株式市況/米中貿易交渉はまだ続く/野口先生の新刊「戦後経済史」は必読だ

昨日の終値。会長から拝借~

【日経225 21,205.81 +172.05 △0.82%
ドル建て 191.47 +0.45 △0.24%(←たいして上がってない)
TOPIX 1,591.64 +8.79 △0.56%
JPX日経400 14,176.82 +85.88 △0.61%
マザーズ総合 955.84 +0.19 △0.02%
日経ジャスダック平均 3,444.19 +10.97 △0.32%
東証一部出来高 1,174,750,000株

今朝の日経平均先物

21530 8:56JST
【ドル円】 110.98 +0.14 △0.12% [08:56]
ADRは、ソフトバンクグループ△1.48% ファーストリテイリング▼1.37%


続いて、アジアとチャイナ。トルコ統一地方選挙は、引き続き共和同盟が勝利したようだがリラはどうなったのかあまりニュースがひろえない。

【ハンセン指数 HSI】29,051.36△0.96%
【上海総合指数】 3,090.76 △3.20% +95.81 [03/29]
CSI 300 生活必需品指数 16962.74△5.22% [03/29]
【USD/CNH 】6.7159(↓)5:37JST
【USD/CNY 】6.7111(↓)5:37JST
【USD/HKD】7.8497(←)5:37JST
【英国FTSE100】 7,279.19 △0.62% +44.86 [03/29]
ユーロ・ストックス50指数 3,351.71△0.95%
MSCI Emerging Markets 1,058.13 △1.24% [03/29]
MSCI Intl Emerging Market Currency 1,641.04 ↑ [3/29]
バルチック海運指数 689.00▼0.43%[3/29]

↓ これなぁ…
欧州では輸出が好調で中国がお得意様になっていることは認識していて、カナダ、オーストラリア、日本もチャイナ勢の住宅買い、観光消費などが大きく寄与していた。
ところが、チャイナの景気が怪しくなり、カナダ、オーストラリアなどは既に住宅価格が下落しはじめている。この説は、ぼんやり考えていたんだが、こうもはっきり示されると確信に近いかもな。
ただ、米国のバブルは自社株買いとETF買いが寄与しているからまた少し違うんだろうな。ただし、住宅バブルはチャイナの買いも寄与しているはずだ。


ちなみに、李克強指数の用語解説はこちら。しかしまぁ世の中、指数だらけですねぇ。

中華人民共和国第7代国務院総理の李克強が総理に就任する前、遼寧省の幹部だった2007年に国内総生産(GDP)よりも信頼できる数値として挙げた「電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行融資残高」の3つをもとに作られた中国の経済指標。2010年イギリスの「エコノミスト」紙によって名付けられた。「チャイナ・モメンタム・インジケーター」とも言われている。また、総理就任後の2015年には、新たに重視している数値として「雇用の安定、所得水準、環境」を挙げたことから、これらの3つを「新・李克強指数」と呼ぶこともある。
https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ri/A02870.html

Huawei決算も驚愕。トヨタも2兆円企業といわれていたが、今年の見通しは2兆円を下回りそうなんだね。


続いて、米国市場。
【NYダウ】 25,928.68 △0.82% +211.18 [03/29]
NASDAQ 7,729.32△0.78%
S&P500 2,834.40△0.67% +
【VIX恐怖指数】13.71 ↓ [03/29]
【WTI原油】59.969 ↑ [5:41JST]
【NY金先物】1292.40 ↑ [5:41JST]
ドルインデックス:97.21 → [5:41JST]
米国10年債利回り:2.412 ↑ [5:42JST]
NASDAQ OMX China Technology (CHXN9000) 1,954.17△1.88%
NYFANG:IND  2,635.67△0.75%
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100 2,159.08△0.11% [3/29]
S&P U.S. High Yield Corporate Bond Index:640.53 ↑(index level) [3/29]
米取引所の合算出来高は74億1000万株
AAPL 189.95△0.65% (52週最高値 233.47 52週最安値142.00 )
AMZN 1780.75△0.41% (52週最高値 2050.50 52週最安値1307.00 )
GOOG 1173.31△0.41%(52週最高値 1273.89 52週最安値970.11 )
NVDA  179.56△1.30% (52週最高値 292.76 52週最安値124.46 )
FB   166.69△0.69%(52週最高値 218.62 52週最安値123.02 )
※52週最高値・52最安値更新:2019/3/29時点

