昨日の米国市場では、株価は下落、米債券利回り上昇。
来週の2000億$規模の入札もありますが、選挙後で民主党がバイデン大統領勝利、上下院制覇を見込んでいる見方が多いようですね。
コロナ追加経済予算を実現させるには、連邦議会の上院、下院で採決をとり賛成多数にならなければ実現しません。
8月の大統領令で、トランプ大統領はFEMAから400億ドルを利用して、失業保険給付増額に利用しましたが、大統領権限で動かせる予算なんてたかがしれているのです。1兆ドルとか5000億ドルとか動かすには議会なんです。
議会を動かさないと連邦予算は動かせません。アメリカ議会の最大の権力および政策実行力の源泉は「財布の力」です。
上院の年内スケジュール
上院議員の多くは26日のバレット最高裁判事承認投票でワシントンを去りました。10月28日の商業科学運輸上院委員会公聴会をもって、ほぼ上院議員はワシントンには不在です。30日から一部議員でプロ・フォーマセッションが開かれるようですが、投票や審議は11/9からです。上院委員会の各公聴会も11/10からです。12月後半には休会に入るので、年内は活動がありません。
年内に最も重要な法案、あるいは決議は、年度予算でしょう。
9月末に年度予算が切れたので、CR(継続予算決議)が12/11まで有効になっています。再度継続決議をする可能性も多分にありますが、協議が難航すると政府閉鎖の問題がでてきます。すでに下院多数党院内総務は「12月には休暇がなくなるかも、用心しておけ」と民主党下院議員に周知したようです。
尚、総選挙が11/3に行割れれますが、現職議員の任期は12月末までとなります。
新たに当選した議員たちは、2021年の1月4日から新しい会期がはじまり、議事堂に足を踏み入れることになります。下院議員は2年任期なので、数十名くらいは現職は落選して新しい議員が入ってくることになるでしょう。個人的には、非クリスチャン率(現在は約15%)がどの程度高まるかに注目しています。
年内のコロナ追加予算実現はない
さて、トランプ大統領は選挙後にすぐコロナ追加予算を実現させる!とか発言しはじめたようですが、下院でどの法案審議を取り上げるかの権限はペロシ下院議長にあります。上院では、マコネル上院院内総務にあります。
つまり、どちらかが「こんな法案を取り上げる価値がない」と思えば、片方で通過した法案を「dead on arrival」できます。
で、マコネル上院院内総務は2021年になったら取り掛かると昨日、発言したので、その通りになるでしょう。つまり、年内に審議する気はないということです。今までの経緯をみればわかるように、共和党は民主党案2兆ドルに断固反対しているので選挙後に柔軟に対応するということはない。
また、民主党が支配する下院議会が、すでに上院で通過した共和党案5000億ドルを可決させれば実現しますが、たぶんそれはないでしょう。
Senate Majority Leader Mitch McConnell (R-Ky.) says he expects Congress to move another coronavirus relief package “right at the beginning” of 2021, breaking from Speaker Nancy Pelosi (D-Calif.), who told reporters Thursday she wants to get a deal in the lame-duck session.
引用:The Hill
また、年末までに第7巡回区&第1巡回区控訴裁判所の判事の空席も大統領指名&上院承認で埋めることを予定しているとマコネル上院院内総務は述べている。
バレット最高裁判事の時に注目されたが、最高裁判事だけでなく、連邦裁判所判事も大統領によって指名され、上院議会が承認する。
共和党上院が多数党でいる限り、やれる限りのことはやるのだろう。
マコネル上院院内総務は、7月頃は楽観視していたが、9月から上院議会の議席は50vs50だとみているようだ。
“We’re going to run through the tape. We go through the end of the year, and so does the president. We’re going to fill the 7th Circuit, and I’m hoping we have time to fill the 1st Circuit as well,” McConnell told conservative talk radio host Hugh Hewitt.
引用:The Hill