0.3%増と安定的に伸びた。市場予想と一致した。(中略)
個人所得は0.2%増。11月は0.4%増だった。12月は1年半続く米中貿易摩擦の打撃を受ける農家への補助金が減ったことを反映し、農場経営者の所得が362億ドル減少した。 賃金は0.3%増。11月は0.4%増加していた。所得の伸びが個人消費の伸びを下回ったことから、貯蓄は1兆2800億ドルと、11月の1兆3000億ドルから減った。

https://jp.reuters.com/article/usa-economy-spending-idJPKBN1ZU2EE

緊急事態宣言は、市場が閉まる16時(NY時間)に発表されたのかな?
米経済での中国インバウンド消費は3%しか占めないし、2/2からなら春節も終了しているから打撃がすくなそう。もはやWHOの判断ではなく、各国で判断するという感じになっていて国際連合の立ち位置が危ういと感じます。
どちらかとうと、中国事業展開する工場閉鎖とかが気になるのですが、個別企業ごとに経済への打撃を算出するのはプロに任せておきたい。

米政府は31日、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大について、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。
米国内での感染拡大阻止に向け、新型肺炎の震源とされる中国・湖北省に渡航した米国民を強制的に隔離するほか、過去14日間に中国に滞在した外国人の入国を拒否する措置を講じる。2月2日から実施する。 (中略)
中国で事業を展開する企業も対応に追われている。仏PSA(PEUP.PA)新型肺炎の震源とされる湖北省武漢市にある3工場を2月半ばまで引き続き閉鎖すると発表。韓国の現代自動車(005380.KS)は、新型肺炎の感染拡大による供給網の混乱を受け、今週末にスポーツ多目的車(SUV)の生産を停止する計画を示した。

https://jp.reuters.com/article/china-health-usa-31-idJPKBN1ZU32O

さて、Facebookが2日間で10%下落しました。決算発表で増収率がこれまでで低かったことが嫌気されたそうですが、色々問題も抱えています。

ソーシャルメディア最大手、米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)の資産が40億ドル(約4345億円)目減りした。前日発表された2019年10-12月(第4四半期)決算で増収率がこれまでで最も低かったことが嫌気され、30日の米株式市場で同社の株価が下落していることが背景だ。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-01-30/Q4XL72T0G1KW01

Facebookを批判しているものの、Facebookに広告を頼っているという現状。大統領選挙にこれだけの広告を費やしているってすごいですよ。
トランプ・キャンペーンなんかAdsence広告で弾劾は「でっちあげだ!」という広告でピンポイントの地域で1000万円ほど使っているらしいからすごいですよ。
ところで、 Adsence広告は配信先のエリア指定ができます。もちろん完璧ではなくて、ずれることも往々にして多いのですが、今思うと州別、街別の広告ってすごく重要で米国ならではだなと思います。その州のカラーとか街ごとのカラーがあるので、それごとにセグメントしないと広告効果は薄いですよね。
半径何メートルという設定もできるのですが、日本では店舗とかの小売りで広告配信する時は便利なんですが。
今でもAdsence広告はちょい仕事で利用していますが、米国の事情をふまえると、そりゃエリア設定が細かくできるようになっているはずだと思います。米国の広告戦略をそのままもってきてもうまくいくはずがないよなぁって今更ながら考えます。

 大統領選の候補者も共和・民主両党とも、重要な政治広告プラットフォームとしてのフェイスブックに依存しているが、もはや選挙遊説先や民主党員の間にシリコンバレーの巨人への親近感はほとんど残っていない。
(中略)
その傍ら、19年初め以降にウォーレン陣営がフェイスブックに投じた広告費は680万ドルを超える。バーニー・サンダース上院議員(バーモント州)も、フェイスブックに批判的ながら、同期間中に700万ドル超を費やした。トランプ陣営は同期間にフェイスブックの広告に2200万ドル余りを振り向けた。

https://jp.wsj.com/articles/SB11756598984438514912204586173353772723410