株式市況/米中交渉は明らかに中国が強硬姿勢になっている

昨日の終値。BOJはなし。

【日経平均株価】 21,188.56 △0.58% +121.33 [05/15]
TOPIX 1,544.15△0.60%
マザーズ 881.33△0.99%
【ドル建て日経平均】193.19 △0.56%+1.08 [15:00]
【ドル円】 109.66 +0.07 △0.06% [15:07]
【日経VI】18.90 -3.09 ▼14.05% [14:46]
東証一部出来高 1,524,040,000株 15:00

日経先物大証
21130 8:54JST
【ドル円】 109.49 -0.10 ▼0.09% [08:54]
ADRはKDDI△2.85%  ソフトバンクグループ△1.65%


続いてアジア。

【ハンセン指数】28,268.71△0.52%
【上海総合指数】 2,938.68 △1.91% +55.07 [05/15]
CSI 300 生活必需品指数 18556.82△5.12%
【英国FTSE100】 7,296.95 △0.76% +55.35 [05/15]
ユーロ・ストックス50指数 3,385.78△0.64%
MSCI Emerging Markets 1,015.97 △0.14% [5/15]
MSCI Intl Emerging Market Currency  1,619.71△0.01%  [5/14]
バルチック海運指数 1,043.00△1.66% [5/14]

①米中交渉の行方

トランプ大統領は貿易摩擦を和らげるような発言を繰り返していますが、中国はやる気満々のようです。ただ、USTRは既に関税引き上げに向けて正式手続きに着手しており、ライトハイザー代表が更迭されない限り、引き上げにむけた動きは進むでしょう。

中国政府が5月初め、約5カ月間の米中貿易協議で積み上げた7分野150ページにわたる合意文書案を105ページに修正・圧縮したうえで、一方的に米側に送付していたことが分かった。中国指導部内で「不平等条約」に等しいと判断された法的拘束力を持つ部分などが軒並み削除・修正されていた。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44765060U9A510C1000000/?df=2

中国の習近平国家主席は15日、他国の改革を目指す外国の試みは「愚か」だと非難した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-05-15/PRJ3AA6JIJUP01

USTRは13日、新たな関税引き上げに向けた正式な手続きに着手。公聴会を6月17日に開くほか、6月24日まで米企業などから意見を募るとした。関税が引き上げられるのはそれ以降となる。USTRはまた、医薬品や一部医療品、レアアースなどの「重要な鉱物」は関税対象から外す予定だとしている。
https://jp.wsj.com/articles/SB11713545647682074016104585300813204624890?

②中国の米国債保有減

中国の米国債保有が少し話題になっていますが、急激な保有減となるのは、中国にとってデメリットしかないので難しそうだね。米国債に代わる代替資産がないということは他の記事でも指摘されているし、米国債売却すればドル安になり元高になってしまうのだろう。
米国債を売らせないという手段にでるというより、何かあった時は”ドル決済をさせない”という常套手段が実質の資産凍結になるのだろう。

米財務省が15日発表した3月の対米証券投資統計によると、中国の米国債保有が1兆1210億ドルと、前月の1兆1310億ドルから減少し、2017年5月以来の低水準となった。米中通商交渉を巡る先行き不透明性が払拭されない中、過去4カ月で初めて減少。ただ中国は依然として世界最大の米債保有国となっている。
https://jp.reuters.com/article/us-treasuries-holding-idJPKCN1SL2RF

外貨準備の運用において安定性と流動性の面で米国債が最も便利な資産であることだ。中国当局が利益を保管するための他の資産を探すのは難しいだろう。海外利益を国内に還流させれば人民元を押し上げるため、米国の関税に加え、輸出業者がさらなる問題に直面することになる。
https://jp.wsj.com/articles/SB11903324868505544753904585303643858870212

③中国の自給自足率

私の認識が間違っていたことで、一つ。中国は農業大国だと思っていて、ほぼ自給自足しているんだろうとか思っていました。中学校の社会の教科書にでも出てくるレベルなのにね…

気づいたのがこの動画。とくに見る必要はないですが、高原伝道師を何度も観る合間に、タイトルが気になったら流し聴きしています。たま~に、すごく重要な中国に関する気付きをくれます。ただ、リファランスを示さないので、必ず自分でソースが正しいかを確認必要があります。

データで見ても、動画で指摘している通り、少なくとも大豆の自給率は相当落ち込んでいるようだ。

例えば、飼料用として重要な大豆は90年代前半は9割を超える自給率だったが、足元では約1割にまで落ち込んでいる。米国やブラジルからの輸入に頼らざるを得ない状況で、食料安全保障上のリスクが高まっている。

