アメリカの外交委員会 1)

外交委員会は、上院と下院でそれぞれ設けられている。

米国の法案ステップを考えると、委員会の役割はとても大きいのだ。提出された法案はすべてその法案を審議・採択するのに必要な権限をもっている委員会に割り振られ、審議するかどうかも委員会次第なのだ。もっというと、委員長と小委員長がどう審議するかの決定権をもつため、何もしないことも可能になるのである。法案を通したいなら、あらかじめ委員長や小委員長とネゴシエイトしておかないと進まないのだろう。
詳細は、米国国務省が執筆している「法案が法律になるまで」を読むことをお勧めします。

下院の外交委員会: https://gop-foreignaffairs.house.gov/
上院の外交委員会: https://www.foreign.senate.gov/

当然だが、メンバーも公表されている。
下院外交委員会メンバーについては、驚くべきことにツイッターやFacebookがリンクされていて、要は発信するんだからフォローしなさいよということにいなる。

上院外交委員会メンバー: https://www.foreign.senate.gov/about/membership
下院外交委員会メンバー
https://gop-foreignaffairs.house.gov/subcommittee/full-committee/
それぞれの委員長は、上下院それぞれの与党がつとめている。

上院外交委員会委員長は、 Senator James E. Risch (共和党) – IDAHO
下院外交委員会委員長は、Eliot Engel NY-16, Chairman(民主党)

上院外交委員会メンバーの動向をみていると、最も頻繁に中国関係をツイートしているのが、そうマルコ・ルビオ上院議員なのだ。マイク・ペンスとも副大統領
彼は、2016年大統領選挙の共和党予備選挙にも出馬していた。ちなみに、外交委員会のテッド・クルーズ上院議員も出馬していて2016年5月で撤退して最後まで残ったうちの一人だ。ルビオ上院議員の撤退はその一歩手前だったようだ。

私が作成した外交委員会リスト
上院: https://twitter.com/doll__en/lists/senator-foreign-relations
下院: https://twitter.com/doll__en/lists/c-foreign-relations

これらをみている限りは、どうも中国に関するツイートをする議員が少ないように感じる。ルビオ議員は、連邦政府年金に対して中国株を組み込まない法案をすでに10月頃に提出済である。
正直、下院はメンバー数が多すぎてフォローしきれないのだが、委員会メンバー、特に委員長が中国について言及しないようでは法案作成が進まなくなってしまうのである。

もちろん、大統領権限でおこなえる関税をつかった中国締め付けも一つである。しかし、それと同じくらい強力な締め付けは、中国に対して強硬的な法案を作ってしまうことなのだろう。

法案が提出されただけの情報では不十分で、委員会での審議状況をトラッキングしていかないと、本当にその法案が成立するかはわからない。

米中覇権の動向は、トランプ政権だけでなく、米議会、もっというと外交委員会が握っているといっても過言ではないのである。