こんなツイートで好感して株価が上がっちゃうってどうかしているよなぁ。CHXN9000の上昇が顕著ってことだ。

ムニューシン米財務長官は29日未明、「米通商代表部(USTR)と私は北京での貿易交渉を建設的に終えた」とツイッターに投稿した。合意に向けて米中両国が歩み寄っているとみなされた。建機のキャタピラーが2%強上げるなど、中国関連銘柄の上昇が目立つ。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL29HQT_Z20C19A3000000/

野口先生の新刊が本日発売。最近、途中までnoteで無料公開してますが、これがキッカケで2回ほど購入してます。出だしで購入意欲を掻き立てるという本の構成に変わっていきそうですよね。もう変わってるのかな? 少し長いですが、引用。

この本の副題「私たちはどこで間違えたのか」は強烈だよね。もう間違えたことが結論づいていて、「どこ」かが問題になっているというw

3月10日の経験は、「国家」というものに対する、私の不信の原点になっています。究極の危機が降りかかってきたのに、何の助けにもなってくれなかった。それどころか、危機であることを伝えてすらくれなかった、という不信です。
(中略)
「敗戦を覚悟した国家が、軍が、全力をあげて最初にすべきことは、攻撃戦域にある、また被占領地域にある非戦闘民の安全を図ることにある。その実行である。ヨーロッパの戦史をみると、いかにそのことが必死に守られていたかがわかる。日本の場合は、国も軍も、そうしたきびしい敗戦の国際常識にすら無知であった。(中略)本土決戦となり、上陸してきた米軍を迎撃するさい、避難してくる非戦闘員の処置をどうするか。この切実な質問にたいし陸軍中央の参謀はいったという。『やむをえん、轢き殺して前進せよ』」
また、日本は、ドイツが降伏した1945年5月8日以降も戦争を継続しました。いったいなぜだったのでしょう? せめて6月に終戦になっていれば、多くの日本人の運命は、劇的に変わっていたはずです。
これは私が戦後ずっと抱き続けてきた疑問です。この間の事情は、最近になってようやく分かってきました。降伏の遅れは、指導者の誰もが責任を取りたくなかったために、決定が引き延ばされ続けただけのことです(吉見直人『終戦史』、NHK出版)。
↓ 新刊
私は、国家不信に陥るような強烈な体験をしたことがない。
バブル崩壊後で熾烈な受験戦争にさらされたし、友人の父親が勤務する山一証券が倒産したこともあったが、それでも国家不信にはならなかった。ある意味、国家そのものを信用するのではなく、自分しか頼りにはならないという意識が早い段階で芽生えていたからかもしれない。
国家というか、一般市民が政府不信になるような経験って、徴兵制・本土決戦などの犠牲を伴う戦争と経済恐慌、ハイパーインフレなんだろう。
野口先生があれこれ発信しているのは、「犠牲者を出さないために、後世に伝えなければならない」という使命感なんだろう。野口先生と同世代で「戦争は悲惨」という悲劇的な感想を押し付けるだけで「戦後の私達はどうすればいいの?」という問いにまったくつながらない活動をしている人達には静かな怒りを覚えさえする。それが凡人と天才の違いなのかもしれないが。
あと、「降伏の遅れは、指導者の誰もが責任を取りたくなかったために、決定が引き延ばされ続けただけ」というのも強烈です。
これって今の金融緩和がまさにそうなんだろうな。誰も責任を取らないし、失敗と認めないからずるずる引きずって最後の後始末が大変になる。あ、そういえば太平洋戦争だっていまだに「失敗した」と認めていないよね。

余談ですが、量的緩和は失敗するという歴史が証明してるんだよね。また板谷氏の金融の世界史、などを読み返したくなってきた。