近年の急速な都市化の影響も、農業改革の必要性の背景にある。中国では1次産業の従事者は現在約2億1千万人。1991年のピークに比べてほぼ半減し、農業の担い手が急減している。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41735270V20C19A2FFJ000/

家庭ではおなじみの豚肉の飼料用大豆、食用大豆じたいの生産量が横ばいなのに消費量がどんどん増えている状況。そりゃあ大豆が重要なわけだ…。
中国本土では豚コレラも発生しているから、豚肉価格だけでCPIを押し上げているようだしね。

動画では、”まずは、食べ物の味を覚えさせる。次にその家畜の生産方法を教えるが、その家畜の飼料調達元を握ってしまう。そうすれば、その輸入元に従わざるおえない”と指摘していたが、あれ、これって我が国も…

調べたら、兵糧攻めは、既に米国の常套手段だったのね( ゚Д゚)

政治的な理由による禁輸は、過去に実施例がある。1979年にソ連は、突如、アフガニスタンに侵攻した。これに激怒した米国のカーター大統領は、ソ連に対する穀物の禁輸を発表した。
その頃、ソ連の食料生産は硬直した社会主義体制の下で行われており、需要に生産が追いつかない状況が続いていた。食料はソ連の弱点になっていたのだ。カーター大統領はそこに目をつけて、ソ連を兵糧攻めにしようとした。
しかし、カーター大統領の目論見が成功することはなかった。禁輸が発動された年に、ソ連は以前よりも多くの穀物を輸入している。世界の貿易市場で穀物はだぶついている。他の国が争ってソ連に輸出したのだ。
一方、米国の農民や商社は不満を募らせた。他の輸出先を探さなければならないが、だぶつく商品の新たな買い手を見つけることは難しい。80年は大統領選挙の年だったが、共和党のレーガン候補は禁輸の解除を公約に掲げた。このことは、カーター大統領が再選されない一因になったとされる。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4791?page=2

現状を考えると、米国の代わりに他国が大豆を輸出できるかだろうが、既に世界の65%を中国が輸入しているのに更に供給できるかどうかって話だろうね。


参照元:http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/jki/j_rep/monthly/201505/pdf/11_pro_import_1505.pdf


米国市場は反発。

【NYダウ】 25,648.02 △0.45% +115.97 [05/15]
NASDAQ 7,822.15△1.13%
S&P500  2,850.96△0.58
【VIX恐怖指数】16.44 -1.62 ▼8.97% [05/15]
【WTI原油】62.177 ↑ [8:10JST]
【NY金先物】1296.58 ← [8:11JST]
ドルインデックス:97.55 ← [8:11JST]
米国10年債利回り:2.377 ↓ [8:11JST]
NASDAQ OMX China Technology (CHXN9000) 1,888.51△2.11%
NYFANG:IND 2,619.16△1.61%
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100 2,195.05 ▼0.07% [5/14]
米取引所の合算出来高は62億9000万株。直近20営業日の平均は70億株
AAPL  190.92△1.20% (52週最高値 233.47 52週最安値142.00 )
AMZN 1871.15△1.69%  (52週最高値 2050.50 52週最安値1307.00 )
GOOG 1164.21△3.91% (52週最高値 1273.89 52週最安値970.11 )
NVDA  159.58▼1.52% (52週最高値 292.76 52週最安値124.46 )
FB   186.27△3.07%(52週最高値 218.62 52週最安値123.02 )
NFLX  354.99△2.71%(52週最高値 423.21 52週最安値231.23 )
※52週最高値・52最安値更新:2019/5/7時点

まだ検討段階だが、日本株にとってはプラスだろうが180日(6ヵ月)の猶予だからね。
本来は今月18日が判断期限だったらしい。

トランプ米政権は日本と欧州連合(EU)からの自動車・同部品輸入に関し、関税賦課を遅らせる代わりに対米輸出を「制限ないし規制」することに同意するよう、日本とEUに180日間の猶予を与える案を検討している。ブルームバーグが閲覧した大統領令の草案で明らかとなった。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-05-15/PRKFBV6KLVR401?srnd=cojp-v2

ファーウェイは非上場株だから、直接的にチャイナ株価指数には影響ないだろう。
ファーウェイのサプライヤーには影響でるのだろうか?

米商務省は15日、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と関連70社を「エンティティーリスト」に追加すると発表した。ファーウェイは米企業から部品などを購入することが難しくなる。米当局者によると、ファーウェイは部品調達を米国のサプライヤーに頼っているため、一部製品を販売することも難しくなるという。
https://jp.reuters.com/article/tokyo-stx-outlook-idJPKCN1SL2XP