株式市況/国防省予算の膨張と国務省の弱体化

10月19日の市況はこちら


今朝の日経平均先物はほぼ動いていない。
米国先物市場もほぼ動いていない。8:50JST頃から動き始めた米債券市場は利回り下落でスタート。

22,500.00  8:52JST
【ドル円】 108.36 0.01 △0.01% [08:09]
ダウ先物指数 26,753.00  8:00JST
SP500先物指数 2,988.50   8:00JST

先々週の海外は、買い越しに転じちゃったしなぁ。


笑っちゃったニュース。英国が議会で成立した離脱延期法に沿って、EUに延期申請をしたものの、本人は署名してないし、別の書簡で「延期は誤り」と添えたんだってさ。EUは、ハードブレクジットをもう覚悟しているんじゃないかな。マクロン仏首相は、延期しないと発言していなかったっけ。
EUは、さっさとイギリスを離脱させて中国景気減退に備えて新たな経済戦略を構築する方が優先順位が高いと思いますが( ゚Д゚)
バックストップの件は、会長が詳細を調べてくれたので多謝♪
私はワールドニュースでバックストップ問題をBBCでみていたんですが、説明できるレベルではない。

首相官邸の当局者1人によれば、英政府がEUに宛てた3通の書簡のうち、離脱延期法が定めた延期申請文書にジョンソン首相自身は署名してない。ティム・バロー駐EU大使からのカバーノートと申請文書以外に「さらなる延期は誤り」と訴える首相の署名入りの書簡が添えられた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-10-20/PZN56PT0AFB701?srnd=cojp-v2

PBSニュースの続きでもう一つ。
国防予算が過去最大を計上して膨らみ続けている一方で、国務省予算は削られまくっているという話がありました。 米国の国務省というのは、日本で言えば外務省。 続いて、高原伝道師の動画でも、「アフガン戦争で20年もの戦っているが、軍駐留のコスト、負傷した兵士への福祉費用などが膨らみ続けている」という話もありました。
この話、何度かフォーリン・アフェアーズで見かけたネタだなぁと思って少し調べました。

フォーリン・アフェアーズは外交問題評議会(ロックフェラー一族が会長)によって発行されているので、外交重視である。そういう予備知識をもって読む必要がある。
トランプ大統領は、軍駐留の重要性がわかっていないと指摘されることがある。その通りだとは思うのだが、米国の国防予算の膨張は臨界点にまで達しているという側面もある。いつかは減額せざるおえないが、今の軍人給料は減らせないとなると、海外拠点からの撤退と消去法の選択肢をとっているのかもしれない。WW2戦後に構築してきら世界覇権の維持コストは尋常じゃない。 一国が世界覇権を維持するのは不可能に近いこともあり、同盟を組むことで軍事費用を分散できたからこそ長く続けられた側面もある。
驚いたことに、 対外軍事援助の約4分の3もエジプトとイスラエルに費やされている。どう考えても、偏りすぎているし、中東情勢は変化しているし、もはや石油利権の意味も薄れているだろう。
一方で、1946年に米軍は志願制になってから、この記事を読む限りは、どうも一般市民と意識の乖離がますます激しくなっていて、駐留費用は無駄だとする考え方が根付いているようだ。 軍事費用を福祉予算にまわすのはいいが、米国世界覇権体制が崩れることも意味しているのだが、そこまで考えがいかないのだろう。

軍人の給与が並外れて高いために、戦場で兵士たちの命を守る作戦および装備面への投資に資金が回らなくなっている。だが、兵士にマイナスとなるような法案を支持する議員はいない。国防予算が増額する一方で、外交を交える他の支柱への投資は不足している。その結果、いやま軍は伝統的に文民が担ってきたタスクを、それに必要な資源をもっているというだけの理由で担うようになった。政府の外交部門がかつての強さを取り戻すには、国務省の全面的な改革が必要だ。どうみても人員不足で、おそらく今の4倍のスタッフが必要になる。研修への投資が少なすぎるし、予算のほとんどはワシントンの民間語学教室への支払いに充てられている。むしろ、必要とされる言語を話し、関連国を専門とする人物を雇うか、外交官に全米の大学で言語を学ぶ許可を与え、外交官がもっと米社会とつながりをもてるようにするべきだ。
(中略)
最後に、米外交を強化するには、対外援助を見直さなければならない。少なくとも、近年のように、対外軍事援助の約4分の3をエジプトとイスラエルに費やすのは、時代錯誤のように思える。特に最近では、イスラエルと多くのアラブ諸国がイランに対抗することに共通の大義を見出しているために、ワシントンが莫大な軍事援助によって平和を保つ必要性は低下している。

「米外交同盟関係を支える価値」英国際戦略研究所 コーリー・シャーキー
フォーリンアフェアーズ no.6 2019