株式市況/米中合意は中国の希望的観測だ/米ダウ・S&P最高値にトランプ大統領は歓喜

【日経平均株価】 23,330.32 △0.11% +26.50 [11/07]
TOPIX 1,698.13△0.22%
マザーズ 873.81△0.28%
【ドル建て日経平均】214.51 △0.40% +0.85 [15:00]
【ドル円】 108.73 -0.23 ▼0.21% [15:11]
東証一部出来高 1,267,750,000株 15:00

続いてアジア。
ハンセン指数    27,847.23 △0.57%
【上海総合指数】 2,978.71 0.00% +0.12 [16:02]
MSCI Emerging Markets 1,073.57↑ [11/7]
(52 WEEK RANGE 929.90 – 1,099.18)
MSCI Intl Emerging Market Currency   1,643.80   ↓[11/6]
( 52 WEEK RANGE 1,575.1 – 1,658.2 ) 
バルチック海運指数   1,533.00   ▼7.43% [11/6]
( 52 WEEK RANGE 595.00 – 2,518.00 )

中国の破産システムについて素晴らしい記事だ。あまりに長いので一部しか引用していないが、全文読むことを推奨。
中国の破産システムでは、債権者よりも株主の保護をするとあるが、債権者は主に国有銀行で、主な株主は中国共産党という印象があるのだが、実際はどうなのだろうか。中小企業なら、銀行から借りられないから親族から借りたり、闇銀行から借りたりというのは多そうだな。
教科書的なことではあるが、日本でもまず企業が破産なり解散する場合、債務を支払う義務はあるが、株主には基本的には何か支払う義務はないはずだ。
あと、記事で書かれているのが、中国では「 借金を返せないことは道徳的な失敗と考えられる」「破産した人は恥」という考えが根強いようだ。
失敗を認めない文化が根付いているんだな…日本も他人事ではないが。
その点、米国は失敗は失敗と認めさせて、次に進めるステップを用意しているのがなんともクリスチャン的要素なような気もしまう。

中国の破産システムは、米国の連邦破産法第11条を参考にしたもので、裁判所の保護の下での企業再建を可能にし、事業を継続させ、時間をかけて債権者への返済を進めることを目的としている。
 だが、中国のシステムは少なくとも1点において、米国と大きく異なっている。それは、中国の破産裁判所が、社会不安を回避するため、債権者よりも株主の保護を優先することがあるという点だ。
対照的に米国では、破産申請した企業の株主は通常、所有権を失うか、または債権者への支払いのため資産が売却され、そうした所有権は実質上無価値となる状況に追い込まれる。
(中略)
債務超過となった多くの企業が、政府からの補助金や国有銀行からの融資によって、やりくりしていた。債権者を放置したまま、債務負担から逃れる企業もあった。
(中略) 経済が急拡大し、巨額の借り入れが行われた10年間を経て、中国の成長は鈍化しつつある。2018年に全国の裁判所が受け付けた企業破産の申請件数は1万9000件と、2年前の3倍以上になっている。
(中略) 金融情報サービス会社のウィンドによると、中国の銀行の貸出残高は17兆ドル(約1900億円)を超えている。規制当局は返済が90日以上滞っている債権を不良債権として認識するよう銀行に求めており、公式データによる不良債権比率は1.81%、その元本の総額は約3190億ドルとなっている。

https://jp.wsj.com/articles/SB11700520728564973312004586002933278178982

続いて米国市場。ワシントン時間では深夜2:30頃に中国商務省が「関税撤廃で合意」との発言があり、米国先物は上昇。市場があいてから、さらに上昇。
米金融・債券市場では国債利回りが3カ月ぶりの水準に上昇。典型的な株買い債券売りのようです。Fed WatchではFF金利現状維持が94.8%。
APEC首脳会議は、米国とチリ合同開催で2020年1月で調整中だとさ。

【NYダウ】 27,674.80 △0.66% +182.24 [11/07]
(52週最高値  27,492.63  52週最安値21712.53 ) 
NASDAQ    8,434.52   △0.28%
(52週最高値   8,434.68     52週最安値6190.17 )
S&P500      3,085.18 △0.27%
(52週最高値    3,039.42  52週最安値2346.58 ) 
ラッセル2000種指数 1,593.990 △0.28%
(52週最高値  1,266.925   52週最安値 1,618.369 )
【VIX恐怖指数】 12.73↑ 
【WTI原油】  57.052↑ [7:28JST] 
【NY金先物】 1468.30↓  [7:28JST]   
ドルインデックス: 98.13 ↑  [7:28JST]   
米国30年債利回り:2.403 ↑  [7:29JST]   
米国10年債利回り: 1.925  ↑  [7:29JST] 
米国 2年債利回り:1.679  ↑  [7:29JST] 
NASDAQ OMX China Technology (CHXN9000) 1,809.94 △1.59% NYFANG:IND     2,808.403 △1.87%
( 52 WEEK RANGE  2,065.031 – 2,835.206)
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100  2,220.36▼0.01%   [11/6]
(52 WEEK RANGE 2,049.76 –   2,228.89 )
米取引所の合算出来高は79億2000万株。直近20営業日の平均は68億3000万株。
AAPL 259.43△ 1.15% (52週最高値   255.82  52週最安値142.00 )
AMZN 1788.20▼ 0.42% (52週最高値 2035.80 52週最安値1307.00 )
GOOG 1308.86△ 1.32% (52週最高値 1292.03  52週最安値970.11 )
MS   144.26△0.14% (52週最高値  145.67 52週最安値93.96 )
NVDA  208.34△ 0.34% (52週最高値 249.88 52週最安値124.46 )
FB    190.42▼0.59% (52週最高値 208.66 52週最安値123.02 )
NFLX  289.57△0.34% (52週最高値 385.99 52週最安値231.23 )
※52週最高値・52最安値更新:2019/10/15時点

米中貿易協議について少し整理しますね。WSには合意は「中国の希望的観測」とまで書かれていますw

1)中国商務省は、第1段階の合意に基づき互いに比例したペースで撤回と発言
2)匿名を条件に語った米政府関係者も7日、追加関税の段階的撤回が第1段階の合意の一部になると認めた。交渉は継続中で、合意署名の時期や場所はまだ確定していないという。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-07/Q0L8SODWX2PT01?srnd=cojp-v2

肝心のトランプ大統領は、貿易協議について発言はなく株高を喜んでおります。

ホワイトハウス内部では、激しい反対論がでているようですがそりゃあナヴァロ大統領補佐官やライトハイザーあたりは猛反対でしょう。こうなると、トランプ大統領がどう判断するかです。

米国と中国が通商協議の「第1段階」合意の一環として既に発動した追加関税を段階的に撤廃する合意について、米ホワイトハウス内や外部の顧問から激しい反対論が出ていることが、複数の関係筋の話で分かった。

https://jp.reuters.com/article/usa-trade-china-split-idJPKBN1XH2R6

3回連続利下げしたとはいえ、実は今のFF金利の水準は2018年5月頃の水準なのです。ダウは最高値更新しておりますが、FF金利が25BP低い2018年1月頃も27000ドルにタッチしそうな水準だったんですね。

参照元: https://nikkeiyosoku.com/fedfunds/

それにしても、FF金利とダウの長期チャート(1970年~2019年)の50年間のチャートをみると、リーマンショック後の低金利がいかに異常なことだったかがよくわかります。稼げる産業があるとはいえ、これはダウでレガシー企業も含まれるので低金利がもたらした株式バブルとしかいいようがない。

参照元: https://nikkeiyosoku.com/fedfunds/