先週発表された失業保険継続受給者数(5/16日終了週)は2110万人だった。 10週間で4000万人近くが新規失業申請給付をして、そのうち 2110万人は未だに 失業保険継続受給をしているのである。
ブルームバーグの試算では、新型コロナウイルス感染拡大による危機で仕事を失った米国市民に支払われるべき失業給付のうち、3分の1近くがまだ支払われていないことが明らかになったことが記事になった。
また、POLITICOによると、米国パンデミック発生後に起きて失業給付した人の半分は給付を受け取っていないという試算もある。5月末になっても多くの州で、申請するのにさえ長く待つ必要があるため申請を諦めている人もいるという話だ。
Roughly half of those who applied for benefits since the beginning of the pandemic are now receiving them, according to Andrew Stettner, senior fellow at The Century Foundation. But legal advocates and worker groups complain that workers in many states are still facing long waits, glitches and little assistance in accessing the aid from state agencies, leading applicants in some cases, to give up.
https://www.politico.com/news/2020/05/28/coronavirus-weekly-jobless-claims-286911
3月末にThe CARES ACTが制定された時に、連邦政府が州政府の失業給付に600ドル/州上乗せが決まったのだが、その時に the Pandemic Unemployment Assistance program というものもリリースした。このプログラムでは、通常の失業給付制度では、失業給付金が受けられない自営業者、単発仕事請負( independent contractors やgig workers)にも給付を拡大したのである。しかも、CNBCによると、このカテゴリーの人達での失業申請給付は800万人近くにもなるのである。過去の申請者数のうち25%が、このカテゴリーからの申請だったことが明らかになった。
5/23週では、62%がこのカテゴリーからの申請だったこともわかった。今後も、申請数が高止まりの場合は、これらの人達からの申請の可能性があるのかもしれない。
一方で、このカテゴリーの人達ががすんなり失業給付を受け取れているかというと、そうではないようだ。例えば、POLITICOによると、ワシントン州では個人事業主をはじめとしたこのカテゴリーの人達6万人がまだうけとれていない。
そもそも the Pandemic Unemployment Assistance program は、州ごとに対応が異なるためオハイオ州やネヴァダ州では5月半ばに申請開始したようなところもある。
共和党は、連邦政府による600ドル/週の上乗せは、7月末で終わらせるとしている。600ドル/週も上乗せされてしまったことで、今までの時給よりもはるかに超える給付を受け取る人がでてきたからだ。共和党としては、それが労働に復帰する妨げになっているとのことだ。
一方で、民主党は来年1月まで継続させるべきだとしている。
The Pandemic Unemployment Assistance program については、話がでているのかまだよくわかっていない。今後も、新規失業保険者数が継続していくようなら、このカテゴリーからの比率が上がっていないことを要注意してみていきたい。